東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

時の流れを感じて・・・(理:福島和紀)

2016年12月 1日 (木)

もう12月なんですね。早いです。だんだん寒くなって来ました。地元は金沢なのですが、仙台の冬はどんな感じなのか楽しみです。
今回の最初の写真は、間引きをしたコマツナと豚肉を一緒に炒めて食べた時の写真です。詳しくは後ほどお伝えします。


では、報告に入ります。まずはコマツナからです。
実は、前回の投稿から今回の投稿までの間にとある事件が発生しました。
これは11月24日の出来事です。
朝、家を出るときはこんな様子でした。

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それが夜、家に帰ってみると・・・

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なんと、全部が萎れてしまっていました。慌てて写真を撮りました・・・。
土を見てみると、乾いてしまっている・・・。何とかしなければと思い、まず水をやってみました。すると、だんだんと元に戻っていく様子がうかがえましたが、不安な気持ちのままその日は寝ました。
そして、朝起きてから様子を見てみると・・・

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なんと元通りになっていました。ここまでまた丈夫に戻ったことに、植物の回復力の凄さが表れていてとても感動しました。水をあげすぎないように慎重になってはいましたが、この時ばかりは油断していたのか水を切らしてしまいました。今回はコマツナの持つ回復力に救われましたが、次は二度とこのようなことを起こさないように気を付けようと思います。

そして、11月26日には間引きをして2本にしました。今回間引いたのは一番茎が曲がっていたものにしました。少し観察してみました。
葉の様子なのですが、よく見てみると葉の向きは窓の方向を向いていました。この写真はその窓の向きからとったものです。

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光に向かって茎が曲がるように、こうしたことも起こるのだと実感しました。
植物はある程度成長すると体は固定されてしまうが、生長点においては環境に応答して生長するという話を聞いたことがあったのですが、これを見て、なるほどと思いました。
そして、葉をとって並べてみました。

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どうやら、2対ずつ葉があるのですね。
一番大きい葉小さい葉を楕円に近似して面積を計算してみました。
楕円の面積は(円周率)×(短軸の長さ)×(長軸の長さ)なので・・・
一番大きい葉の面積は
3.14×2.4(㎝)×3.3(㎝)≒25(㎠)
一番小さい葉の面積は
3.14×1.2(㎝)×1.9(㎝)≒7(㎠)
約4倍違うと言ってもよいと思いますが、長さを測ってみると葉も相似な形をしているんだなと感じます。
こうして観察した後にちゃんと調理して食べました。
思っていたよりも歯ごたえがあったという印象です。
そして、こちらの写真が現在のコマツナの様子です。

日が当たらず黄色くなった部分は濃くはなりませんが、順調に生長してはいます。

続いてはキャベツについてです。
こちらは特に大きな問題も起こらず順調に育っています。
一週間前の11月24日の様子はというと・・・

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そして今日12月1日の様子は・・・

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一週間前の写真と並べてみると全く様子が違うことが一目で分かりますね。
葉も出てくるごとにだんだんと大きくなっているようです。
いつ結球してくるのだろうかと楽しみにしています。


~番外編~
今回は水を吸って驚いたことから、「水ポテンシャル」について書きます。植物はどのようにして水を吸い上げているのでしょうか?よくよく考えてみるととても不思議なことです。その秘密が水ポテンシャルというものです。簡単に説明すると、水はポテンシャルの高いところから低いところに移動します。蒸散などにより植物の体の中の水ポテンシャルが低下し、土の水ポテンシャルの差ができることで水が移動し、植物は水を得るとこができます。また、水分子には水素結合が働いていることも水の吸い上げが可能な要因です。
植物の体について調べてみると、植物は色々なものを操っていて面白いなと思います。

コメント

福島さんこんにちは。

 のっけからいい写真ですね。非常に料理が上手そうです。炒めただけ、かもしれませんが、なかなかできないことですよ。少なくともうちの娘には無理だなあ。

 さて、コマツナは無事回復したようですね。今回の事件のことはともかく、水やりをしすぎていないことがわかって安心です。このくらいの大きさになれば水をやりすぎて失敗する方が圧倒的に多いですから。

 葉面積の測定も面白いですね。ちなみに、農学部あたりになると葉面積自動測定器なる装置があるものです。

 水ポテンシャルというのも、包括的な言い方で、いろいろな要素を詰め込んだ概念ですね。圧力、浸透圧、表面張力・・・ 高い所から低い所へ、というのは当たり前で、水移動のために作られた概念だからです。

 ごく簡単に言ってしまうと、根の細胞は浸透圧の差で土から水を取ります。そこから茎の導管に水を押しやります。(根圧といいます。ヘチマ水で茎から水を取れますね。)そして葉での水の蒸散によって引っ張り上げられます。普通に水を引っ張れば、水の重さによって10mで真空を生じてそれ以上引っ張れません。ところが導管は細いので水分子の水素結合による凝集力(水面で見える表面張力と同じもの)により真空を生じません。それで高い木でも大丈夫、というわけです。ところが実際はよくわからない部分がたくさん残されているようです。 

 キャベツも実にいい感じです。さて結球までいけるか?頑張りましょう。ハクサイは結球しなくともそこそこ美味いものですが、キャベツは結球しないとそれらしくなりません。ちなみに、私のいた倉敷の小学校では、青汁給食といって野生型の結球しないキャベツ(ケールという)を使った青汁を250ccくらい三時間目と四時間目の間に飲まされていました。クソ不味くて、今だったらそれだけで登校拒否続出だったろうと思います。

ここからも頑張って下さい。ラボスタッフ・オガタ