東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

小松菜らしくなってきた(農:高橋悠太)

2022年11月 2日 (水)

 こんにちは。高橋悠太です。

 *今回の記事行がおかしくなって見にくいです。すみません。どうしてこうなるんでしょうか。

 最近、東北本線でどこかに行くことにはまっています。僕の持っている福島仙台間の新幹線定期なのですが、これは東北本線にも対応しているため、贅沢な使い方をしています。写真は岩沼まで食べに行った味噌屋というところのラーメンです。

 さて、最近の日照時間はおよそ9時間、生育温度は21~23℃を保ち、窓の縁で直射日光により栽培している状況で20日ほど経った。それぞれの状況を報告する。

1,小松菜の生長

 前回から完全に変わったのは葉の形である。遠目から小松菜と判断がつくほどそれらしくなってきた。茎の様相を見ると、やはり太さが他の植物と比べ太いのが観察される。少し土寄せした分を考慮すると、前回より1cmほど成長した。

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 小松菜の原産地について調べてみたので、それと葉の特徴の関連性について書いていきたい。小松菜の原産地は地中海沿岸とされており、夏に乾燥した地中海性気候である。それもあってか、かなり土が乾燥した状態でも元気に生育している。また、他の植物と比べ葉が厚い。地中海の植物といえば一番に思いつくのはオリーブだが、オリーブは表面をクチクラ層で覆い蒸散を防いでいる。小松菜の葉を観察しても、その名残を感じさせる葉の厚さが見られる。

39815.jpg2,ちょい辛ミックス

 やはり種子密度が高すぎたのがよくなかったのか、少し徒長してしまったように思う。隣で栽培する小松菜が徒長していないことからもおそらくそれが原因である。ただ、今はこのままよく日の当たるよう調節しながら生育するしかないと思う。できればアドバイスください。

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 ここまでくると、品種の違いは非常に明確なものなった。葉をアップで撮ったので、見ていただきたい。

ちりめんからし菜                         紫高菜

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サラダからし菜                          三池高菜

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3,次に向けて

次はレッドキャベツの実食についてメインに書いていきたいと思う。説明書にあった通り、今は緑化している最中。実食まであと少し。

コメント

DSC_1566.JPG高橋さんこんにちは

 上の写真はよくあるJRの旅行キャンペーンなのですが、意味不明なような、ことわざ的に分かるような、とにかく心に残るフレーズでした。昔からJRキャンペーンはそういったコピーが上手いものです。北東北キャンペーンでは「その先の日本へ」とか、未だに有名な京都の「そうだ、京都、行こう」とか...... 短い言葉の中に意味を込められるものだと思います。

 仙台ー福島間でも小旅行気分でいいものですね。船岡や白石などの有名地の他に、小さい駅でも味があるような気がします。まあ、全駅制覇は鉄ヲタの仕事ですが。ラーメン食べ歩きに絞っても面白いかもしれません。写真のラーメンは最近増えてきた、ごちそう系でしょうか。

 さて、今回記事の冒頭では生育環境を明らかにしています。温度計で測ったのかどうか分からないのですが、とにかくそのくらいの室内温度で生育させているのですね。日照時間はけっこう長い1日9時間ですか。しかし、前回にも書いた通り、室内は「思ったより暗い」ので、徒長には注意です。住居は温室ハウスとは違い、その中で最後まで育て切るのは難しいと思います。よく室内園芸でシクラメンなんかを置くものですが、それは室内の日照量でも大丈夫な植物だから育てられるのです。作物の中で室内栽培できるものはほとんどありません。

 コマツナの正確な播種後期間が不明ですが、とにかくそこまで育ったのですか。今のところ徒長せず、元気なように見えます。土寄せしたと書かれていますが、鉢に土を足したのでしょうか。それとも株元を下へ押し下げたのでしょうか。

 そして鉢土の表面が乾いています。もちろん、水をやり過ぎる受講生の方が多く、多少乾いている方が良いのですが...... 原則この程度の乾きを確認したら、「鉢底から水が出るのを確認できるほど」しっかり水をやり、また数日以上間隔を空けるものです。コマツナが地中海沿岸原産というのはよく調べました。そのため見た目よりは乾燥に強い作物です。ただ、鉢という有限の長さのところまでしか根を伸ばせませんので、鉢内部をイメージしながら水やりをしましょう。農学部の学生であればそのうち重力水や結合水の話もしたいと思います。

 葉の形に着目したのは面白いことで、しかもそれをクローズアップにして読者に見せているのは良いですね。詳しく見れば、葉脈の形や、葉の縁のトライコームが分かるでしょう。

 ちょい辛ミックスは混み混みですね。まあベビーリーフですからいけいけドンドンでも構わないのですが...... お勧めなのは、地際で切り取るという方法で間引きをしていき、順次食べてみることです。まるでスプラウト的な収穫として。

 葉の形から品種の違いを見分ける、これもまた観察力が試されます。当たってるかどうかはさておいて。写真では紫高菜の紫色が読み取れませんが、実際には色調が違うのでしょうか。

 葉の形の違いといえば、「なぜその形なのか」を考えるのも面白いと思います。「葉にギザが出る」ようになるメカニズムは、今では相当のところまで判明していて、葉の縁のオーキシン濃度に濃淡をつける制御が存在するらしいのです。しかし「ギザの形にする意味」はまだまだ不明です。一枚の葉のレベルでは、もちろん丸い方が最小限のリソースを使い最大限の日照を受け取れるはずです。しかし群落単位では...... 株元まで日照が通ること(葉で作られる光合成産物の転流負荷が減る)が大事かもしれませんし、あるいは風が通ること(葉がうまく蒸散を行い、しかも二酸化炭素を要求する関係で風1m/秒程度の強さが最も良い)が重要かもしれません...... しかしこれはまだ不明の分野なのです。個人的には遺伝子改変でそこだけ変えた植物を使い、群落の単位でシミュレーションするような研究をやってみたいものですね。

 さて、次記事ではスプラウトの収穫などでしょうか。期待してお待ちします。

 また、そろそろ追肥の時期にさしかかりますが、これは過去記事を参照して下さい。あるいはよく分からなければ、まだ待って下さい。例年そこで失敗する受講生がいます(どちらかというとやり過ぎの方が多い)。

ラボスタッフ・オガタ