東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

豆苗実食again(文:恵利一花)

2023年1月23日 (月)

こんにちは。写真は一昨日中国人の留学生から頂いた、手作り麻婆豆腐饅です。

寮に中国人留学生が多く、ありがたいことによく食べ物を頂くのですが、本場中国の味は想像を絶する辛さです。料理全体の見た目が赤黒いわけではなく、においも薄いため、一見さほど辛そうには見えないのが生トウガラシの恐ろしいところです。「辛い」と感じる前に胃から地響きが聴こえてきます。しかしそれでいて美味しいのだから不思議ですよね。少し前に頂いた鶏の脚も、衝撃的な見た目でしたがプルプルピリ辛で美味しかったです。コロナが収まったら遊びに行ってみたいですが、一体いつになるやら......。

 

ということで、今回の投稿は予告していた通り食レポ記事になります。

~豆苗実食again~

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1/22 室温19℃

前回食してから、ぴったり1カ月。

最終的に、全長はほとんどが10㎝ほど。なぜか一本だけ異様な成長を見せた者がおり、15㎝を超えていました。

最近豆苗の写真を載せていなかったのですが、実はここ数週間ほとんど成長せず。1週目よりかなり成長がゆっくりだな~と思いつつ様子を見ていたのですが、2週間ほど前からぱたりと伸びなくなりました。

S__10575882.jpg3週間前の様子

1月初めの頃と比べると、やはり飛びぬけて長い一本だけはニョキニョキと成長していました。その他は、2㎝伸びたか伸びなかったか。

それでいて枯れはせず、ずっと緑色のまま同じ長さで水を吸っていたので、非常に不思議な気持ちでした。

 

S__9904145.jpgのサムネイル画像

前回の実食記事で掲載した1週目の様子

改めて見比べると、2週目は葉が小さくひょろりとした印象で、頼りない。

 

S__10575880.jpg先端近写です。まだ新しく小さな葉も出ていて、育つ気満々に見えます。

ツルがカップの縁に巻き付いているのを発見し、「ツルとしての役目を果たそうとしてる......!」と感動しましたが、写真を撮っていませんでした。不覚。

S__10575879.jpg根元の方を見てみると、前回の収穫の際の切り口から、伸びることなく成長を止めたものが半数ほど。切り口は黒く変化しています。一本ずつ収穫せず、一定の長さのところでまとめて包丁で切ったため、位置によっては押し切るような形になって良くなかったのかもしれません。

よって反省し、今回は一本ずつハサミで収穫しました。ただでさえ少なった収穫数が、2週目ではさらに半分に。この量ではさすがに、単体で料理としては成立しないぞ......!

しかしまあ、前回はサラダとして素材の味を味わったので、今度は料理の添え物として活躍してもらおうと思います。

S__10575881.jpg親子丼!豆苗添え

親子丼に乗せてみました。これは本当に余談ですが、丼ものって驚くほど白の皿と合いませんよね。4月に百均でそろえた真っ白のプラ皿(ハッ、早速略してしまいましたが、ポリ袋とプラ皿ではまた訳が違いますね)だと、何を乗せても美味しくなさそうに見えます。特に味噌汁は悲惨です。一枚だけ山口旅行に行った際に買った青い萩焼がありますが、こちらは美しすぎて逆に生かしきれていません。心理学研究室の坂井教授が味は視覚に大きく左右されるといつも言っているので、そろそろそれっぽい漆塗りのお椀とどんぶりを見繕いたいです。

さて本題、豆苗の味はいかがでしょう。ホカホカのうちに頂きましたが、これは......

美味しい。

うん、めちゃくちゃ美味しいです。

というか前回も思いましたが、豆苗、この少量で驚くほど味が濃いです。味のバランスだけで言えば、どちらかというと「豆苗!親子丼添え」です。

先月食べたものに比べると数段貧弱な印象でしたが、特に味の違いは感じず。むしろ葉物としてのしつこさが無くなった分、料理にはこちらの方が合うかもしれません。親子丼に乗っていることもあって、食感は三つ葉っぽいかも。味はかなり力強い豆苗味ですが。

 

