東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

1.菜園スタート! (理:伊東功平)

2025年10月 6日 (月)

CONTENTS________________________
 1.ご挨拶
 2.栽培キットの紹介
 3.種の紹介
 4.今後の流れ
 5.最後に


1.ご挨拶

  理学部生物学科1年の伊東功平です。愛知県(名古屋ではない)出身で、田んぼを毎日見て育ってきました。小さい頃は近くの用水路で小魚をとったり、亀やザリガニをとってきて飼っていました。しかし、飼っていたといっても最初の1週間程だけ!あとは母親が毎日世話をするというのが常でした... しかし、仙台で一人暮らしをしている私は種まきから収穫まで自分一人で行わないといけません。最後まで生育し続けられるか不安ではありますが、頑張ってみます!そして上の写真は銀杏とイチョウの青葉です。もうこの季節が来たかというのを実感しました。早い早いΣ(・□・;) 実は私の地元は有名な銀杏の産地で、この銀杏から漂う強烈な悪臭を嗅ぐたびに嫌悪感を抱くとともに地元を思い出すなつかしさ感じるという不思議な気持ちになります。 

 こんな感じで植物の観察報告だけだと味気ないので身近に起きたこととかもブログで紹介していこうと思います。(書きたいだけ)

2.栽培キットの紹介

 初回の授業で頂いた栽培キットに加えて、いくつか用意したものがあるので紹介します。 
IMG_2300.JPGIMG_2302.JPG

 1.土
 2.プラスチックコップ
 3. 6号鉢
 4. 5号鉢
 5.3.5号鉢
 6. 5号鉢
 7.肥料
 8.ネームプレート
 9.スプラウト系の種(上からオーディブル、ガーデンレタスミックス、ブロッコリースプラウト、春菊(きくまろ))
10.鉢受け皿(小)
11.鉢受け皿(大)
12.湿温度計
13.自動給水(帰省した時などに用いる)
14.じょうろ
15.培養土

 鉢受け皿や湿温度計などを追加で購入しました。湿温度計は過去のブログを参考に購入しました。購入した後に気づいたのですが、物差しを買い忘れました(;´д`)トホホ... こんな感じで今後も買い足すものがあるかもしれないのでその都度説明します。

3.種の紹介 

すべて紹介すると長くなってしまうので、今すぐに生育させ始める葉ものと根ものの種を紹介します。スプラウト系は、また育て始めるときに紹介します。

 NO.1 ころっ娘(食べきりミニ大根) 

 一つ目に紹介する種は大根です。成長すると約20cmほどになり、秋まきで約75~80日で収穫できるそうです。なぜこの種を選んだかというと、第一に大根おろしが好きだからです。それにつられたのかわかりませんが、種のにおいをかぐとかすかに大根おろしのにおいを感じました。(多分錯覚)IMG_2309.jpg

 種は全体的に茶色か灰色でした。いくつかの種は割れて中身が出てしまっているものもありましたが、おおむね割れていませんでした。また、観察できた種はすべて数本のしわが平行に入っておりしわの一端は辺りが黒ずんでおり、しわは白くなっていました。

 NO.2 金系201号(おてがるキャベツ)

 次に紹介するのはキャベツです。パッケージの説明ではなんと1.5kg前後まで成長するとありました。しかし、鉢植えではせいぜい300gほどまでしか育てられないと思います。できるとこまでやってみて、これ以上は大きくならないと思うところまで育ててみます。 また、この種を選んだのは種まきから収穫までにかかる日数が驚異の150日というところでした。この日数を積むのは生育のどの段階なのか自分で確かめてみたいと思いキャベツを育てることにしました。IMG_2311.jpg

 種を観察してみると、まず思ったのは「青い!」でした。何かしらで種をコーティングしているのだと思います。そして種は比較的小さめでした。キャベツ自体はほかの野菜よりも大きいので種も大きいと思っていたのですが、まさかの小さめでした。形状は割ときれいな球状で、僕が頂いた種で割れているものはありませんでした。

 NO.3 ホウレンソウ PRIMAX プログレス 

 最後に紹介するのはホウレンソウです。このホウレンソウはパッケージに情報があまり掲載されていなかったので、「サカタのタネ園芸通信 ホウレンソウの育て方・栽培方法」を参考にして育てることとしました。種まきから約1~2か月ほどで栽培できるそうです。寒さには強く、冬でも安心して育てられそうです。また、パッケージにはデンマーク産と書かれていました。ホウレンソウは東洋種と西洋種で形質が異なり西洋種は葉先が丸くなるそうです。この種の葉先がちゃんと丸くなるのかも観察してみたいと思います。IMG_2312.jpg

