東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

豆苗栽培開始(文:恵利一花)

2022年12月10日 (土)

 写真はお土産にもらったなまはげクッキーです。かわいいですね。

まだ宮城と福島にしか行ったことがないので、近いうちにに東北6県一周旅行をしたいです。

 

 おっしゃる通り関西弁は省略省略ウ音便の言語なので、会話の中に助詞はほとんど登場しません。例えば「蚊がいるんじゃないって言ってるじゃん(標準語?がかなり怪しい)」は「蚊ぁおるんちゃん言うとるやん」かですね。「が」や「を」は大抵省略されますが、「に」はさすがに省くとややこしいので、妥協点として「n」だけ発音することもあるかも。「蚊に噛まれた」は「蚊ぁ噛まれた」か「蚊ぁん噛まれた」です。

 18年テレビで聞いているのだから、その気になれば標準語だって!と思っていましたが、まったくと言っていいほど喋れませんでした。NHKのおかげで、(イントネーションに目をつぶれば)かろうじて敬語ならなんとかなりますが、話し言葉はまるでからっきしです。文全体のリズムも語尾のニュアンスも何も分かりません。フランス人がイギリスに来たくらいの気持ちだと思います(知らんけど)。

 逆に、東北の若い人たちがどこで標準語を覚えているのかが不思議でなりません。東京の人と話す機会が多いのでしょうか?大学4年間で仙台弁含む各地方言をマスターするつもりで仙台に来ましたが、ほとんどの人が完璧な標準語を話しており、かなり寂しいです。そのため逆に、青森出身の人と話していると、おそらく互いに会話の意味は良くわかっていませんが、方言話者同士気は楽です。リズムだけで言えば、少し西の方言に近い気も?

 

 そんなことはともかく、栽培記録です。

 この1週間でかなり冷え込みがひどくなりました。昼に大学に来て自転車を停め、夜になって帰ろうとしたら、サドルがカチコチに凍っていました。夜が寒くて朝見たら凍っていた、ならまだ分かるのですが、昼間に凍ってしまうってすごいことですね。先が思いやられます。

 そして渡辺先生がアップしていた通り、コカブの成長が急激に遅くなった気がします。これ以上気温が下がる前に、寒さや霜対策について調べないといけません。

豆苗栽培開始

 最高気温が2ケタに届かなくなり、私もやせ我慢をやめて暖房をつけるようになったので、袋の中で眠っていたスプラウトの栽培を開始しました。

S__9568272.jpg一晩水に漬けます。室温20℃

 恥ずかしながら、豆苗が若いエンドウ豆であるということを、今回調べて初めて知りました。頭の中でカイワレと混同しがちだったので、勝手にダイコンの類だというイメージを持っていましたが、言われてみれば「豆の苗」という名前でしたね。いつも食べている豆も、見方によっては豆というよりも「種」なのだと思うと面白い気持ちです。エンドウ豆をそのまま植えても、芽は出ないのでしょうか?

 そういえば、小学生時代、給食にビワが出るたびにタネを家に持ち帰って庭に埋めていましたが、一度も芽を出すことはありませんでしたね。逆に一度植えて収穫したミニトマトは、放っておいても落ちた実から新しい芽が出て成長し、何もせずとも毎年トマトを実らせていました。枯れて生まれての永久機関です。なぜ日本中がミニトマトで覆われないのか不思議でなりません。


S__9568275.jpg2日後 室温20℃

 タネを1日水に漬けた後は、プラコップの底にキッチンペーパーを敷き、多めに水を含ませてタネを入れて、すぐにアルミホイルで遮光。朝と晩と、減り具合を見て水をやりました。2日後にはニョキニョキと根が出ている状態に。この時にはまだキッチンペーパーに根は張っておらず、傾けるとコロコロと転がりました。

 スプラウトとしてではなくとも、エンドウマメというとそんなに規模の大きな植物ではない気がしますが、先住のコカブに比べても、タネの大きさ根の太さ、成長の早さ、力強さすべて桁違いです。これはなぜなんでしょうか?例えばですが、モミジは育てば大きな木になりますが、プロペラみたいに降ってくるタネはすごく小さいですよね。基本的にはタネの大きさと植物全体の大きさは対応しているように思いますが、例外もけっこうあるような。これも植物の戦略なんでしょうか。S__9568278.jpg

さらに2日後(4日目) 室温20℃

じっと睨んでいたら動きが見えそうな成長速度です。葉のようなものが見えてきましたが、日に当てていないため淡い黄色です。

上から.jpg

全体.jpgさらに3日後(7日目) 室温20℃

 だいぶ縦に伸びてきました。当初はキッチンペーパーの目が細かすぎるかもしれないと心配していましたが、しっかりと根を張っています。コップの底の方を見ると、たくさん細かい根(側根と呼んでいいのでしょうか?)が出てきていました。カビも見当たらず、順調です。高さは大体5~7センチ。徹底的に遮光しているので葉は黄色いままです。

 そろそろ日に当てる段階かと思うので、アルミから出そうと思っています。多くの記事では、「直射日光には当てず、明るい窓辺に置く」というようなことが書かれていますが、あいにく方角的に、自室の窓にはまったく日は入りません。ベランダの端っこは時間帯によっては明るくなりますが、かなり寒いですね。どちらを優先すべきなのでしょうか?

