東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

4.踏んだり蹴ったり(11日目~15日目)(薬:松木優佳)

2019年10月20日 (日)

 こんにちは。今回のヘッダーはハワイシリーズよりガーリックシュリンプです。映えるようにかなり盛り付けに気を使いました。というのも屋台飯なので結構盛り付けぐちゃぐちゃだったわけです。...折角花添えてるのに。

  

 さて今回は11日目~15日目についてになります。

~今回の内容~

①観察記録

・ふあふあ&キャベツ、本葉の巻(12・15日目)

・ブロッコリースプラウト実食の巻(13日目)

・ブロッコリースプラウト二代目の巻(15日目)

・室内パクチーを徒長させるの巻(15日目)

②気づいたこと

③前回のコメントについて

①観察記録

ふあふあ&キャベツ、本葉の巻(12・15日目)

○屋外 10月17日(木) 16:39 19.8℃ 湿度45%

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 ふあふあMIXと黒キャベツの本葉が出てきました。黒キャベツはあんまり元気なさそうな方が先に本葉が出てきたので意外でした。

 飛びますが以下15日目(10/20)の様子です。 

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 というかふあふあミックスまた混み合ってきたような...ただ次間引きするなら食べたい。あと、パクチーが4つからなかなか増えないのと、日の当たる方向に曲がっていっているのが気がかりですね。

 

ブロッコリースプラウト実食の巻(13日目)

○屋外 10月18日(金) 12:07 16.9℃ 湿度59%

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 前回の記事で翌日(10/16)に外に出すと行っていましたが、外に出すのを忘れてしまいました...17日から日を当て始めましたが、10cm近く伸びている個体が多数...伸ばしすぎました。

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 収穫しました。根がコットンにしっかり絡まっています。

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 10cm~5cmまでかなりばらつきがあります。まっすぐ育たなかったものも多く、ひょろ長いもののなかには折れてしまっているものもありました。短い方が茎が太い傾向があるので、やはり育ちすぎですね。

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 ちなみにこちらがスーパーで売っていたものです。ほとんどが7cmほどまでまっすぐ伸びています。苗床は脱脂綿のようなもので、かなり薄いみたいです。 

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 洗ってお肉と一緒にいただきました。左が育てたもの、右が買ってきたものです。量もさることながら市販の方が葉っぱが大きく、みるからに丈夫です。味はどちらも同じぐらい辛味がありましたが、育てた方は辛さを感じる前に苦味というかエグみが...そういや育てているときにもそのような匂いがしていました。市販の方はシャキシャキしてみずみずしくて美味しかったです。どこで差がついたのか...

 

 ということで、ここまでの成長記録を表とグラフにしてみました。計測時間はバラバラ、最頻値は目測なのでかなり適当です。

最頻値最大値
1日目 0.0 0.0
2日目 0.4  
3日目 1.8 2.5
4日目 2.5 4.0
5日目 3.0 5.0
6日目 3.5 5.5
7日目 欠測
8日目 5.0 8.0
9日目 6.5 9.0
10日目 7.5 10.0
11日目 欠測
12日目 欠測
13日目 8.5 11.5

  

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 基本的に目を離したすきにかなり伸びていますね。一日あたり0.8~1.0cmほど伸びるようです。日に当てた後も意外と伸びていたようなので、5,6cmになったら外に出すと良さそうです。

 

ブロッコリースプラウト二代目の巻(15日目)

 さて、初代があんまり美味しくなかったので次こそシャキシャキのブロッコリースプラウトを育てたいと思います。

 ○まっすぐ伸びなかった→苗床が平坦でなかった、密度がバラバラ、種が重なっていて、持ち上げられている種もあった。

 ○苦い→水を換える手段がなく、古い水がそのままだった

このあたりを考慮して 

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 きっちりかっちり敷き詰め&コップの下に穴を開け、水は皿から吸えるようにしました。これで水の交換ができます。さらに、今回は水道水ではなく贅沢に天然水を使っています。苗床は今回もコットンですが、今回はもともと5段重ねのものを使用したので十分貫通しやすいと思い、余計にさいたりしていません。

 実は、金曜日(10/18)の夜に、給水させようと水につけておいたらすでに1/3ほど発芽していました。はやい。環境は前回と同じですが、前回より寒くなってきたのでどうでしょうか。

  

室内パクチーを徒長させるの巻(15日目)

