東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

[4]ふあふあミックス開始~・ハツカダイコンの間引き(工:吉田朱里)

2019年10月31日 (木)

最近、仲の良い友達に勧められて鬼滅の刃を見始めたらハマった吉田です。
twitterの趣味系のアカウントでよく流れていたのですが...まさかハマるとは思っていませんでした。なかなかいっきには見られていませんがエンジョイ中です。
せっかくなので主人公の耳飾り風なものを作ってみました。クオリティは高くありませんが遠くから見たらそれっぽいかな?といった感じです。

ふあふあミックス
こちらは台風前の10日から栽培をスタートしました。こちらも何点か(とくに種まき付近に)失敗気味なところはありますが...一応すくすくと育っています。今回は経過報告、失敗とそれに対する対処をした現状についての報告です
まずは種の観察結果です。種自体は一回目で述べたように、小松菜丸葉山東菜春まき山東菜紫たか菜の4種類です。見た目ははっきりとは4つに区別できませんでしたが、大まかに、茶色やや赤茶色黒色しわしわ、といった具合に区別をしてみました。(後々思ったのですが、種のしわしわは中学の頃にやったエンドウ豆の遺伝の法則、まるとしわ、と同じようなものなのでしょうか)
20191029152743-67ebbb9b4cce023ae67df76868bec7257e900d30.JPG
蒔くときもおおよそこの区別がつくように、鉢にビニルテープで区別がつくように工夫しました。こちらも2回以上できるとのことだったので1回目は適当に混ぜて蒔くのもありかと思いましたが、せっかく観察で分類したのでそのまま分けてみました。
(前々回のコメントで知ったのですが、最初の肥料はいらないのですね。とりあえず即興で種まき前日に肥料を置いて水をかけてしまったので、あまり良くないのかもですがそのまま育ててしまっています。なお、種はそこをよけるように置きました。)
20191031125448-fb73ff9179c00310c563cb7389af00823fdc6dd5.jpg

ここではもうひとつやってしまったことが...軽く土を...かけ忘れました。なんだか思い込みで...でも種袋のイラストの横にしっかりと「うすくまき、軽く土をかけます」...たぶんこれは常識的なこと...本当に何やってんだよとなりました...
やっちゃったかもと気づいたのは茎が伸びてきてからで、その頃ハツカダイコンが土が薄かったのか水やりするとすぐ倒れかかってしまっていた頃でした(ハツカダイコンは土寄せをできる範囲でしました)。こちらは薄くとのことだったのでこのまま行くかとしばらくは特に土は加えていませんでした。根がとにかく下へ下へと伸びてくれればといった思いで...
先日の渡辺教授の記事では「水を一度やって、根っこの周りが乾いてくると、それに従って、水のある方向に根っこが伸びようとするわけです。。確かに言われてみれば植物だって生きるために光の方に葉を向けるのと同様、根っこも水のある方に伸びていきます。おそらく水の与えすぎと悪天候続きの光不足となった野菜たちにとってはしばらく水を控えて根を下へ下へと伸ばしてもらう必要があるなと思いました。そこでその記事以降は土が乾いたように見えてもしばらく水は我慢に。(意味的には、かわいい子には旅をさせろ!的な)
しばらくの成長はまとめて...
20191031170351-b8bafbf7ad5e81d10f1889bfea80cec3d9286a97.JPG
台風等の影響もあって、やっと日差しにしっかり当てた5日目には西日の方へそろって向いていました。
開始から一週間でおよそこのくらいに
20191031170119-3db788dfdf7d0845ba5eadde1bf7e6740ed6c4b5.jpg
11日目
20191031172013-73c64f564e77f3bcc9272c6bce64b6b41580a074.JPG
20191031172035-6fdcb041052bde1048e13f6713cb53c19234f1e1.JPG
三つ葉もちらほら見つけました。
この頃にやっと芽が出始めたのも!ただ全体像からもわかるように徒長気味でした。そして水をあげたときに一部の茎が倒れてしまい...(まだこの時は日光に当てればだいぶまっすぐに戻りました。)
このころ今年度の松木さんがふあふあミックスの間引き、土の増加を行っている記事を見ました。その後少し経って、私のところも松木さんの間引き前並に過密なような...そこで少し日の開いてしまったものの29日火曜(20日目)に間引きと土の増加をしました。
間引き前はやはりだいぶ徒長し倒れてしまっているものが多かったです。どれを抜くかなどの選別は4種類、それぞれ異なっていたため徒長のしすぎ、葉の色が明らかにおかしいもの、混み具合などから考えました
切っていく中で葉の縁のやや紫がかったものは茎が細く、徒長の傾向が強かったです。逆にこの種類は太く低いものがなかったため一部はそのまま残しました。BeforeーAfterであまり土の追加もうまくはありませんがだいぶ混み具合も変わったことが読み取れると思います。土は小さなスプーンを用いて隙間隙間を埋めていきました。
20191031173553-bad1fb28fcaa72fe77f3edb7e29b156ca8a3b457.JPG
間引いたものはまたまた鍋に追加して...(今回は白菜と豚肉のミルフィーユ鍋)
20191031173620-33b332022f11b5cc78b233fa6a986e20085a40bf.jpg
味はかいわれのような辛みはほぼなく苦みが強かったです。
今後の展開としては、間引き後も種類や混み具合にいよっては残してしまっている細長い個体がしっかりと倒れることなく育ってくれるかどうか...といった感じです。また今年度の日野原さんが本葉から種類を考察していたので次回あたりはそこも詳しく見ていきたいです。