美味しかった

自分で育てたものをチョキチョキ切って、適当に洗ってペロッと食べて、美味しい!この感じ、くせになりますね。この豆苗も永遠に伸びてきてくれればいいのですが、2週目の弱り方を見るとそうもいかなさそうです。しかし、とりあえずは今後の経過観察のため、3週目に突入してみようと思います。

 

さて、筋トレお手玉をたまに思い出しては首をかしげながら記事を書きました。あと、太陽の塔、ずっと見ていると愛着の湧いてくる顔をしてますよね。上と下、どちらが顔なのか分かりませんが......。

蓮の話なのですが、そういえば実家の近所にレンコン畑がありました。思い返すと色んなものを育てていたんですね。冬になると枯れた蓮が畑一面に広がる様子が壮観で......なんというか、畑というよりは見た目としては「沼」なので、"沼から枯れた細い茎が無数に伸びて、途中で折れて沼に刺さっている"という状態になっており、日が暮れると独特のわびしさがあって「地獄ってこんな感じの見た目か......」と思っていました。新聞紙で巻かれた白菜が並んでいるのも、ふと目に入ると人の首が並んでいるようにも見えて......(笑)子供の頃は不気味に思っていた気がしますが、今思い返すと、あれも一種の風情ですね。

 

また、「棚倉彦神社」という地元の小さな神社で、毎年「ずいき神輿」といって、野菜で作ったお神輿をかついで歩く祭りがありました(今初めてネットで検索してみたのですが、「瑞饋神輿」という字を書くらしいです。地元特有の言葉や方言って、耳で聞いて覚え、口に出して話すだけなので、字が書けないことがありがちですよね。私は自分が「出来ない」という言葉を「できひん」「でけへん」のどちらで発音しているのか分からず、LINEをする際いつも困っています)。あれはきっと、五穀豊穣を祈願するお祭りだったんでしょうね。他にも、もぐら(おんごろ)退治のため、歌を歌いながら藁で地面を叩いて回る「おんごろどん」なる行事もありました。地元を離れて客観的に見ると、けっこう奇祭ですね。これも今調べたところ、500年やっているらしいです。500年続いたものを私たちの世代で終わらせてしまうのはさすがに忍びないので、できる限り長く続いてほしいなあと思います。

こういうことを思うと地元に帰りたいなあとも思いますし、同時に、せっかく来たんだから東北のナンダコレ行事もたくさん知りた~い!!という気持ちにもなりますね。取材して回ろうかな。

コメント

文学部 恵利さん

育種の渡辺です。2回目の豆苗の収穫ですか。室温は測定時で19oC。ただ、就寝中はもう少し気温が下がっているので、根が腐食することもなく、1ヶ月生育できたのだと思います。また、写真の根の周りに「子葉」らしきものが褐変したものも写っています。子葉が持っていた「エネルギー」をほぼ全てつぎ込んで、豆苗が収穫できたのではないかと思います。いくつかの写真に「つる」が写っていますが、書かれているようにそれが機能を発揮しようとしているところの写真を撮ることは大事ですね。写真に限らず、物事タイミングが重要だと思いますので。さらに続けて栽培するということ。そんな構図があれば、写真に収めてみて下さい。盛り付ける皿ももちろんですが、温かいうちに頂くこと、肝要かと思います。2回栽培して、2回とも「美味しい」とおもえたどころか、主従が逆転とは。ぜひ、この講義が終わってもネットなどで種子を手に入れて栽培して普段の食事のお供にしてはどうでしょうか。相性がよいのだと思います。なお、マメで形成される蔓状のものは「巻きひげ」と呼ばれています。「エッセンシャル 植物生理学」の38ページを参考にして下さい。

それ以外については、今週水曜日の朝にラボスタッフのオガタさんからのコメントが投稿される予定です。それも参考にして下さい。


わたなべしるす



恵利さんこんにちは

 麻婆豆腐饅、おいしそうですね! いわゆる小籠包の一環なんでしょうか。そして中華料理にも北京とか広東とかいろいろある中で、麻婆豆腐を含む四川料理が一番辛いと聞いたことがあります(アニメ知識)。

 そして料理つながりで本題であるトウミョウの話に入る......見事な導入部分です。さすがは文学部、そして関西人!

