東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

3.意識高い系の投稿をしてみた(工:水口竜一)

2018年10月17日 (水)

今回のトップ写真は、教授のアドバイス通り間引きした直後の茎ブロッコリーと水菜です。

(鉢受けは余裕がなくてまだ買いに行けていません...。)

さすがに移植が浅すぎたらしく、少し触っただけで芽が倒れてしまいました。

立ち直れるように、少し深めに植え直したのですが、まだ横になっています。

私と同じように(←笑)、立派に自立してほしいものです。


今日もご覧いただきありがとうございます。水口です。

本来この記事は毎週末に書くつもりでしたが、面白い変化があったので今回は臨時でその内容だけお知らせします。

それは前回の投稿で示した豆苗のうち、生長が早いほうについてです。

豆苗は日陰で育てるのがいいとのことでしたが、現在我が家の豆苗は、このようになっています。

DSC_0388 1.JPG※全体を撮り、かつ私物の写り込みがないように配慮した結果、斜めの画像になってしまいました。すみません。

何が面白かったのか、それは、豆苗が太陽光(※直射日光ではなくいわゆる"天空光"、つまり、空気中で散乱したのちの光を指しです。明るい日陰を想像していただければいいかと思います。)の方に向かって伸びていたことです。

日陰を好む豆苗が太陽の方へ向かって伸びているのは個人的に興味深かったです。

ここで私が考えたのは、「豆苗は日陰を好むわけではなく、日光による蒸発で下の水がなくなるとしおれてしまうので、日向で生育しにくいのではないか。」ということです。

ここから私は、日陰と日向での生育による対照実験を行いたいと考えましたが、日向に置きかつ水を枯らさない手段が思い浮かばないため、思いつき次第トライしようと思います。

(そのときはもう一度エンドウ豆を片平にとりに行くことになりそうですが...。)

報告は以上になります。ご覧いただきありがとうございました。

コメント

水口さんこんにちは

 その時々気付いたことをタイムリーに教えて頂けるのはいいですね。こちらも早めに対処を考えられます。

「自立」いいですね。スタンドアローンというと微妙ですが。学生は卒業すると嫌でも自立しますので、その時はその時です。東北大の卒業生は多少変わり者でもなんとかなっているもので、逆にそれで驚いたりします。

 植物も自立、ですか。植物にはニートやヒッキーの概念はありません。

 さて、画像ではやや徒長しています。まあ、今からしっかり日照を確保すればリカバリーできる程度かな、と思います。当面光環境に注意して下さい。もう一週間ほどして根がしっかりしてきたら、渡辺教授のコメントにもある通り土寄せ作業をすればいいですね。やり方はそちらを参照して下さい。茎がフラフラしていると生育に支障をきたしますので、固定してやるのが原則です。

 トウミョウの画像が面白いですね。

 その通り、光を求めて傾いています。そのメカニズムについては高校生物の教科書にある通りですね。まあトウミョウが考えて光の方向に成長しているわけではなく植物ホルモンの作用です。ごく簡単に言いますと、植物の細胞伸長させるホルモンの一つオーキシンは光のない方に移動します。つまり暗い方がオーキシンによって伸長しますので、見かけ上光の方に曲がります。

 結果からの考察が面白いですね。そういう考察こそ実験の醍醐味ですね。日照から水の不足にまで思い至ったのですね。まあ、この場合に限って言えば日陰を好むという前提が違います。トウミョウ(というかエンドウ)も光を好み、成長に光を要求します。大きく栽培してエンドウ豆をとったり、サヤエンドウにするなら日向で栽培します。ただこのトウミョウの場合は意味が違っていて、広義の栽培に当たりますが芽出しだけのスプラウトです。光合成によって生育するまでに至らず、種子のエネルギーだけで伸びています。

 最初の説明が薄いためだと思いますが、スプラウトで遮光するのは、とにかく徒長させ大きくし、なおかつ味を良くする(光を当てて緑にすると青臭い)ためのものです。植物にとって良いかではありません。実験自体は面白いと思います。

ではまた 

ラボスタッフ オガタ