豆苗実食/帰省に向けて(文:恵利一花)
2022年12月26日 (月)
書いている途中の記事を誤って投稿してしまい、慌てて取り消したところ、下書きも写真もすべてが無に帰しました。久々に絶句しました。
気を取り直して、何もなかったかのように前置きから始めます。。。
写真は、先日夜に撮影した自転車のサドルです。あ、サドルにも雪積もってる~!とほっこりして払おうとしたところ、ガチガチに凍っていました。
仙台は雪というよりは、「氷の冬」なんでしょうか。バイトがある日は朝の7時に家を出るのですが、最近は自転車の鍵が凍ってしまって回りません。お湯をかけるのがまずいことは分かるのですが、それ以外に特に解決策も見つからず、一人寂しく鍵を温めています。
今のところ自転車通学を強行しているので、まだ転んでいないのが奇跡に近いです。
p.s.
今朝、通学序盤1キロで2度転倒したので、以上の発言は撤回します。アスファルトでスケートが出来そうです。
豆苗実食
全長19センチ 室温18℃
(手が二本しか無いため、定規をあてながら写真を撮るということが出来ず、いつも別測りになっています。鉢植えなら土に挿したり鉢に置いたりできるのですが。難しいです。壁に目盛りを書いたシールでも貼っておけばいいのかもしれません。何なら定規を貼り付けても......)
前回のコメントを参考にし、少々水を減らし、窓辺に置いておいたところ、問題なくすくすくと育ちました。
しかし、豆苗の食べ頃ってどのくらい......?と様子を見ていたところ、成長をやめて萎れ始める気配が。
食べない限りは伸び続け、立派なエンドウマメにはなれずとも、ひょろひょろと長く長く成長し続けるような想像をしていました。しかし、水と少量の日光のみでは、ここまでしか成長することはできないのか。それとも、寒さ、もしくはその他の不具合で成長をやめてしまっただけでしょうか?
そういえば昔育てていたブロッコリーは食べ時を逃し、かわいい花を咲かせていました。
葉は幅が広くて丸っこく、"うちわ"か卵のような形状です。よく見ると、微妙に毛が生えているのでしょうか?葉の表も裏も、よく水をはじきます。
茎の先についたクルンとしたツルが、非常にマメっぽいです。小学校の校庭に山ほど生えていたカラスノエンドウを思い出します。カラスノエンドウにびっしりとアブラムシがつき、それにテントウムシが集まってくるという、むギュッと凝縮生態系が展開されていました。
美味しく食べられるうちにいただこう!という訳で、深夜に急遽台所に立ちました。育つのが早ければ、萎れるのも早い気がします。樹齢何百年の巨木が、さらに何百年もかけて朽ち木になるのと同じで......。
2週目の栽培もできるのと聞いたので、根から茎は長めに残し、プラコップに戻しました。
面白いなーと思ったのは、茎や葉よりもタネ(豆)の部分です。サケの赤ちゃんは大きなオレンジ色の栄養袋を抱えて生まれてきますが、赤ちゃんが大きくなるにつれて袋は小さくなり、数日たてば吸収されて消えてしまいます。それと同じ要領で、新たな根葉茎を育てるのにエネルギーを使ったタネは、だんだんとしなびていくように思っていました。しかしながら発芽したばかりの写真と比べても、タネの見た目に大きな変化はないようです。
サケの卵黄はおひとり様用ですが、エンドウマメはもう一度美味しい若芽を出してくれるようですし、まだ余力が有り余っているということなんでしょうか?それとも、そもそもエネルギーの消費が見た目には表れない構造なのか?2週目を終えたタネの様子を見るのが楽しみです。
素材の味を味わいたいので、胡麻ドレッシングでシンプルにいただきます。
当初想定していたよりもだいぶ少ないな~と、少々残念な気持ちで口に入れたのですが、想定以上に結構おいしい。
あっ、豆の味がする!ほんまに豆なんやん!と騒ぎながら食べました。あっさりとして渋みの無い豆苗に、コクと酸味のある胡麻ドレッシングが偶然にもよく合う。大満足でした。とはいえ、ここまで手間をかけて育てたのに、採れるのはこれっぽっちか!と打ちのめされた気持ちも。普段何げなく口にしている食べものが、いったいどれほどの手間ひまをかけて育てられたものなのかと、思いを馳せずにはいられません。
少し興味をもって調べたのですが、エンドウマメを「豆苗」という形で食べていたのは主に中国で、日本で流通し始めたのはごく最近なんですね。
本場中国では、土に植えたエンドウマメの若芽だけを摘むという栽培方法で作られ、一般家庭には縁遠い高級食材であったそう。日本に伝来したのは1972年の日中国交正常化後のようです。意外にも日本での歴史は浅かった。
しかしそれよりも衝撃だったのは、「エンドウマメ」自体の名前の由来。絶対に遠藤さんが広めたんだろうな~と長い間思い込んでいましたが、「エンドウ」は漢字で書くとなんと「遠藤」ではなく「豌豆」。「大宛国(フェルガナ)」から来た豆だから、「宛の豆」と名付けられたらしいのです。
「豌豆豆」と書くと「豆」の字が3つ並んでしまうという衝撃の事実。これは話の「タネ」になりますね。
コカブの現在
成長はかなりゆっくりになりましたが、じわじわと新しい葉が増えています。
少ししなびていたので、水をやりました。極寒の中にしては、色も鮮やかでみずみずしいです。大きな葉よりは、中心の若い葉に水分が集まっているように見えます。心臓の近くに血管が密集するようなものでしょうか?違うか...
