東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

エチレンと老化(理:山田和輝)

2021年12月13日 (月)

こんにちは。
最近はポケモンにハマっています。これは今やっているブリリアントダイヤモンドです。

私が初めてゲームをしたのがポケモンのダイヤモンドなので、十数年ぶりに同じゲームをやる、ということで感慨深い思いをしています。
野菜の栽培やポケモンの育成もそうですが、1つのものをコツコツとつくりあげるって大変なことですよね。

ゲームをやりながらそんなことを思いました。


本日の内容


・前回のコメントを受けて

・実験

 




前回のコメントを受けて


白菜の葉が立ってくる、とのことでした。たしかに、店で売られている白菜はどの葉も立っているなぁと思いました。私は外側の葉が立ってきている、ということよりも、内側の葉が丸みを帯びてきている(結球)こと、外側の葉の茎が太くなってきていることを観察しました。茎が太くなれば支えられるから、しっかり立てるのかなと思いました。外側の葉の立ち具合については今後観察していこうと思います。



実験


前回の記事で、かいわれ大根と光屈性の関係を調べる、と行ったのですが、いろいろ先を考えてく上で実験しにくいということが分かったので、別の実験を行うことにしました。
別の実験の説明の前に、軽くどのようなことをしようとしていたのかについて説明しようと思います。
まずは、光を当てることで光屈性について確認したあと、光を当てる時間と曲がり具合についてデータをとり、グラフにまとめようと思っていました。
しかし、曲がり具合というのは単純に光屈性のみに依存するものではありません。
重力の影響なども考えなければならないと感じ、うまく実験出来なそうだと感じました。
では、これから行う実験を紹介します。それはエチレンと老化の関係です。
先日、ミックスを収穫した際に、収穫したことを忘れて放置してしまっていた1本のミックスが黄色くなっていたことに気づきました。でも、根をはって、はちの中で成長している個体は同じ時間でも黄色くなりません。(水をあげていないからかもしれませんが、、)
この黄色くなる現象には、植物ホルモンのエチレンが関係している事がわかりました。
ということで、このエチレンを産生させなければ、または産生したと同時に別の物質にかえれば老化は防げるのではないかと考えました。そこで、順調にそだっている白菜1個体を実験対象にし、葉1枚1枚について操作を行おうと考えました。

IMG_9925.jpg


1何もしない(室温)

2水(につける)(室温)
3Clが入っている液体(室温)

4何もしない in 冷蔵庫

5水 in 冷蔵庫

6凍らせる in 冷凍庫


7沸騰したお湯にいれて取り出す

IMG_9926.jpg

1については実験の着想となった状況を再現するため、2は水につけるのは単に水をあげていないから老化したのかを確認するために行います。また、同じ状況を冷蔵庫にいれても行います。これは温度と老化の関係について調べるためです。Cl-が入っている液体というのは、次亜塩素酸ナトリウムが入っている、キッチンハイターです。これで、エチレンに対して付加反応出来る(?)と思ったからです。沸騰したお湯に入れるのは、タンパク質を変性させるためです。

※老化との関係というのは、老化の早さをはかるといった方法で行いたいと思います。

実験の状況は下の写真で説明をします。

0時間目 室温19℃

IMG_9929.jpg   1~4の実験の様子

IMG_9928.jpg5 6の様子

IMG_9927.jpg7の様子

この実験結果の副産物として、適切な葉野菜の保存方法がわかります。Cl-が入った野菜は食べれないので議論から外しますが、予想は冷凍が一番良い保存方法かなと思います。次に、冷蔵だと思います。

コメント

理学部・山田さん

育成系のゲームをやったことがないのでイメージがないのですが、細かなことをcareすることは同じかもしれないですね。毎日の観察をしてみて下さい。カイワレダイコンを使って分かりやすい実験として、重力屈性があるかも知れないですね。昔隣の研究室でシロイヌナズナというモデル植物を使って実験をしていた方がいました。

今回は老化とエチレンの関係ですか。この時期に樹木の葉っぱが落葉することに関係していると言われています。1年生なので本格的な実験は難しいと思いますが、理学部の生物ということなので、もう少し考えて見ることが大事だと思います。エチレンは気体のホルモンです。エチレンが出ていることをどうやって測定するのか。もちろん、機械がないので、その代わりに何を使ってそれを示すのか。エチレンが出ないようにするためにはどうすればよいのか。いわゆる、「阻害剤」という言い方をします。それぞれの実験区がどのようなイメージを持ったものなのか、それを次の報告のと気にしてもらえると、他の受講生、特に、理系でない受講生には分かりやすくなるかと思います。次の報告を楽しみにしています。

Cl-のイオンの効果についても是非調査してみて下さい。実験をするのは簡単ですが、その背景をしっかり考えて行うこと、大事なことですから。


わたなべしるす