東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

ふあふあミックス実食!!(経:林瑞紀)

2021年11月19日 (金)

こんにちは!

最近、「富士柿」という1個500円もする柿を買いました。スーパーで並んでいるものは1個128円くらいなので1個500円もすることにとても驚きました。値段もそうですが、ホオズキのような形に惹かれて購入を決めました。「富士柿」という名前には「大きい実が富士山のような形をしているから」という由来があるようです。富士柿は上品な甘さがあり、後味がすっきりしていました。マンゴーのようななめらかな食感で、高級な柿を試すことができたのは本当に良かったです。

私は食べ物の中で1番柿が好きで、1度、柿の木を家の庭に植えようと検討しましたが、柿の木にアメリカシロヒトリと呼ばれる毛虫が大量に発生すると聞いたので断念しました。私はどうしても毛虫が苦手です。なんとかして毛虫への対応策を考え、将来は自分の家で柿の木を育てたいです。

少し長くなりましたが、柿の話は以上です!今回もよろしくお願いします!


目次

1.観察

2.ふあふあミックス実食!

3.最後に


1.観察

①収穫方法

ビーリーフの収穫方法ですが、間引きをしながら収穫する方法と「かき取り収穫」と呼ばれる方法の2種類の方法がありました。「かき取り収穫」とは1株丸々引き抜いてしまうのではなく、外側の本葉からハサミでカットしていく方法です。今回は育ちのよい小松菜と丸葉山東菜をかき取り収穫で、少し小さい春まき山東菜と紫たか菜は根から引き抜きました。

ベビーリーフの収穫時期と方法は?家庭菜園初めての人向けに育て方から解説! | 暮らし〜の (kurashi-no.jp)



②葉の観察

スーパーで買ってきたベビーリーフを観察してみました。今回買ったものには「ルッコラ」、「レッドケール」、「ミズナ」が入っていました。いくつかのスーパーに行ってみましたが、ふあふあミックスに入っている、「小松菜」、「丸葉山東菜」、「春まき山東菜」、「紫たか菜」のベビーリーフを見つけることができませんでした。品種は違いますが、まだふあふあミックスを育てていくのでその参考にします。

スーパーベビーリーフ.jpg              (上からミズナ、レッドケール、ルッコラ)

スーパーで売られている、ルッコラとレッドケールの葉の大きさは約7cm、ミズナの葉の大きさは約13cmでした。


次に私が収穫したベビーリーフを観察しました。

小松菜.jpg
黄緑.jpg(左:小松菜 右:丸葉山東菜)

ギザギザ.jpg紫たか菜.jpg(左:春まき山東菜 右:紫たか菜)



私が育てた小松菜の葉の大きさは7cm、丸葉山東菜の大きさは10cm、春まき山東菜の葉の大きさは8cm、紫たか菜の葉の大きさは10cmと少し大きい印象です。種が入っていた袋には「20cm位になったら収穫」とあったので収穫する時期に対して慎重になっていました。しかし、スーパーで売られているものを見るともう少し収穫が早くてもよかったのかもしれません。



ふあふあ30 (2).jpg               (植えてから30日目のふあふあミックス)



植えてから30日目のふあふあミックスの葉の大きさが約7cmなので、大きさだけで判断すると30日目での収穫が適切なようです。



                                               

③葉脈、茎の観察

葉脈は葉の裏のほうがくっきりしており、見やすかったです。

丸葉山東菜

黄緑絵 (2).png黄緑絵 (2).jpg

紫高菜

小松菜絵.png紫高菜絵.jpg

小松菜

小松菜裏 (2).png小松菜絵.jpg

春まき山東菜

ぎざぎざ裏.pngぎざぎざ絵.jpg

観察してみて気づいたことは、どれも真ん中に1本太い葉脈が通っており、その左右から葉脈が伸びているのですが、左右交互に葉脈がのびているということです。網目の特徴も小さい部屋みたいなものがいっぱいあるかのような網目状で4つとも似ていました。この4種はどれもアブラナ科なので似たような葉脈が観察できたのだと思います。




次に茎の断面を観察しました。

丸葉山東菜

黄緑 茎.jpg

黄緑茎絵 (2).jpg

紫たか菜

紫高菜茎.jpg紫高菜茎絵 (2).jpg

小松菜

小松菜茎.jpg小松菜茎絵 (2).jpg春まき山東菜

ぎざぎざ茎.jpgぎざぎざ茎絵 (2).jpg



比べてみると山東菜の2つは比較的茎が平べったいように見えます。一方で小松菜と紫たか菜の茎は丸みを帯びていて少し厚みがあります。また、どれも維管束がアーチ状に並んでいます。播種から39日後では維管束を約6本観察することができます。

維管束は周りの部分よりも色が濃くなっていて観察しやすくなっています。


2.ふあふあミックス実食!