あっ

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 やらかしました。カーテン閉めっぱなしで一日外出しました。快晴ならともかく曇りがち・雨がちで暗い日陰状態に...もともと徒長気味だったのにこれじゃ完全にスプラウトです。スプラウトとしてはブロッコリースプラウトよりできが良さそうというのがなんとも...。右上のひょろひょろは10cmあります。幸いなのは殻が取れているものは5~7cmぐらいでとどまっているのがまだましといったところでしょうか。

 あまりに不健康なものは間引き、昨年度のオカダさんの記事を参考にしつつ土寄せしました。が、まだ短いものもあるので子葉だけ出して土をかぶせるわけにも行かず、密度が高めなので上手く押し込むのも難しいという...とにかく胚軸がみえまくっていた(そもそもきちんと覆土していない)ので土をかけたり、斜めに生やさせたりして下のようになりました。

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 一部倒れているように見えますが、小一時間したら光に向かって上を向きました。さすが植物。ちなみに環境は気温20℃前後、湿度60%前後です。

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 こちら同環境で水耕風に放置していたパクチーです。こちらも徒長気味ではあるものの、水分過多の割に被害少なめです。というかいつの間にこんなに伸びていました。暫定でティッシュを詰めていたのですが、お察しの通り、このティッシュは下に下がっていくので2,3週間が限界です。なので、水耕栽培をするとしたら苗床を変えないといけないのですが、買い出しにいけるのは木曜日...植え替えするには手遅れになりそうです。いっそ屋外パクチーは成長している4つ以外を諦め、こちらを植えてしまおうか...

 それと、水分過多のこれを見ていて気がついたのですが、鉢と比べてちゃんと殻がとれています。よく見ると葉がかなり水分を含んでいるよう。ということで、鉢の方に霧吹きで水をやったところ早速殻が半分外れた個体がいました。そういうロジックだったのか...

 

②気づいたこと

 パクチーの発芽について絵を書きました。

キャプチャ.PNG

 最初パクチーは必ずヘタ側から根が出てきて、徐々に茎、子葉の順番に出てきます。このとき必ず逆さのU字になって子葉が出てきます。このとき根は横を向いていても、根茎から上はしっかり上を向きます。茎が成長してくると殻を持ち上げられるようになり、先に片方だけ殻から外れます。そうすると重みでもう一方だけが下がった状態になるので上手く開きます。殻が外れるときに左右両方の葉が同時に外れると、その後も上手く開くことができず、くっつきやすくなってしまうようです。観察した範囲では、濡らしすぎても乾燥していても片方ずつ外れるのは難しいようです。

 

③前回のコメントについて

 ハーメルンに書いているんですね!私は小説家になろうの方で異世界モノを色々と読んでいます。読み専です。昔から応援していた作品が小説家されると嬉しいものですが、最近は乱発されすぎててちょっと...と思う部分もあります。しかしアニメ化クラスになるとやはり一味違いますね。今秋、4年前から応援していた「私、能力は平均値でって言ったよね!」がアニメ化されました。興味があればぜひ。

 ブロッコリースプラウト、赤いのは最終的に消えていたので大丈夫だったのですが、なかなか美味しく育てるのは難しいと思いました。市販のすごさを感じました。

 日照時間、外は今の時期だと早朝は微妙ですが、割と朝から夕まで日が当たっているみたいです。6~8時間ぐらいだと思います。

 屋内はというと、早朝~午前中はちゃんと直射日光が入ります。10時すぎると明るい日陰(晴れ)~暗い日陰(曇り)になります。基本的に

 

起きる→カーテンを開ける→学校→帰宅(暗い)→照明をつけて移動→消灯して窓辺へ→寝る

 

というシステムにしているのですが。昼まで寝過ごすことが少なくないため、一番明るい時間にカーテン閉めっぱなしということが発生しています...初めからカーテン開けて寝るべきですね...

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 ちなみに夜間は照明+スマホの懐中電灯を照射しています。前のスマホを使っているので支障はないのですが、まだブラウザもアプリも使えるのに懐中電灯扱いされるスマホはちょっと可愛そうですね...案外窓方向に曲がることなくまっすぐ伸びていたので、結構有効っぽいです。それと、水やりは3日に1回程度だと思います。というのもあまり数えていないというか、土がきちんと乾くのがそのぐらいかなという感じです。(字数:3305字)

コメント

松木さんこんにちは

 おお、ハワイアンのプレートに取り分けましたか。上品なエスニックですね。そういえば仙台でもタイ・ベトナム・ネパールなどの料理店が増えてきたものです。

 さて余談から先に(?)行きます。

 なろう系小説ですか!! もちろん異世界ものばかりではないのですが、どの系統でしょう。異世界ものでは正統的転生成り上がりもの、時間遡行もの、TSもの、最近はクラスごと転生いじめっこリベンジものなんかの系統がありますね。異世界系以外では、悪役令嬢系が全盛期でしょうか。「平均値でって」も良作で人気ですね! しかし4年前では、中学の時から中二病に......

