東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

5.「人間そっくり」(文:小松澤亮晴)

2020年11月14日 (土)

1.挨拶

 こんにちは、小松澤です。今回は安部公房の「人間そっくり」を紹介します。ある日、主人公のもとに火星人を自称する男が現れます。男は初めの方こそ狂人(この言葉遣いはここでは許していただきたいです)じみていますが、次第にその言動がただごとならぬ意味を含んでるかのように思えてきます。「トポロジー」という理論を途中で持ち出してくるからでしょうか。「トポロジー」は位相幾何学のことで、有名な言葉だと、「トポロジストはコーヒーカップをかじりながら、ドーナツにコーヒーを注ぐ人だ」というものがあります。ものすごくざっくり言ってしまえば、任意の物体の形を、その物体の形質を損なわないように変えてしまえば、上の文でいえば「ドーナツ=コーヒーカップ」となってしまう、というわけです。これを「一次元ベッチ数2のトーラス」といいますが、常識に適った言い方をすれば、どちらも「穴が一つ」ですね。主人公はこの「火星人」に翻弄され、しまいには自分の帰属がわからなくなってしまいます。そして最後に、次のような内容を示唆して終わります。もし、仮に、「現実の人間」と「寓話の人間」が、トポロジー的に同一解釈できるとして、自らを反対側の人間だと思い込んでしまっているとしたら、どうであろうか、そしてもしその自分の本来が、「寓話の人間」であったなら⋯⋯。


~目次~

1.挨拶

2.経過観察

3.結び


2.経過観察

 カイワレダイコン2世を見ていきましょう。

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これは8日目のものです。前回はこれ以上伸ばそうとして失敗してしまったので、今回は早めに日光に当てていきます。

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こちらが翌日の9日目です。相変わらず緑化が早いですね。というわけで、こちらも早めに収穫しました。

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前回の3本に比べて、多くの収穫になりました。とはいっても、何本かはやはり枯れていたり折れていたりして(しかし腐りが原因ではない様子。日光に当てすぎたり、他のとの競争に勝てなかったからかと思われます)、すべて収穫、というわけにはいきませんでしたが。とはいえ、自分的にはリベンジ成功です。汁物、サラダといっしょに食べました。しかし辛いですね。あと、洗うときに葉がぬめぬめしていたのも気になりました。3世も育てていきますが、記事には今後出てこないかと思います。

 鉢の方はどれも少しずつ伸びています(印象)が、とりたてて特集することはなかったです。ベビーリーフはそろそろ収穫時なので、次回の記事ではベビーリーフの話題が中心になるかと思われます。


3.結び

 以上になります。そういえば、他の受講生の記事を見て、肥料の存在をすっかり忘れていたことに気づきました。自分の帰属を忘れてしまった「人間そっくり」の主人公を笑えませんね。次回の記事はそこのところも含めたものになるかと思います。それでは、第5回の記事でした。

コメント

小松澤さんこんにちは

 おお、今回はやはり不条理文学、安倍公房から一冊ですか。

 それを読んだことはないのですが、トポロジーをキーワードにしての常識世界からの離脱の感じでしょうか。まあトポロジーについての説明は全くその通りで、短く的確にまとめられていると思います。その筆力は文学部らしくて凄いですね。

 理系の人ならトポロジーについても概念だけは知っているもので、いやそもそも理系には馴染みやすいものです。なぜなら理系は必要なもの「だけ」を取り出し、他を無いものとする概念的純化が当たり前の作業だからです。その純化の程度によって基礎と応用、あるいは理論と実践という区別になります。

 安倍公房はどういうふうに書いて常識の根本をあいまいにしたのでしょうか。興味があります。

 今回の報告は、簡潔にまとめられていますね。カイワレダイコンの二回目は順当にいったようです。8日で区切ったのは英断といえます。播種密度のせいか若干曲がっているのもあり、それなりにバラついていますが良しとしましょう。

 料理に入れるとキレイですね。味はまあ辛いでしょうか。それにしてもサラダとみそ汁とは立派ですね...... 

 ぬめりについては、やはり腐敗の前兆があったのでしょうか。まあ健康に害のあるものではないでしょう。

 他の植物について施肥はもうそろそろ行って下さい。量や方法については他受講生を参考に。

 ではまたベビーリーフ記事と、中間報告をお待ちします。

 ラボスタッフ・オガタ

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