ハツカダイコン
先日追加の土をもらいに行ったとき、オガタさんに同時期に栽培を始めた他の植物についても実物を見させていただいたところ、やはりだいこんの茎が多少くねってしまうのはしょうがないようですね。(なるべく土寄せをして立たせようとはしてみました。)ただ私のは明らかに本葉が小さかったです。そして今回は、開始から20日目、ややおそめですが、間引きとしていくつか根本付近からはさみで切りました。
切るのに選別したことに関しては...
  • 茎の太さ
  • 子葉の形、色(ここら辺はこちらのサイトを参考にしました。)
  • 斜め具合

結果切ったものと残ったものはこんな具合に...

20191031174652-80fbbe13d4ccf6cf6d2ee595f82d8ebe36c6f52f.JPGのサムネイル画像

20191031173948-82662249557a8bf0e9d21d5dd0ab41192109fc72.jpg

残したのは7個体です。一部、そこまで混み合っていないものは形が変でも残しました。しばらく違いが生じるのか様子見ですね。例年のを見ているともっと間引いていくことにはなるのでしょうが。

切ったものは友達の家で作ったハンバーグに添えました。
20191031174027-39620941083b4bb7292c5e90ed45ec1454c3cfa7.jpg
味は前回食べた赤茎かいわれ大根よりも野菜独特の苦さがあったものの、レストランのサラダなどでで出てくるベビーリーフのような味でした。(個人的にはふあふあミックスの間引き個体よりもおいしかったです。)
今後の間引きで採ったものはより味が苦くなってしまうのか、記憶の範囲で比べてみたいです。
間引き後2日目(開始から22日目)ではだいぶすっきりしていて、間引き前ほど葉っぱの裏が見えていたり、くたっとしていたりがなくなりました。
20191031175102-5c59f68158ccaf8eebb15a7fb8e81ffe8a686284.jpg
今現在心配なこととしては横たわり気味のものはどのように実がなってしまうのかということです。これからもこまめにと観察をしていきます。

前回のコメントに関して
赤茎かいわれ大根のコップの内側の水滴はその頃、水を与えてから写真を撮ってしまっていたものによります。後々内容は少し異なっていたものの、水をどのくらいで与えているかの目安として水やり前に写真を撮った方が良いとのことだったので最近は気をつけています。
温度に関してはこれからの季節低くなってくることでしょうし、しっかりと置き場を考えなくてはといった感じです。ビニールハウス的なものはあまり効果がないとのことだったので、保温系のものはやはり過去の方々の記事を参考にしていきたいです。
(いつも長くなってしまってすみません。)

コメント

吉田さんこんにちは

 鬼滅の刃ですか...... 今大変人気がありますね! 永遠の中二病である私も概要は分かるのですがじっくり見たことはありません。コミックもスルーしていました。設定的なものが、いくつかのものの合成のような気がしたもので。しかし、人気であることからやはり光るものがあるのでしょう。今度私もしっかり見てみます!