若い葉がギュッと詰まって生えてくる様子を見ていると、なんとなくハクサイにも似ているな~と思います。
そういえばカブはアブラナ科、ハクサイとかなり近い種なんですね。根を中心に食べる野菜なので忘れがちです。よくよく考えて食べると、カブの葉も味は白菜と近かったりするんでしょうか。
土の上の見える部分は健康に育っているように見えるのですが、根はあまり膨らんでいる様子が無く、心配です。めちゃくちゃ細いというわけではないのですが、水やりをすると少しだけ覗く部分を見ていても、頭に思い浮かぶ真ん丸なカブには程遠いように思います。
とりあえず年が明けて仙台に帰ってきたら、土を足したい(上にも下にも)。
帰省に向けて
前回の先生とオガタさんのコメント、面白く読ませていただいていました。「それ、いくら植えても芽は出ないぞー」と、きんちゃく袋にべたべたのビワの種を入れて帰宅していた自分に教えてあげたいです。いや、芽は出ずとも植えるだけで、生えないかな~と思うだけであの頃は楽しかったですから、やっぱりいいです。
そして、関西人同士でも他人のアクセントにうるさい関西人としては、「ノンアクセント言語」というのは衝撃的ですね。確かに、思い返してみればそんな気も......!いつか生「~だっちゃ」を聞くのが夢です。耳を澄ませて仙台を歩きます。
そしていよいよ、お正月が迫ってきました。なんだかんだと授業があって忙しいのですが、前述のとおり、お母さんとばあちゃんの正月料理を食べるために帰省を強行します。意地でも帰ってやる!という気持ちです。
そのため、たった4,5日ではありますが仙台の部屋を留守にすることになりました。ここ数週間で、雨風雪があまり入らずなおかつある程度日も当たるスペースを発見したので、残る問題は水やりです。そこで「自動水やり機」なるものを探しに出たのですが、いざ店で見つけたそれは、私が想像していた全自動スプリンクラー?のような大仰なものではなく、「土に挿す筒」としか言いようのない商品でした。これで本当にうまくいくのか心配ですが、水浸しにさえならなければ大丈夫だろうと信じて、今から数日お試しをしてみることにします。明日か明後日にその写真を載せて短い記事を上げます。駄目そうだったら鉢を抱えて飛行機に乗ることにします。
コメント
文学部 恵利さん
育種の渡辺です。昨日の夕方、Twitterに記事がuploadされたのを偶然見つけたのですが、実際の記事がない??? 何が起きたのかと思っていましたが、これでしたか。写真の感じから、恵利さんをイメージしたのですが、その通りでした。書きかけで投稿しても問題ありません。そのあと書きかけに書き足して更新すれば、最終版がuploadされます。次回以降、慌てないように。また、最初のガイダンスの時にも話をしたように、記事はあらかじめ別のところに書いておいて、それをcopy and pasteするのがよいと。出あれば、落ち着いて、書いたり消したりできますので。という渡辺も「秀丸エディタ」というのでtextのみを書いています。メモリをあまり食わないsoftwareなので、使いやすいです。Windowsであれば「メモ」「ノート」のようなものがあるかと。
雪が凍っていますが、これは気温が高いから一度溶けて、気温が下がると、氷のようになるのだと思います。スキー場のアスピリンスノーとかいう軽い雪質は氷点下20oC近くになると、確実にそんな雪質になるような気がします。なので、東北でも暖かい地域の雪質です。
食べ頃を過ぎると、やばくなるという完成は大事ですね。物事には適期というのがあるので、それを逃さない感性、これからも高めて下さい。また、ハクサイとカブは同じ種です。交雑、雑種の作出も可能です。気合いで帰る準備をしていること、とはいえ、しっかりと水やりの自動装置が働くかを確かめていることができるのもよい感性です。長くなりました。残りの部分については、明日のオガタさんからのコメントも参考にして下さい。
わたなべしるす
恵利さんこんにちは
冒頭の写真は「ナン」かと思いましたが、全然違った!
