東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

エチレンと老化 実験結果(理:山田和輝)

2021年12月17日 (金)

こんにちは。

ついに雪が積もってしまいました。東北地方が少しずつ力を見せてきましたね。私が住んでいた静岡県は雪は全く降らず、冬はほぼ快晴であったので同じ日本なのに、とギャップを感じています。これだと1月頃は家から出れなくなりそうです。服をたくさん来てなんとか乗り越えたいと思います。


本日の内容

  • 先生のコメントをうけて
  • 実験結果
  • 展望

先生のコメントをうけて

Cl-の植物に対する効果について調べてみたところ、Clが不足すると葉の先端が枯れてきたり、新芽が黄化したりするそうです。

エチレンの測定方法ですが、直接はかる方法は出来ないなと思い、植物ホルモンであるエチレンが葉にどのように影響を与えているかを予測し、結果と照らし合わせることでエチレンの発生について考えたいと思いました。

まず、エチレンはオーキシンの働きによって生成されるそうです。つまり、沸騰した水につけた葉ではオーキシンが正しく作用しないはずなので、エチレンの生成が抑えられ老化が、何もしない葉よりも遅くなると予想できます。また、水につかっている葉は、エチレンが発生したとしても、溶けずにすぐ水の外に出てしまうと思うので、エチレンの影響を受けにくくなると思いました。、また、温度を下げれば活性は下がると思うので、冷蔵庫内の葉の比較をすることにより、温度とエチレンの発生についても実験することが出来ると思いました。

実験結果

観察日:2021/12/21 室温20℃ 冷蔵庫9℃

まず、何もしなかった葉がこちらです。↓

IMG_0043.jpgすこし端がボロボロしてきた印象を受けますが、まだ色は緑色でした。また、これは老化と関係があるのかはわかりませんが変な臭いがしてきました。

 

つづいて、冷蔵庫の中に入れ多だけの葉を見てみましょう。IMG_0048.jpg

この葉は先ほどの室温で何もしなかった葉よりは老化が遅いなあという風に感じました。とくにボロボロになっている様子が見られませんでした。変な臭いもしませんでした。温度を低くした方がエチレンの発生、つまりオーキシンの活動が抑えられるのだろうと思いました。オーキシンの最適温度は冷蔵庫内の9℃よりも20℃に近いところで最適温度があるのだろうと思いました。

次は水に入れた方です。まずは室温から。

IMG_0046.jpg何もなっていないですね。つまり、水に入れることで老化は抑制できる、ということがわかりました。エチレンがどのくらい発生していたかはわかりませんが、エチレンが発生してもその分、外に放出されることでエチレンの影響を防いでいたのだと思います。

 次に水に入れて冷やした葉を見ましょう。

IMG_0047.jpg正直、室内で水を入れた物と変化はありませんでした、というより気づけませんでした。しかし、水を入れていない葉での結果から考えると、冷蔵庫に入れていた葉の方が老化が遅くなるだろうと予測は立ちます。これをどう確かめるかは、どちらが早くボロボロになるかということでわかると思いました。

次に、沸騰したお湯で処理した葉について考えていきたいと思います。

IMG_0045.jpg中央部分は色が薄れてきているように感じました。しかし、端の方は黒ずんできています。これはエチレンによる老化ではないような気がするのですが、様々な物質の活性をoffにしてしまったことによる影響かなと思いました。

次に、冷凍庫に入れた物です。

IMG_0049.jpgこれは凍っていて中身がよく見えませんが、外側から見るにボロボロしている様子は見られません。

最後に、Cl-を含む水に入れた葉について考えていきます。

IMG_0044.jpgこれを見れば、塩素の漂白作用を確認できます。漂白されている所の周りはすこし黄色くなっています。これは老化なのか、ただの漂白作用なのかをこれから確かめていこうと思います。

展望

あまりにも老化のスピードが遅い気がして焦っています。来週に帰省するのでそれまでには結果が出せると良いです。

1週間くらい家を空けるので誰かに預けるしかないかな、と思っています。できるだけ早く探さねば!

雪も降ってきはじめたので、今まで以上に野菜の様子を見ながら観察を続けたいです。

コメント

理学部・山田さん

先週末の土曜日の朝はびっくりでしたね。お昼前から工学部で用務があったので、大丈夫かと心配でした。ただ、冷静に考えると、去年はもうすこし早くもうちょっと多めの積雪があったような。前にも誰かの記事に書いたように、例年よりも高めに推移という予定が低めになる予報です。特にこの週末に気温が下がります。山田さんをはじめ、帰省をする方は気温の低下、積雪の対応をして下さい。特に積雪、雪害には弱いです。アブラナ科は。雪が積もったら、その日の朝には除雪することを心がけて下さい。

エチレン濃度が高い状態を作ることができると、大きな変化が生じると思います。ただ、この条件でエチレン濃度が高くなるのかというと、渡辺にはわかりません。エチレン発生が見込める身の回りのものは「リンゴ」くらいです。渡辺の記憶にあるのは。どれくらい発生するかは、熟度にも依存すると思いますが、キウイフルーツが堅いときに熟度を上げるために、リンゴを使うのは有名ですね。それ以外のものもあるかと思います。是非、そうした下調べをして、実験をすることが大事ですね。今回の結果がいまいち、不明瞭であったことを考えると。

実験をする上で大事なことは、実験でどんな結果が出るかをその時知り得る情報で想像すること。もちろん、実験結果にかかる時間を含めて。ギリギリのようですが、次は余裕を持って。それから、書き始めて投稿するまでに時間がある場合はuploadするときに記事のURLになる公開日の日付を当日に調整をして下さい。


わたなべしるす