 さてその前にトウミョウの生育状況ですね。

 伸びがある程度まで来て、止まった。これは低温によるものか、あるいは種子の栄養を使い果たしたせいなのかは分かりません。栄養を使い果たしても温度が低ければ呼吸によって消耗するのも抑えられるので緑をかなり保ちます。

 株の半数が二度目の成長をしなかったのはおっしゃる通り切り口の細胞の潰れが腐敗につながったのかもしれませんし、あるいは切り口から下に成長点が存在せず、伸びられなかったのかもしれません。どのみち今回の所見は来年度以降の受講生にとって大いに参考になります。曲がりなりにも二度目の収穫に辿り着いたことは素晴らしいことです。

 三度目の挑戦、成功するかどうか分かりませんが、うまくいけばいいですね。温度がもっと高ければいいのか(スピード増加)、低ければいいのか(腐敗防止)は分かりません。

 そして実食は親子丼のトッピングですか。これはまた斬新です。確かにまあ三つ葉の代わりといえばそうですね。結果、トウミョウの味が勝りました......どんな感じなのか想像つかないのですが......

 関係ないですが親子丼そのものが凄い関西風に見えます。トロミが多くて半熟のようです。関東ではしっかり出汁も醤油も濃くして、卵も加熱して、固形にするものですが......これは好みが分かれるところです。店で親子丼を頼むことは少ないと思いますが、丸亀製麺とかでは関東風のしっかり親子丼が出されますね。なか卯では関西風だったと記憶します(ついでにいえばなか卯の京風うどん、私は好みです)。

 皿が白いと美味しそうに...... まあ、理科器具のように「細部まで正確に確認する」という意味では良いのかもしれません。飾りのことも好みですね。萩焼も大いに使って下さい。ああそうそう、白い皿......「宋の白磁」と思い込めば良いような(無理)。どうでもいいことですが磁器とは、高熱で硬く焼しめて、内部の気泡が独立しているもののことで、陶器とは内部の気泡がある程度繋がっているものをいいます。だから釉薬のない陶器、植木鉢などは水分がわずか沁み通ります。

>太陽の塔

 まあ、岡本太郎氏曰く、上にあるキンキラの顔は「未来の顔」、下のは「現在の顔」、そして実は塔の裏側に存在するのは「過去の顔」らしいです。それぞれの顔、未来に行くに従って良くなっていく感じですね。

>レンコンとハクサイ

 日本人らしく詫びさびを感じましたか。まあ地獄は分からないですけどね! そして人間の脳には「顔細胞」という独自ネットワークが存在し、造形の中から顔に似たものを素早く抽出して感じることができます。これは文学部の中の心理学で習うでしょう。しかしまあ、ハクサイを首......う~ん、なんとも言えません。

>東北のナンダコレ行事

 実は東北には、あんまり古来からの行事は少ないんです...... 思うに平安期以前には、東北に今でいう日本行事は存在しなかった(あるいは独自文化があっても残されなかった)のではないでしょうか。鎌倉時代でも、東北の守護地頭は基本関東武士が移住してきただけですから。それ以降に日本らしくなったのでは。

 東北に名刹や秘湯が無くはないのですが、多くはなく、たぶん飛騨とか山陰とかの方が旧くのものがあるような(想像)。そういやご当地もので私が書きかけた会津士魂令嬢、異世界を往く! ~ならぬものは、ならぬものです~ - ハーメルン (syosetu.org)、うむむ、評判がいまいち......

 それにしても奇祭「おんごろどん」見てみたいですね! 

 そういえば京都を舞台にした映画で私が最も優れていると思うのは「夜は短し歩けよ乙女」です。これは京都の「街ごとキャンパス」といった雰囲気を良く描写したアニメ映画なんですが、観たら誰でも京都大学に憧れる気がします。(どうでもいいですが私個人は娘が行った弘前大学に最高に思い入れがありますけれど)

 さて最終報告含め、お待ちしています!(中間報告・最終報告のコメントは教授が担当します)

IMG_0129.JPG これは娘が高校時代、私の作ったお弁当シリーズ、たくさんあるのですがその中の一つです。

 少しでも勉強の役に立つように、「勉強のための弁当、すなわち『勉当』!」です。

 たまたまこの時には、倫理で習うフランシス・ベーコンの四つのイドラを表しています。洞窟のイドラ、劇場のイドラ、市場のイドラ......若干略していますが。いいでしょう、イドラ弁当!

ラボスタッフ・オガタ