東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

ほうれん草を作ろう その3(鉢)(工:柳澤暢孝)

2023年10月20日 (金)

こんにちは。柳澤です。

来週末、10/27-29に、東北大学の大学祭があります。所属している部活動では展示にむけて忙しく活動しているので、来週末が楽しみです。


さて、ほうれん草の様子についてです。

この一週間では、僕が行った作業は毎朝の水やりと写真撮影のみでした。
なお、今週は毎日朝に1回、底から水が出てくるまで水やりをしました。

さて、今は鉢の下を汚さないため、クラフト紙を重ねて敷いています。特に根拠はなく、なんとなく敷きました。ただ、おがたさんのコメントによれば、鉢受けの皿が必要なようです。
調べてみたところ、皿があれば、土こぼれや排水をキャッチできて便利なようです。ただ、水がたまらないようにする必要がありそうです。
木曜日にヨドバシ.comで注文した皿が土曜日に届くようですので、来週からは皿が付きます。

ベランダ内の温度の情報が必要なようですが、どう測ればよいか迷っています。
朝の温度だけなら家の時計で見て記録できるのですが、朝の気温だけではなく日中や夜の気温もあった方がいいのではないかと思っています。百葉箱のように、PCやスマホと接続してデータログを記録できる温度計があれば一日中温度を記録できるので、作ってみたいです。成長しきってしまう前に完成させなければ...


植物の成長以外にはとくに大きな変化が無いので、1日ごとに、ほうれん草の様子を写真で載せます。
鉢植えに定規をあてるときどうすればいいのか迷い、面倒くさくなってしまったため、今週は定規をあてずに写真を撮っています。過去の記事を少し見てみると、植物に直接あてて真横から撮っているもの、鉢に置いて真上から撮っているものが多かったので、来週からはそうしようと思います。

【栽培16日目:10/14(土)】
[仙台市の最高/最低気温→24.1℃/11.2℃]
(気温は日本気象協会のホームページより)

IMGP2933.JPG


【栽培17日目:10/15(日)】
[最高16.1℃/最低13.8℃]

芽が出始めました。

IMGP2947.JPGIMGP2949.JPG


【栽培18日目:10/16(月)】
[最高23.8℃/最低12.6℃]

IMGP2956.JPG


【栽培19日目:10/17(火)】
[最高21.2℃/最低12.8℃]

写真撮り忘れてました...


【栽培20日目:10/18(水)】
[最高22.0℃/最低11.6℃]

IMGP2968.JPG

IMGP2971.JPG


【栽培21日目:10/19(木)】
[最高24.1℃/最低11.9℃]
若干寝坊してしまい、朝に時間がなかったので、一眼ではなくスマホで写真を撮っています。なんとか水やりはできました。

PXL_20231018_233308962.jpg


【栽培22日目:10/20(金)】
[最高22.9℃/最低13.0℃]
この日も寝坊してしまったので、スマホで写真を撮っています。

14個まいた種のうち10個ほどから、葉のようなものが出始めています。

PXL_20231019_233417364.jpg


この先の作業ですが、まずは間引きが必要になるようです。
農林水産省のサイトによれば、本葉が1枚から2枚のころに、間隔が3-4cmになるよう間引きを行うのがよいのだそうです。

本葉が何かわからなかったので、調べてみました。学研のサイトによれば「子葉の後に出る葉」のことであり、さらに子葉は「芽を出した後最初に出す葉」のことだそうです。
つまり、21日目の時点で一番成長している個体が出しているのは子葉であり、本葉はこれの後に出てくるのです。なるほど...?
本葉が出てきたら、間引きをしようと思います。


今回は以上です。

コメント

柳澤さんこんにちは

 学園祭はとても賑やかで、楽しいものですよ! 音楽系サークル演劇系サークルの発表やカフェ、もちろん体育系サークルの食べ物出店とか、たくさんあります。まあ、柳澤さんは自分のサークルの展示物に付きっきりかもしれませんが......

 私も、毎年ではないですが行ってます。陶芸サークルで陶器を買ったり、文芸系サークルで文集を買ったりですね。

 自分事で申し訳ないことですが、学祭といえば一つ微妙な思い出があります。それはクイズサークルでのこと...... そこでアタック25を模した企画があったんです! そこへ応募......心の中では「学生相手にちょっと楽しんでこよう」という気持ちでした。ところがところが、自分以外の出場者は学生どころか「この日のために準備して福島からやってきました」などというのを始めとして全員ガチのクイズヲタだったんですね! 結果......パネル7枚の3位という惨敗を喫しました。そのとき高校生だった娘と来てたんですが、パパ自慢できないことに......

 さて話は本題ですが、ホウレンソウが極めて順調に成育しています!