凍った自転車...... しかしまあ、冬期間の自転車は危険ですね。いや本当に。
さて今回の記事はトウミョウですね。写真では非常に元気よく育っています。萎れてきた? 育ち過ぎたがゆえの茎葉部と根部のバランスの問題でしょうか。
話は逸れますが、カラスノエンドウ、校庭などに山ほどありますね。実は外来種の一つであり、日本に来たのはそう昔ではありません。それがこれほど栄えているのは幾つか理由があります。マメ科植物なので根粒菌共生により窒素の供給を受けることができ、いわゆるやせ地でも繁殖できます。もう一つ、「アレロパシー」という武器を持っています。それは根から化学物質を放出し、他の植物の成長や発芽を阻害するものです。急速に増える外来植物種はたいがいそういう性質を持っています。カラスノエンドウはまだしも強くないのですが、似たような姿のフェアリーベッチという雑草はその作用が強力で、今カラスノエンドウの生息地に広がっています。
他に、春にオレンジ色のかわいい花をつけるナガミヒナゲシも、秋に黄色い花をつけるセイタカアワダチソウもその性質を強く持っています。特にセイタカアワダチソウはススキと生息地が競合するのですが、地下茎も種子も強く、繁殖力が強いため、一時はススキ野原を駆逐して置き換わる勢いでした。ところが日本のススキもやられっぱなしではありません。ススキの根は長いので土の深いところから栄養を取り入れることができ、更にイネ科植物の特質である高い光合成能力でもって逆襲に転じたのです。もう一つ、日本にはクズというつる性の草が生えています。これはつるを伸ばすことにより、アレロパシーに関係なくセイタカアワダチソウを空中戦で抑え込むことができます。こういったことでセイタカワダチソウをめぐる攻防戦は激化していますね。
外来種の繁殖に対して「外来種もまた生物であり、悪と決めつけるべきではない」「マクロに見れば分布域の変遷があるのがむしろ自然の摂理」という見方があります。それも一つの見識ですね。しかし、人によって分布域が変わるのが自然というのは無理があります。
日本は外来種に対して敏感な面があり、セアカコケグモ、ミドリガメ、カミツキガメなんかについてよく報道されます。それは良いことです。まあ、日本の検疫に携わる税関職員の多忙さと低予算も報道してほしいところではありますが......
アメリカザリガニ、岡山県のヌートリア、外来生物は多いのですが、偶発的に入ったものとか有用だと思ってわざわざ導入したものならまだしも、積極的に放出するのは弁解の余地がないですね。そう、釣り人がわざわざ放すブラックバス、ブルーギルは...... まるで家の近所にエイリアンを置くようなものでしょうか。
そういえば、逆に日本から海外へ侵略している生物についてはあまり報道されていないようです。実は、これがまた多いのです。植物では「クズ」がかつてアメリカに導入されました。アメリカのニューディール政策でTVAダムが建設されたのは世界史で習うと思います。しかし、これを実現させるのに困ったことがあり、斜面の土が崩れてしまうのです。そこでクズを植えてやっと解決しました。これに喜んだアメリカではお祭りの時に「クズの女王」とかいうコンテストまであったそうです。しかしその後クズが増えすぎて困ったことになりました。他にも、日本のコガネムシが害虫となって大繁殖、コイや、スズメバチもアメリカに甚大な被害を与えています。向こうにはコイを食べる習慣はなく、アメリカらしく電気作戦で抑え込もうとしていますがうまくいっていません。スズメバチも向こうでは日本ミツバチの逆襲もなく、オニヤンマもいないので無敵ですね。それと、ヨーロッパ方面では日本のイタドリという草が脅威になっています。
まあ外来種の中にも有用なものがあります。カラスノエンドウはテントウムシのみならず、蜜源として蜂に役立ちます。そういえば東京湾の外来種ホンビノスカイは大きくて美味しく、沿海漁業の救世主となっていると聞いたことがあります。こういった話も面白いですね。
さて話は戻ってトウミョウの収穫と実食、まあ量は少ないものの、美味しく食べられたようでなによりです。確かに豆の味がするでしょう。収穫しても豆の形が残るのはその通りで、しかし中の栄養分は次第に消費されているはずです。
元々が大きいため、二回収穫が可能です。それとカイワレと違って「生長点が下の方にも存在する、というか葉の出るところが下の方にある」のでまた成長できます。しかし温度管理と、水を腐敗させない管理が必要です。
コカブも元気そうです。そして形態的にはしっかり冬の低温に備えている感じがします。地下部の成長は分からない(そんなに大きくなっていないような)のですが、髙橋君の記事にあった通りコカブは割と早めにカブの形を成すようなので期待しましょう。また、土を足すのはとても良いことです。
帰省時、たった5日程度でしたら鉢受けに水を貯めておく「腰水」だけでも対応可能です。せっかく自動給水器?を買ったなら使えばいいですね。本当はしっかり試運転してからの方がいいのですが...... どうでしょう。過去の例を見ると、わずかな間に水が出切ってしまう製品が多いようです。
鉢を抱えて飛行機に乗る...... 確実に妙な人だと思われますし、落として割ったり、忘れたり(鉢を割ったら破片で凶器?)。置いていった方が無難なような。
さあ、次記事も期待します。しかしま、恵利さんの記事は関西人らしい「ヲチ」があって面白いですね。
ラボスタッフ・オガタ