 それにしてもグッズを自分で作りだすとは...... さすが工学部と言うべきか... 今後ともそういう物があれば写真でお見せ下さい!

 さて最初にふあふあミックスの種子の分別とは! 本当に手間をかけて選り分け、その写真を組み写真にして分かりやすく示されています。しかし、どうしてこのような種類と割合で混合しているのでしょうか。それは、用途(サラダ?)に応じて味が最適になるためでしょうか。どのみちサラダは混合するものですから。その食味と同時に、栽培上でうまくいくような組み合わせなんだと思います。早く大きくなるものが勝ち、他を抑え込んでもいけませんし、ある程度発育がそろうものだと思います。サラダならむしろアブラナとレタスを組み合わせてもいいと思いますがその二つのミックス栽培は難しいのでしょうね。

 写真では確かにシワとか丸とかあります。それとよくメンデルを結び付けましたね。昨今では農学部の学生でさえ生物がすっかり飛んでいる場合が多いのに......

 鉢に播いた様子とその後の発育が一目で分かるように並べていますね。

 覆土は薄めでもいいでしょう。水分管理を下手にしなければ、どのみち土に根を張ります。ちなみにこの水を求めて伸びるという性質は水分屈曲性といいますが、現象としては当たり前でもそのメカニズムはまだ分かっていません。かなり複雑な遺伝子発現に寄っています。

 子葉の形について、私も認識が足らず、そういう三つ葉の品種なのか...... てっきり発芽時の傷か障害かと思ったのですが、きれいな三つ葉ですね。そして若干光量不足か、徒長気味です。適宜間引きと増し土をされていますか。土が少し少な目なので増し土ができる容積はあるでしょう。

 そして食レポです。間引きは必要に応じて行っていき、そして食べてしまうのがいいですね。ただ播種11日目でよかったですね。いや、種子が殺菌剤処理されている場合があり、播種後速やかに分解されていくものですが、11日ならば大丈夫かと思います。ちなみにスプラウト用のカイワレなどには殺菌剤処理はなくいつでも収穫できます。その代わりカビたりしやすいのですが。

 ミルフィーユ鍋、凄いですね。しかし、ハクサイだけでなく、糸コンと卵が見えるような...... そして味なんですが、苦みがありましたか。肥料過多の時にそうなりやすいですね。植物は窒素分があればタンパク合成を盛んにして光合成の原動力にします。それで成長していきます。余った窒素は葉に硝酸態窒素として貯めますので、そういう味になることもあります。

 野菜の篤農家は、肥料で充分に大きくして、出荷前にわざと肥料分を切り、味を整えるということまでします。そういった肥料の精密なコントロールのために、肥料を水溶液にして土ではなく葉にかけるという手間をとることまであります。

 ハツカダイコンは胚軸が伸びやすく、倒れてしまいますね。ふらふらする障害があれば土寄せすべきですが。あまりひどくなければこのまま根が太ってハツカダイコンになります。ただし形が丸にならず、曲がることも多いです。

 食レポ、なるほど他よりクセがないんですね。プレートの食事、美味しそうです。

 温室については効果がないことはありません。もちろん作りによります。適度な封鎖性と日光を邪魔しないこと、そして風で飛ばされない強度があればいいんですが。保温性が無いのは当たり前で、加温しなければ夜は外気温まで下がります。そんなことはどうでもいいのです。お渡しした植物は温帯性植物、日本の冬の寒さに耐えられないことはありません。ただしそれでも温室の意味があるのは、日中の光のある時に温度を確保して光合成をさせるという意味です。植物は光があっても温度が低ければ光合成ができません。

 毎年展開ゼミでは夜に植物を暖めようと、室内に入れたりとか頑張る人が出てきますが、無意味かつ逆効果です。夜に暖かいと植物は呼吸が盛んになりエネルギーを無駄に使ってしまいます。また、何かでくるむのも意味がありません。恒温動物でもない植物が熱を出すはずもなく、温まるわけがありません。そろそろ寒い季節になりますので、先に言っておこうと思いました。

では引き続き、報告お待ちします

ラボスタッフ・オガタ