 種は比較的大きく、扁平な形をしているものが多くみられました。また、殻?コーティング?が割れていて部分的にむき出しになっている種がほとんどでした。またキャベツもホウレンソウと同様に青色のコーティングがされていましたが、ホウレンソウのほうがコーティングにラメのようなものが入っておりキラキラしてしました。同じようなコーティングに見えて若干違うのかもしれません。

4.今後の流れ        

 葉ものや根ものはすぐに発芽作業に移ります。先輩方も発芽を土で行うのか、それともシャーレなどの容器で行うのか悩んでいましたが、僕はシャーレなどで発芽させてから土に植えることとしました。というのも、スプラウト系は土を用いないで発芽させ、何ならそのまま徒長させることができることを知っていましたが、葉ものや根もの系で土なしで発芽させるという例はあまり見たことがなく、土なしでも発芽できるのか試してみようと思ったからです。もし発芽しなさそうだったら土から栽培したいと思います。スプラウト系は種まきから収穫までの期間が短いのと、最初に植物を育てすぎると負担になると考えたので今後余裕が出てきたときに育て始めることにします。IMG_2315.jpgIMG_2314.jpg

IMG_2313.jpg こんな感じで芽が出るまで待ちたいと思います。

5.最後に

 菜園初心者とはいえ、葉ものや根ものを容器から育て始めるという挑戦的なことをしてしまうのは自分の性格だと思います(笑)。今回の菜園のゴールは野菜をおいしくいただくことだと考えているので、最後に私の口に入るまで大切に育てていきたいと思います。また、最近生活習慣が乱れてきているので、毎日の水やりや成長観察を利用して、生活習慣の改善ができたらいいなと思っています。

コメント

伊東さんこんにちは

 愛知県というと都会っぽい(東北から見れば)イメージなのですが、なるほどなるほど、そういう自然環境豊富なところもあったんですね! この講義では自然というよりは栽培、あるいは盆栽的なものになってしまいますが、それでも生物を扱うということから自然を感じて頂ければ幸いです。

 それと、自己紹介的な文章は歓迎ですので、これからも記事の導入的なところで書かれたら良いと思います。エッセイ的な文章でも構いません。読み手にとってフレンドリーな記事になります。

 さて記事の内容についてきっちりまとめられていますね。段落や文字色もいい感じです。過去記事を参照して上手く書かれています。

 さっそく鉢受けや温度計を用意されて......何と培養土まで! 最初の段階で追加培養土を用意した例は過去になかったと思います!

 内容そのものへ、全てコメントするわけではないので、非常に目に付いたものだけコメントします。

 種子の観察が素晴らしく、特にコーティング種子の細かいところまでよく見ました。もちろん種子によってコーティングの材料は変わります。発芽の補助や種子の扱いそのものを向上させる意味もありますが、最大意義は「立ち枯れ病などの、発芽時に罹りやすい病気の予防」ですね。したがって、種それぞれに最適な殺菌剤は違います。

 しかしま、そんな当たり前のことではなく、記事中で最も感心したのは「コーティングが種子の一部についていない」ことまで見ている様子です。そこまでこちらも詳しくないのですが、種子の吸水などを考えて敢えてそうしているのでしょう。いや、よく観察しました。

 ついでに、「ホウレンソウの西洋種と日本種の違い」について、これはサカタのタネの方々が喜ぶ話題ですね! 詳しく書けばキリがない話題なので、それについてはおいおいコメント欄にでも書いていきます。農学部ではなく理学部の学生にとっても「知っておくと一生使えるミニ知識」ですから!

 さてさて、最後に一つ注意です。

 種子を鉢に直接播かず、発芽させてから鉢に移す選択をしています。これは実は栽培実験では普通のことです。なぜなら、発芽をしっかり確認するため、そして何より別種子の混合が無いことを見極めるためです。

 しかし、なかなか難易度が高いんですね。なぜなら、水やり加減が難しいこと、好光性種子と暗光性種子の区別が必要なこと(これについては幸いにも極端な性質の種子ではなかったのでクリアされています)、そして何より「鉢に移すタイミングがシビア」という理由があります。

 だいたい今の気温なら二日程度で鉢に移した方がいいでしょう。発芽の観察は、ダイナミックなため、ついつい続けてしまいがちなのですが、根が数ミリ以上伸びてしまうとまずいことが起こります。根から非常に細かい「根毛」が出てきて、それが下敷きに絡んでしまうと、移す時に大きなダメージになります。くれぐれも遅過ぎないようにして下さい。

 ではまた記事投稿をお待ちします! そうそう、鉢の置き場所、種子の覆土程度などもまた過去記事を参照して下さい。

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ラボスタッフ・オガタ