東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

実食ちょい辛ミックス(農:竹本泰)

2019年12月 1日 (日)

紅葉の盛りが過ぎて本格的な冬になってきました。紅葉は片平キャンパスの大きな銀杏の木がとてもきれいでした。今は散った葉が地面を埋め尽くし一面黄色になっています。さて、画像は紅葉を身にまとったモカちゃんです。とんねこの古参猫です。人懐っこい性格で誰でもなでさせてくれます。しかし、モカちゃんと付き合いの長い先輩に溺愛というか相思相愛で、先輩にスリスリする姿が微笑ましいです。


栽培記録


植物の成長に変化が見られなくなってきました。こんな時こそ細部の変化にしっかりと目を向けていきたいものです。

肥料過多アスパラ菜

11/20(水) 気温7度 16:23

49日目

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水の減少の早さを気にしながら肥料過多の栽培を続けております。が、、、!!風が強かったのか、折れてしまったところが完全に切り離れてしまいました。これは完全に死んでしまいましたね。大事な3株のうちの一つがなくなってしまいました。残りの2株は元気いっぱいなのでそちらに比較実験の未来を託します。

11/28(木) 16:36 4度

57日目

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この画像を見てください。丸の部分の茎と本葉が生えている茎の太さが異なることに気がつきました。予想ですが、徒長してしまったがその後立て直して、しっかりと成長してしまったため細い部分が見えてしまっているのではないでしょうか。奥の子が鉢の縁にもたれかかっているように見られます。アスパラ菜に関しては、ちゃんと成長してくれていると思っていたのですが爪が甘かったようです。土寄せするべきなのか、上にはしっかり伸びているのでそのままにするか、迷うところです。いったん様子見とします。


食レポ

今回の本題は題名の通り、ちょい辛ミックスの食レポです。と、その前に成長したちょい辛ミックスの様子を見てみましょう。

11/28(木) 16:37 4度

IMG_4526.JPG前回の投稿からより一層色鮮やかになりました。これなら、紫高菜と三池高菜を見分けやすいですね。さらに、葉の数もましてもうそろそろ食べ頃です。何株か残して収穫してみるのも面白いですね。(どこまで大きくなるのか実験してみるなど。)

さて食レポといきましょう。

37063CCF-6F57-4C2F-908E-F65A12F13372.jpg今回収穫したちょい辛ミックスたちです。ちゃんと4種ありました。そこで、前回種類分けしたとおりに視覚的に分けてみました。ちりめんからし菜とサラダからし菜はこに写真ではわかりにくいので、詳しいことは後述します。1本ずつしか収穫しなかったのとじっくり違いを味わうために、生で何もせずに食べました。

・ちりめんからし菜

まず口の中を緑というか葉の風味が満たします。そして風味が消えたと思った矢先に、品名の通り「からし」の風味がツーンと鼻を抜けます。それからぴりぴりとした感じが舌に残ります。本当に「あれ、からしっぽくないな、、、」と思ったあたりでツーンと来るので辛さが倍増したように感じます。また、細毛のせいか唇に当たる感じがチクチクしていました。

・サラダからし菜

甘みがありつつもちゃんとした辛みもありました。辛みはちりめんよりも辛く、「からし」という感じがつよかったです。甘い分ギャップがあったせいかもしれませんが。。。

・紫高菜

ます驚くべきはその色鮮やかさです。料理にちょい足しするだけで料理に彩りが出ますね。美しい紫色。味はぴりぴりする辛さで辛みが強かったです。高菜の味は知らないのですが、「これぞ高菜味」という感じでした。高菜の味を知れた気がします。そして、色が濃い方が味も濃かったです。色素体と味が何か関係しているのでしょうか。

・三池高菜

紫高菜の辛みが減少してその代わりに「緑」感が増しました。驚くべきほど圧倒的「緑」感(風味)でした。小松菜とかそういう類いの「苦み」に近いような感じもしました。味が口の中に残ります。

総括した感想は、どれもちゃんと辛かった、です。薬味として使うのが最適ですね。ミョウガと似たように使えそうです。

追記

・ちりめんからし菜とサラダからし菜

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左がちりめんからし菜で右がサラダからし菜です。一番よく分かる違いは、葉の形です。ちりめん(左)の葉はパセリの様にくしゃっと(?)なっていて、ちりちりしています。擬音ばかりですみません。。。またサラダ(右)はシュッとスリムで深い切れ込みが特徴でクールっぽさがうかがえます。甘みもありつつ辛い、、、ツンデレですね。(笑)

コメント

竹本さんこんにちは

 そのモカちゃんという猫は文章から察するとなかなか賢くて人懐っこい猫のようです。うらやましいですね。うちの猫はもちろん家で私と常にいますが、それはエサをくれて、また暖かいためであり、なんか自分本位な表情をしている猫です。エサも最近は「絶品懐石」に飽きたらしく、「三ツ星グルメ」を食べています。

20191202130200-21a6c70e63dd316f2241a1850c98f66ff63712ac.JPG さて植物の状況ですが、昨今の気温ではあまり変化が出ないでしょう。これ以降は成長も遅く、手入れとしても時々の水やりと追肥くらいなものになります。そういえば、12/5頃には天気予報で5℃/-2℃の予報が出ています。さすがにこの温度は12月初旬としては例年より寒いと思います。

 仙台で一番気温が低いのは2月初旬で、-1℃/-6℃くらいなものでしょう。まあ、人間の体は馴染みますから体感的には12月末あたりが一番寒く感じます。ちょうどクリスマスあたりの頃ですね。充分防寒してから定禅寺通りのサンタパレードでも見て下さい。

 ちなみにそんなマイナス気温でも今育てている植物たちは全然平気で、成長しないまでも枯れることはありません。

 さて、最初の報告は風で折れたものですか。残念ではあります。その肥料過多の鉢のものには興味があります。株数は2株あれば、まずは良し、なのですが。そして株を捨ててしまったことはちょっと残念です。本当に肥料を吸い上げて、硝酸態窒素の苦みが出ているかどうか、個人的には知りたかったところでもあります。

 折れたこと自体は胚軸が長く出過ぎていて、増し土が足りなかったことが原因ですね。鉢のスペースにゆとりがまだあるので土を足せばいいと思います。上の茎の方が太くて胚軸が細いことは決して珍しいことではありません。そして自明のことですが力学的に、揺らされやすい株元が細ければ余計弱くなります。繰り返しですがきちんと土寄せして下さい。

 ちょい辛ミックスは言われる通り色が鮮やかです。きれいに紫高菜が発色していますね。

 本来ミックスのままで、サラダとして調理されて食べられるところをきちんと分けていのが面白いです。その4種を分けて、1種ずつ味を確かめ、興味深いものです。小さな1株からよくそこまで読み取りました。残りの株は大きくしながら順次収穫して下さい。別に植物の寿命的に小さくて終わることはありません。上手く栽培すれば大きくなります。

 さて試食、全般的にちょい辛ミックスらしく辛みが全てにあるんですね。アブラナ科植物らしいところです。

 食レポとして面白いのは、科学的なことはさておき非常に文学的で、なにかこう伝わるものがありますね。一種の才能ではないでしょうか。こういった文章を書くのはなかなか難しいことです。

 「高菜の味を知らないのですが」、高菜を語れるというのは凄いことです。ちなみに色素のアントシアンに味はないように思うのですが、栄養状況や代謝に関係しますので、同じ個体でも葉の色で味が変わってもおかしくないですね。

 植物の利用の仕方を含めて多くの人に参考になる記事だったと思います。

さて次回もまた期待してお待ちします。

ラボスタッフ・オガタ