東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

4*猫絶対に許さない&スプラウト観察(農:岡田和花)

2017年10月27日 (金)

猫、絶対に許さない。


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さて、遡ること三日前、25日。双葉が出てからあまり変化が無かったミニニンジンですが、この日ついに本葉が見え始めました。茎ブロッコリーも本葉が1cmほどとかなり大きくなりました。やったね!と思っていたのですが。

昨日、天気が良かったので鉢を外に出してから出掛けました。帰ってきたら冒頭の写真のありさまです。悲しい。土が掘り返されていました。(茎ブロッコリーのほうも少し掘り返されていたのですが、茎ブロッコリー自体に被害がなかったのが不幸中の幸いというべきですね。)土を割と乾燥させていたので掘りやすかったんでしょうね...。

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ミニニンジンは合計8本植えてあったのですが、そのうち5本が根が切られてしまったり、つぶされたりしていました。写真はそのうち明らかに根がなくなっていたものです。左側の子なんて本葉見えてたのに...。

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時期の早い間引きと考えて残った三本を鉢に配置しなおして、無事な成長を祈ります。はぁ...。


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気を取り直して、レッドキャベツスプラウトの生育報告です。
種を蒔いたのが21日、その翌日の22日に種の一部が発芽していました。写真は密度大のほうのものです。発芽した種の数は30粒トレーでは8粒で発芽率約27%、100粒トレーでは32粒で発芽率32%でした。密度の高いほうのが少し発芽率が高かったです。誤差の範囲内なのでしょうか。

23日には、30粒トレーでは23粒発芽で発芽率約77%、100粒トレーでは87粒発芽で発芽率87%でした。やっぱり密度が高いほうが発芽率がいいですね。発芽促進の植物ホルモンでも流出してるのかな。たまたまなのかそれとも密度が高いほうが発芽しやすいのか...。偶然じゃない!と言い切るためには同じ密度同士での比較やもっと具体的に何ミリ間隔で種を蒔いたか(トレー全体での密度が違っても蒔いた間隔が狭ければ同じような密度環境になってしまうので)など考える必要があると思います。

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24日、30粒中26粒発芽、100粒中97粒発芽。発芽の早かったものはもう根毛が出ていたり、根の長さが7mmほどになっていました。うねっているので正確な長さはわからなかったですが...。こちらも写真は密度大の方。

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25日に結局どちらもすべて発芽しました。密度低いほうが発芽が遅かったのに最終的な発芽終了日は同じでした。発芽の早かったものはもう種の殻が取れていました。大きいもので根端からは先までが1.5cmほどです。もう茎が紫がかってきています。レッドキャベツ色というか。

さっきから密度大の方の写真ばかり上げていますが、密度小の方と成長過程にあまり違いはみられません。同じ感じで根とか茎とか伸びてます。

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そして26日(猫被害の日)。スプラウトは茎が立ち上がってきました。写真は密度小の方のものです。100粒蒔いたほうの根では、絡み合ったり下に伸びていきたいのをほかの芽に邪魔されたりして窮屈そうでした。(あと密集しすぎてて写真が撮りずらくなってきました。)

スプラウトはなんだかんだ毎日水やりをしています。今のところ順調だし、早く食べられるサイズに伸びないかなー。

四回目の更新はこのくらいで。

コメント

農学部・岡田さん

 おはようございます。遺伝の渡辺でございます。栽培土の乾燥具合もよい感じで管理できるようになって、本葉も出始めてよい感じで、生長をしようとしていたときに。。。やられましたね。。。渡辺も助手をしていたときに、アパートの隣で飼育されているネコに色々な被害を受けたことがあるので。その悔しい気持ちよく分かります。次に備えるために、例えば、netでカバーするとか、工夫ができるとよいですね。記事の最後にある「はぁ...。」という気持ちはよくわかります。これにめげずに、気を取り直して、がんばってみて下さい。

 さて、スプラウト、密度効果を狙っていたのですね、実験系として。発芽率を比較していました。おもしろいです。さて、実際にこれが数学的に有意な差であるのか、そうでないのかというのは、少なくとも、同じ実験を2回以上、必要になります。というのは、平均値の差を比較できます。でも、それに加えて、分散という平均からのちらばり具合の数字を出す必要があります。その平均、分散は、実験結果が最低2回ないと出せないわけです。統計学の時間に学ぶと思います。厳密ではないですが、5%で、有意な差があるかも知れないですね。もしかしたら。どの様な原因なのか。通常は、密度が高い方が発芽を阻害することがあります。何かというのは、分かってないように思います。例えば、植物ホルモンのエチレンは休眠打破の効果があるようですが、エチレンはでているかも。でも、種子が深く休眠しているか。。。生理現象の理解は難しいですね。そんなこともあって、遺伝学を使っています。渡辺は。比較が簡単なので。何が原因か、考えることができるので。そんなことで、繰り返し実験ができるなら、平均、分散を出してみてはどうでしょうか。統計的処理は数字が出たところで。。。


 わたなべしるす