東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

10.「狭き門」(文:小松澤亮晴)

2020年11月30日 (月)

1.挨拶

 こんにちは、小松澤です。今回はフランスの作家アンドレ・ジイドの「狭き門」を紹介します。ジイドは「地下室の手記」の記事でも少しだけ触れました。「力を尽して狭き門より入れ」とは、「ルカ伝」の言葉ですが、この話の冒頭に書かれています。信仰を第一とし、禁欲的ともいえるような恋愛をしようとする主人公の恋人アリサですが、最終的には信仰と絶望の混乱による苦しみで身を滅ぼしてしまいます。この作品はよく、「神に敵する者、神の前より出でて、悪腫もてヨブを打つ」の「ヨブ記」と結びつけられて論じられます。あと、遠藤周作の「沈黙」もですか。主題はすなわち、信仰を守り続ける者の前に、神を果たして現れたか、ということです。この主題はそれこそ「ヨブ記」以降問われてきたことですから、何千年もの間ずっと人々が向き合ってきたことだともいえます。しかしこれは、「神は現れないのだから、つまり神など存在しないのだ」などのような稚拙な解答で以て立ち向かえるような問いでは、少なくともないように思われます。


~目次~

1.挨拶

2.経過観察

3.結び


2.経過観察

 では、小松菜と芭蕉菜を見ていきます。43日目(11/27)です。一枚目が小松菜で二枚目が芭蕉菜です。

20201129015457-9f223eb21dd097bd1bbbb7bb2ea5ca927ee8bf1c.jpeg20201129015530-96f2931abcf9cdac0a21aa63ce55074d71c7d9d2.jpegここで少し問題が生じました。今までは昼間は元気で夜中に少ししおれ気味になるかな、といった具合だったのが、明るい時間に様子を見にいったのに、しおれていました。土が乾いていて、明らかに水不足でしおれているのだな、と、焦って水を与えました。写真は水をまいた後にとったものですが、これは後日これらの植物がどう変化していくか(まあ、直感で復活はするだろうなと予想してのものですが)という対比のために撮ったもので、その後の植物の様子は下の写真のようになります。2日後の45日目です。

20201129221220-bf9d558180bdd2917a200ca8616f0e49f483f304.jpeg20201129221251-718e1b6b8e6d7e7c6834284d62f117c5f1810dc3.jpeg

やはり完全復活してくれました。本当に一安心です。他の受講生の記事かなにかで、植物が成長して水やりの頻度が上がっていく、ということを聞きました。以前から夜中だけしおれて昼間にはもとに戻っているのをよく見ていたので今回も水をあげればなんとかなるだろうと思いましたが、正直復活してくれてすごくほっとしています。あと、尾形さんからのコメントでもあったように、子葉が枯れているのを確認しました。これからはもっと水やりのために様子の確認をしていかなければなりませんね。


3.結び

 以上になります。少しトラブル発生、というような内容でしたが、今のところはこれまでどおり特に「深刻な」問題は生じていません。そろそろ間引きを考えなければなりませんが、植物の生長具合から、間引き兼収穫のような形になるのかな、と思います。それでは、第10回の記事でした。

コメント

小松澤さんこんにちは

 これはまた難しそうな小説です。

 始めに言いますが、よく「狭き門」が日本では意味を全く間違えて捉えられています。日本では入り難いものをそう呼び、転じて難関のように使われることが多いのです。実はキリスト教で言う「狭き門」とは決して入り難いものではなく、実は「見つけられにくい門」のことを指した言葉です。誰もが目にも留めないほどちっぽけな門、大して価値がありそうにも思われないみすぼらしい門、だからこそ誰もが入りたがりません。しかしそれこそが真理に至るというのです。

 それを念頭に入れていればまた見方が変わるのではないかと思います。その本は知らないのですが、「苦しくても進め」という意味ではなく、「せっかく見つけた門を手放すな」ということではないでしょうか。結局意味は同じ、いやニュアンスは変わると思います。わざと試練を与えられているのか、そうでないのか、に関わりますから。「沈黙」についてはまた難しい話で、しかし私が驚くのは、読み取り方に深みがあって素晴らしいと思いました!

 さて今回の報告は「水不足と萎れ」「そこからの回復」ですね。

 写真で見るとコマツナもバショウナも萎れました。この程度なら充分回復可能であると思えるのですが、その通り水やりで回復しました。まあ、そういうことも普通にあります。ただし成長のストレスにはなりますので、以後はここまで萎れないようにしたいですね。しかし難しいことを言うようですが、逆に全く一度も萎れたことがないというのも水のやりすぎを疑いますのでその塩梅が難しいことです。

 しかしながら、こちらが気になったのは違うところです。

 けっこう萎れが頻繁であり、今回は特にそうでした。確かに植物が大きくなると吸い上げる量が増えるのですが、ここまで頻繁かなあと思います。そこで鉢土が完全に中まで湿ったのかが気になります。一度、いつもより思い切って多量の水をやり、鉢底から多く水が出るのを確認した方がいいでしょう。つまり水の道筋によっては鉢土の中に乾きっぱなしが発生していないか、ということです。そうしてみてもやっぱり一日内に萎れがあるのなら鉢が小さいために絶対的に水分の貯えが少ないとも言えますし(その場合はもう一段の間引きが必要かもしれません)。

 さあ割に順調なのですが、ここから本格的な寒さに入ります。いかなる影響になるか分かりませんが、見て上げて下さい。

 ではまた報告お待ちします。

 ラボスタッフ・オガタ

20201130190622-daa7886652e26a1db3b11a5c3f930de7b453d2f5.JPG11/29に富谷の宿場跡というものの観光に行き、そこで入った蕎麦屋です。

むちゃくちゃ多くの昭和初期ラジオがあります。

私の一つの趣味が真空管なので楽しかったですね。