まずはそれぞれを生の状態で食べました。

小松菜と丸葉山東菜はしっかりとした食感で、茎に少し塩味を感じました。小松菜のほうがくせが少なく、食べやすかったです。

春まき山東菜はざらざらとした食感で味は他のものに比べて特徴が薄いように感じました。

紫たか菜も小松菜や丸葉山東菜と同様に茎に塩味を感じましたが、葉全体としてはからしのような風味があったように思われます。調べてみると高菜はからし菜の変種だそうです。そこまで辛い印象もなくそのままで食べても大丈夫そうです。

次に熱湯で4分ほどゆでてみました。

ゆでた (2).jpg

(右:小松菜  左:丸葉山東菜  下:紫たか菜  上:春まき山東菜)

面白いなと思ったことは、ゆでる前は黄緑や紫などそれぞれに特徴があったのにも関わらず、ゆでるとすべて同じ色、濃い緑色になったことです。調べてみると小松菜、丸葉山東菜、春まき山東菜と紫たか菜では違う理由がありそうです。

前者の3つはゆでることで本来のクロロフィルの色が見えるようになるから濃い緑色になるようです。葉の細胞の間には空気が含まれており、この空気によって本来の緑色より黄色く見えています。加熱することで空気が膨張して抜けていき、本来の色が見えるようになります。

野菜の緑を鮮やかに、美味しく茹でるテクニック | CHEF CREATE

一方で、紫たか菜にはアントシアニンと呼ばれる色素が含まれており、これが葉が紫に見える要因です。加熱することでアントシアニンが崩壊され、紫たか菜の特徴である紫色が抜けるようです。



ゆでた葉を食べてみると、どれも生の状態より味が薄くなりました。

農学部の小島さんの記事にあったようにゆでると苦味、えぐみがなくなるのはまだ葉が若いからなんですね。

⑥ イトウミックス実食記 ー調理方法はよく考えようー | 全学教育科目・展開ゼミ2021 | 植物分子育種分野:渡辺研究室【東北大学大学院|生命科学研究科】 (tohoku.ac.jp)




最後に収穫したベビーリーフとチーズとベーコンを使ってホットサンドにしていただきました!おいしかったです!

トースト (2).jpg


3.最後に

今回、収穫しなかったふあふあミックスもどんどん大きくなっていて、また食べることができそうです。今度は違う食べ方で食べてみたいです。大きさだけで判断すると植えてから30日前後がちょうどいい大きさになりますが、もう少し大きく育ててもそれほど苦味などを感じることなく食べることができました。過去の受講生の方の記事を見ても、早めに収穫する人や少し大きく育ててから食べている人など様々いたので育てる人の好みによるようです。


前回の記事のコメントで肥料についての言及がありましたが、播種してから39日目(11月13日)にコカブと黒キャベツに施肥しました。肥料によってより元気に育っています。近々、コカブと黒キャベツについてご報告します。


経済学部の佐藤さんが紹介していた、「サスティ―」と「地中温度計」にとても興味があります!いくつかのホームセンターや100円ショップに足を運びましたが見つけられなかったので、インターネット上での購入を検討してみようと思います。紹介、ありがとうございます!

第7回 中間反省と道具紹介 | 全学教育科目・展開ゼミ2021 | 植物分子育種分野:渡辺研究室【東北大学大学院|生命科学研究科】 (tohoku.ac.jp)

コメント

経済学部・林さん

大きなカキの写真ですね。写真の「JAにしうわ、八幡浜、愛媛県産」と言う文字が見えて、驚いています。渡辺の出身の愛媛県産。ところが渡辺はこのカキ(富士柿)を知らなかったです。調べてみると、蜂屋柿(甲州百目柿)の枝変わりと言う記事を見つけて、なるほどと。いずれ、渋柿で、渋抜きをして食するものだと。枝変わりというのは、果樹で特定の枝の果実が大きいとか、おいしいとか。その枝を接ぎ木で増やして増殖することで、それを品種として確立できるものです。カキの写真に物差しがあると、その大きさをイメージしやすいですね。心がけて下さい。

前置きが長くなりました。4つのmixになったものをそれぞれに分類しているのがわかりやすいですね。物差しがあるのもよいですね。幼植物になっている状態を食そうとしているのも。スーパーの葉っぱとの比較もよいことだと思います。対照区、つまり、どれと比較するのかというのはわかりやすく伝わってきます。

収穫時期ですが、ストライクゾーンに入っていると思います。全てを収穫しないでさらに栽培を続けるというのも、新しいトライでよいと思います。是非、続きを紹介して下さい。あと、実際に葉っぱの全体像と葉脈、さらには葉っぱの横断面に維管束の位置を書いているのは、この講義でも初めてのトライだと思います。この両方のスケッチを融合することができます。山東菜がわかりやすいですが、横断面の維管束の数は6つです。葉っぱの葉脈のスケッチを見ると、太いのが、左に2本、右に3本。どの維管束とどの維管束がつながっているかはこれからだけではわからないですが、真ん中の大きな維管束(中肋)から維管束が分岐しているのではなくて、細い維管束が束になり、葉っぱの葉脈を形成しているのがイメージできるでしょうか。いずれ、よいトライです。

他の受講生の記事を参考にして、自分の実験に取り入れているのもよいことだと思います。この先1ヶ月くらいは平年より暖かい予報です。暖かを大事にして、栽培・報告して下さい。


わたなべしるす