東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

ほうれん草を作ろう その17(収穫)(工:柳澤暢孝)

2024年2月 2日 (金)

こんばんは、柳澤です。

先週の記事にも少し部品が写っていたのですが、僕は高3の時に、ベッドに置くためのアンプとスピーカーを作ったことがあります。部品は秋月電子で買いました。アンプ基板は秋月のTA-7368Pのキットです。これがあれば、寝るときに音楽やラジオを聴くことができます。

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東京から仙台に引っ越した時、これにテレビやパソコンのイヤホン出力を繋げて、家じゅうにある機器の音を大体全部ここから出せるようにしました。この時に、どの機器から音を出すかを選ぶためにセレクターを作ったのですが、端子がすべて3.5mmのイヤホンジャックだったので、あまり接触がよくなく、片側からしか音が出なかったり、振動で音が出なくなったりしていました。

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これが治るかもしれないと思い、11月に温度センサーと一緒にマルツ電波で買い、写真に写りこんだのがRCAジャックだったのです。これもずっと机に放置されていましたが、先月になってようやく使うことができました。交換の時に、はんだ付けが上手にできていなかった部分を直したこともあり、今は両側とも音がよく聞こえるようになっています。


昨日(2/1、栽培121日目)の夜に、9つのほうれん草をすべて収穫しました。最初は4つだけ収穫するつもりだったのですが、4つだと料理には足りないと思い、残りのほうれん草も料理中に収穫しました。

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最初の4つは写真に記録しましたが、慌てていたので、あとから収穫した5つは撮り忘れました。

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写真にある4つのうち、上の2つが鉢植えから採ったもの、下2つが牛乳パックから撮ったものです。定規が15cmのものしかなくて分かりづらいんですが、鉢植えのほうれん草は左側のが高さ20cm、右側のが11cmでした。牛乳パックの方は、左側のが12cm、右側も12cmでした。

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牛乳パックのほうは、小さいけれど4つとも均等に成長しているイメージでした。芽が出た時から場所が変わっていない牛乳パックと違って、ある程度成長してから植え替えているので、間隔が一定だったのが良かったのかもしれません。

また、鉢植えのほうれん草は大きいものは牛乳パックのものよりずっと大きく成長していましたが、小さいものは牛乳パックのものと大体同じ大きさになっていたのが面白かったです。鉢植えの方は、種の位置が少し偏っていたので、成長にも差が出たかもしれません。


収穫したほうれん草は、ベーコンやコーンと一緒にバターソテーにしました。個人的に、ほうれん草といえばこの料理のイメージで、よく自宅で作ったり、ファミレスで頼んだりしています。

ほうれん草は葉ごとにちぎり、ベーコンは1.5cmくらいに切りました。コーンは缶詰を使いました。僕は、炒める最後に醤油を少しかけるのが好きです。

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味付けが好みだったこともありますが、4か月間ずっとベランダで育てたほうれん草が、食べられるようになるまで成長したのだということを実感できて、美味しかったです。半分は朝食用にとっておこうと思っていたのですが、作った直後に全部食べてしまいました。

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これで、ほうれん草の栽培ブログを終えたいと思います。

これから、もし何か植物を育てることがあれば、ここでお知らせできるかもしれません。
今までありがとうございました。

コメント

柳澤さんこんにちは

 今回の報告できっちり「野菜の栽培」を完走しました。おめでとうございます。歴代の受講生でも収穫実食まで至る割合は、決して高くありません。対象植物がホウレンソウという「比較的低温耐性がある」「利用部位が葉である」野菜であったことは大きなアドバンテージだったのですが、それでも、水やりや施肥といった管理が適切でなければ成し遂げられなかったことです。ここまで漕ぎつけ、成果を出したのだから大したものです。

 収穫したホウレンソウたちは小ぶりですが、それでも姿かたちはホウレンソウです。

 惜しむらくは全て収穫し切ったことでしょうか。ここから春になるにつれ、ホウレンソウは急激に大きくなるもので、4月には見たことも無い巨大化ホウレンソウ(並みのキャベツよりはるかに大きい)になったと思われますが...... ともあれここで区切りです。

 大きさといえば牛乳パックと鉢との違いが面白いですね。比較するのは難しいのですが、「個体間のバラツキ」に注目すると見えてくるものがあります。報告にある通り、「植える間隔」が個体の成長を左右する可能性、もしそうならば、均等な大きさの個体を得ようとすれば植える間隔を均等にすべき、とも言い換えることができます。これもまた有用な知見が得られました。

 実食はバターソテーになりましたか。確かにファミレス(特にガストとか)で見かけるメニューです。ホウレンソウとしては定番と言えるでしょう。栄養的にも、ホウレンソウのビタミンAを油分が有効に抽出しやすいのでいいかもしれません。ただしホウレンソウは「シュウ酸」を含む葉菜ですので、茹でてそれを取り除く調理過程がなければ、カルシウムの吸収を妨げる性質があります(大量摂取なら、ということです)。

 さて料理は見たところ実にいい出来栄えです。色のバランスが秀逸です。そして重要な味の方は......「美味しかった」ということでしょうか。もちろんそれが何よりなんですが...... 言いたいことは「変なエグ味」が存在しなかった、のですね。というのも肥料分(特に硝酸態窒素)が多過ぎた場合、葉にそれが蓄積し、エグ味になることがそこそこありますから。今回の結果として言えるのは「決して肥料過多ではなかった」ということです。「適正量」だったのかあるいは「過少量」だったのかは分かりません。まあ、葉の色が濃いところからするとほぼ「適正量」だったと想像します。

 ここから余談です。

 報告の冒頭を見ますと、RCAピンジャックはやっぱりオーディオ系に使ったのですね! まあ確かに3.5㎜プラグを使ってしまうと端子は点接触しかありませんので、思わぬトラブル(音が出ないのはまだしも、端子がフローティングにあると衝撃電圧になりやすい。ちなみに一般のバイポーラトランジスタはベース電流が流れるので入力抵抗と直流カットコンデンサーを付けるのが普通だが、キットの場合コストの関係で省略していることもある)になったりしますから。RCAピンジャックもそれなりに欠点はありますがベターです。

 セレクターを選ぶのも重要です。本式には「ショーティング」タイプを選ぶべきですが......コスト髙になりますので、そうしないことも多いです。

 アンプのキットは定番的なパワーICを使ったものですか(マルツパーツ館ご利用ありがとうございます)。わりと新しいICなので、古典的なLM380なんかよりは性能が良さそうです。個人的に気になるのは基盤前方にある三桁の7セグメントですけれど。

 そして最重要ポイントはスピーカーです。ベッドサイドということであまり帯域幅を欲張らず、気楽に作った様子が伺えます。超小型密閉式ですから、F0(最低共振周波数)となる200Hz以下はほぼ出ないでしょう。まあ、人間の耳は本来聞こえていない低音でも補完する機能があるのでいけるでしょうか。逆にいうときちんとした左右独立エンクロージャですからパソコンやテレビよりはきっと数段上の音がすると思います。

 さて余談をもう一つです。「ひまじさん」の報告コメントにしっかり書いたので、繰り返しませんが、最終報告後にもまだ投稿されたのは立派です。これにより柳澤さんは非常に素晴らしい受講生となりました。声を大にして褒めるべきところです。

 では、4ヵ月もの間植物の栽培や観察のみならず、コンスタントなブログ報告お疲れ様でした。必ずこれは人生で役に立ちます!

DSC_0360.JPGラボスタッフ・オガタ