 私はもちろんそれらも好きですが、勘違い系が一番好きで、特におすすめは「無欲の聖女」と、「サムライトリップ・イノグランド」です。どちらも完結です。これを面白くないという人がいたら見てみたいですね。

 まあどうでもいいことですが私が書いているのは、銀河英雄伝説二次が多いのですが、今はハーメルンで「コンスコンだけど二週目はなんとかしたい」というガンダム二次を続けています。日々一万人読者のためです。松木さんも何か書いてみればいいですね。

 さて、植物は順調のようです。パクチーは光要求量が他より多いのか、曲がっていますが、そういうものですね。ふあふあミックスは適宜間引きして下さい。しかし、これは生育途中で収穫するものですから間引きし過ぎないくらい、多少混んでいるくらいにとどめましょう。

 ブロッコリースプラウトはとても上手くいき、収穫にたどり着きました。食レポもいいですね。見るとお肉がでかくていい感じです。スプラウトの味にエグ味が出たのはご愛敬、生育にわずかギクシャクがあるとそんなことが多いですね(ちなみに鉢栽培で肥料が多すぎると葉に硝酸態窒素がたまってエグ味が強くなるのですが、スプラウトは肥料を入れないのでそれとは関係ない)。子葉の大きさ、緑、胚軸の長さ、太さ、比較するとさすがに市販品はしっかりしていますね。これはやはりスプラウト栽培のノウハウというものがあり、最適になるように生産者はしっかり管理しているということです。スプラウト生産でさえ技術というものがある、というのが分かります。たぶん植え床の違いだけではないのでしょう。

 よく成長を計測し、しかも最頻値と最大値を分けて考えました! これはなかなかできないことです。科学論文では標準偏差をつけたグラフにまとめてしまうことが多いのですが、それはバラツキが正規分布に従うという暗黙の了解があるからです。しかし、実はそれがいいとも言えません! 感じたままにデータを見せるというのも大事で、意外な知見が見つかることもあります。メタデータの編集と言われますがここもセンスが問われるところで、同じデータから得られるものが違います。

 グラフと考察もいいですね。グラフはやはり分かりやすく、これを作るスキルは大事です。この温度条件では9日で遮光をとるべきなんですね。

 さて知見を活かして二回目チャレンジですか。いくつもの改善を施されていて見るのも面白いです。特に、コップに穴を開けるという発想は展開ゼミ初のことです! さあ、どうなるかやってみましょう。秋深くなりましたがスプラウトは室内ですから温度条件はまだ大丈夫だと思います。栽培期間がどう長くなるかも含めて観察するのがいいですね。天然水というのも意味合いがあるでしょうか? まあやってみましょう。本当の科学実験なら条件をたった一つだけ変えて、見定めるものですが、この場合はまとめてやってもいいと思います。

 他のパクチー、面白い姿です。光不足にけっこう弱い植物であることは私も初めて知りました。土寄せは正しいですね。水耕栽培は限界でしょうか。コップの下を半分くりぬけば...... しかし徒長のために限界かもしれません。

 パクチーの発芽スキームは美しくまとめられました。イラストもとてもキレイです。なるほどそういう順番で殻が取れるんですね。ちなみに、当研究室で播いたパクチーは何も工夫せず始めてしまい、まだ発芽してません。

 さて最後に日照、屋外栽培では問題ない日照条件ですね。屋内では、それほどの光ではないようです。人間には明るく見えても、エネルギー量は少なそうです。なぜそう言えるかというと、ほとんど光合成の役に立たず、せいぜい植物の屈曲反応だけに作用するスマホの光で真っすぐになるからです。それと同等の光しか窓から来ない、のかもしれません。ちなみに屈曲反応そのもので光が光合成に充分な強さがあるかというと、あまり目安になりません。しかし、そのためにカーテン開け閉めするのも大変ですし、スマホの電池も弱って容量抜けをしたら、それこそ大ごとかな、と思います。

ではまた、お待ちします。

ラボスタッフ・オガタ