 まあ、水やりは毎日必要ということはないと思います。たいがいの鉢植え植物栽培では「鉢土の表面がうっすら乾いたら水やり」です。常に湿っているのは過湿であり、根の伸びが悪くなってしまいます。ホウレンソウは、土壌条件についてpH以外はそれほどうるさくない植物なので(粘土質だとか砂質だとか、水が多いとか少ないとか)、それでもいいといえばいいんですが。

 鉢受けをわざわざ購入して頂けましたか。100均でもどこでも売っているようなものなのですが、通販というところが現代人ぽくていいですね。鉢受けの意義というか水やりの意義については他受講生のコメントに書きましたのでよければご覧ください。

 そして鉢受けに水が貯まりっぱなしは確かに逆流して過湿になるので良くないのですが、何度か水やりをしていれば加減が分かってきます。そしてこの先の話になるんですが「正月帰省時の対応」でも鉢受けは重要になってきます。

 温度の測り方は適宜考えて下さい。目安として分かればいいものなのですが、きっちり測るのもそれはそれで面白いでしょう。ホウレンソウの場合はさておいて、多くの植物の植物の生育は「積算温度」なるものが関係してきます。例えば、桜の木は、2月1日から「一日の最高気温」を日毎に順次足していって、600になれば開花するものです。そう考えれば面白いものですね。

 さてホウレンソウの成長記録(?)ですけれどこちらとしては日記を求めているわけではありません。タイムラプス的な報告も面白いといえばそうなんですが、求めているのはあくまで「科学的な眼と考察」です。成長のどこに注目しているのか、形態の何に驚いているのか、もちろんスタートしたばかりなので自分ならではの視点を持つのは難しいでしょうが、この先考えてみてください。

 「間引き」についてはこの先の話ですね。

 ここで余談ながら「ネット情報で間違いやすいこと」についてお話ししましょう。もちろん「真偽はどうか」、「出典元は何か」、「意図的ミスリードはないか」といった注意点は誰でも分かると思います。

 それ以外でも注意点があります!

1 列挙が多い(そのため結果的に役に立たない)

2 根本的な意義の説明がない(同上)

 1について分かりやすい例えで言います。咳が出るので不安になってネット検索をしてみたら......アレルギーやら喘息やら、果ては肺がんや心不全の可能性まで出てきます。もちろんその列挙に嘘はありません。どれも正しい可能性です。ただしかし、専門家から見れば、「頻度を度外視したミスリード」でしかありません。専門家なら容易に判断できることでも、ネット情報だけで考えてしまうと正解に辿り着けません。

 この展開ゼミで言えば、例えば「葉の色が薄い」だとか「茎が細い」だとかで検索しても間違った答えに辿り着く可能性が高く、明らかに日照不足からきているのに肥料不足だと勘違いしたりとかいう例が多いのです。他のことでも多数ありました。

 2についても分かりやすい例えを出します。ネットで出る料理レシピ、とても重宝なものなのですが、その通りに作ったとしても最上級にはなかなかなりません。各材料についての「分量は書いてある」のですが、「それを使う意義」、「多過ぎたらどうなるのか」、「少ないとどうなるのか」まで載せられていませんから。各材料の意味や工程の意義まで理解してはじめて、例えばサバ味噌を作ろうとした場合でも「このサバは鮮度があまり良くなさそうだ。だったら臭み消しに塩水を強くして、あるいは二回洗ってみようか」といったような応用ができるわけです。

 なぜ、そんな話を出したのか。それは「本葉1~2枚の時に......」ということが気になったので、老婆心を出してしまったんですね。間引きの意義で最大のものは「各個体の日照競合を減らす」ことです(他にも意義はありますが割愛します)。これを理解していれば柔軟に対処ができます。日照が充分あり、徒長がない条件ならば本葉が一枚出ようが三枚出ようが間引きの必要はありません。逆に日照が少なければ、各個体の葉が重なってこないうちに早め早めに間引くべきです。

 柳澤さんのホウレンソウについて結論から言うと間引くのはまだ先です。たぶん本葉2枚以上の時ではないでしょうか。

 農水省のサイトの言うことは間違いではありません。ただしそれは「標準的な(日照でも土壌でも)畑で育てている場合」で、「最初の播種が標準的な密度である場合」に当てはまることです。まあ標準的な密度にちゃんと播種できる人が間引きを間違うことはないでしょうが。 農水省はいわばこちらにとって「身内」ともいえるものなので少し厳しく書きました(言い訳)。

 さて学祭で忙しいでしょうが、またコンスタントに報告お待ちしています。

DSC_0239.JPG 微妙に面白い......

ラボスタッフ・オガタ