 

 匂いを嗅いでみたのですが、なんとなく豆っぽい匂いがするようなしないような......?多分気のせいですね。豆っぽいかは置いておいて、けっこう匂いはしますし、カイワレのいわゆるダイコンのスパイシーな香りとはまた違った雰囲気です。豆苗を何の料理に使うのかまったく考えていませんが、成長が楽しみです。

コメント

文学部 恵利さん

育種の渡辺です。言語の細かいことはわからないですが、愛媛・今治では関西弁ほど略することはないと思いますが、愛媛、広島、岡山当たりのイントネーションは少し違うけど、言葉遣いは似ているような。あと、イントネーションというか、リズムでいうと、青森と鹿児島は似ていますね。そう思いました。学生の頃、鹿児島と青森出身の同じクラスのがいましたので。関西を含めて、西日本の人たちは自分の言葉に自信というか、これでよいと思っているのだと。だから、使い続けていると、思っています。

肝腎の植物。来週からもうすこし気温も下がり、週の後半には雪とか。さらに生長は抑制されることが想定されます。これまでの先達の活動を見て、防寒対策を考えてみて下さい。ビワを食べる時期に種子が完成してないのでしょう。ビワを収穫するのはビワが落ちる前。それに対してトマトは放置していて、落ちた果実から発芽する。つまり、植物から自然落下するときが植物には発芽するによい時期ということです。もちろん、放置すると、ヒト以外の動物にも狙われるので、難しいですが。。。少なくとも、ビワが落ちて放置しておいたら、半年くらいで芽が出るようです。豆苗について、それ以外については、ラボスタッフ・オガタさんが月曜日にコメント予定です。それまでお待ち下さい。


わたなべしるす





恵利さんこんにちは

 おお、のっけから関西言葉の話ですね!

 ご指摘の通り、向こうの言葉はそういう特徴があるようです。それとまあ、これは言語学的というよりは単なる感想なのですが、関西はよく「繰り返し」を用いますね。「ちゃう」を言うときは、「ちゃうちゃうちゃうちゃう......ちゃう」と最低10回くらい言う気がします(笑)。

 さて東北の言葉の話ですが、もちろん若い人ほど標準語です。言語というものが「コミュニケーションの道具」である限り、生活圏の拡大に伴って標準化されるのが世の常です。特に標準語教育をしなくとも。

 まあそれでも、方言の片鱗は残っています。恵利さんが聴き取り難いと思った言葉があれば、それには「万葉八十八音」が入っているかもしれません。東北弁には、何と五十音に分類できない発音があるのです。この古代発音は東北弁の特徴であり、北陸や九州の方言にはないものです。

 それに加えて、宮城県南部にだけ物凄い特徴があり、何とノンアクセント言語なのです! これは世界的に極めて珍しいことであり、強弱アクセントどころか高低アクセントもありません。世界には固定アクセントの言語(例えばポーランド語、単語の中で最後から二番目のところにアクセントがある)もありますが、多くはアクセントが移動し、同音異義語を区別します。日本語のように音素が単純なため同音異義語が極端に多い言語、それなのにアクセントが無いなんて凄いと思いませんか。それでも会話が通じますから脳内で類推・補完が働いているのでしょう。

 仙台でもいくぶんその特徴があります。そのため、生粋の仙台人は、関西弁はもちろんのこと他の東北弁全てに違和感を覚えます。まるで歌うような調子に聞こえてしまうんですね......

 さて話を戻して、最近の寒さです。遠慮なく(?)暖房を使って下さい。南から仙台に来た人は我慢されることが多いのですが、寒さは意識せずとも体にとってストレスになります。

 暖房して室温20℃、さあこの中でトウミョウ栽培開始です。

 指摘通り、トウミョウは文字通りマメです。エンドウ豆をそのまま使ってももちろんトウミョウになります。ただし、それには農薬がまぶされている可能性があり、逆にいえばトウミョウ用として売られている種子には農薬を使っていません。

 だからこそ、栽培中の腐敗やカビには気を付けないといけませんね。

 ビワの種子については分からないのですが...... トマトの雑草化はありますね! ただ、世代を経ていくと、性質(美味しさなど)が劣化する場合がほとんどです。このあたりは種子生産のF1種子などに関することなので、ちょっとややこしいので割愛します。

 さてそのトウミョウ、無事に発芽しました。ややキッチンペーパーが薄い(市販のトウミョウは根のスペースがもう少し厚い)のと、水が多い気がします。種子が半分以上水没しないようにしましょう。

 光を当てる時期はまだ早いような気もしますが、もちろん当てても構いません。カイワレと違ってトウミョウは光があっても伸びがいいですから。光の量は......具体的なところが分かりません。部屋の明かりではさすがに暗く(人間の目には明るく見えても、光量は少ない)、わずか外光が入ればそれでいいのですが。逆に強烈な光は必要ありません。スプラウトは光合成だけで生育させるわけではありませんから。う~ん、ここは温度優先でいい気がします。

 トウミョウ、うまく行けば二回収穫ができます。頑張って下さい。

 あ、植物体と種の大きさについては関連がありません。新約聖書には「からし種は小さくとも大きな木になる」、つまり教えというものは正しく信じれば大きな実りになる、そんな例えにからしを使っています。

 種子の大きさは植物の生存戦略において重要な部分であり、もちろん種子が大きいと初期の成長がいいので競争に有利です。しかしその分、沢山の種子が作れません。リソースは有限ですから。

 さあ、次回も期待してお待ちします。

DSC_0170.JPG 弘前大学に行った娘から、こんな機械が...... むむ、さすがだ......(弘前周辺だけで日本のリンゴの4割を生産)

ラボスタッフ・オガタ