東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

2017年、書き納め。(農:榊原里奈)

2017年12月30日 (土)

こんにちは。
ただいま、実家に帰ってきております。
一人暮らしをすると実家の良さを再認識するものですね。

仙台は暴風警報が出たりしていて置いてきた野菜たちが心配です...。


さて、今回はキャベツの成長記録を報告しようと思います。


12月23日
天気:晴れ
最高気温:11.0℃ 最低気温:1.7℃ 湿度:74%

水やりを行いました。

20171230174640-649fa659b8202778f45fda6e0f5a2193e4d91384.JPGまず1号から。葉の大きさは①6.7×4.5㎝、②4.7×3.3㎝、③6.3×5.8㎝、④4.2×4.0㎝、⑤1.3×1.5㎝でした。

20171230174704-025c2df9efee8b47b09bfaa8ee4c529e9cdd2f40.JPGこちらは2号。
葉の大きさは①5.2×3.7㎝、②4.3×3.5㎝、③8.3×6.6㎝、④8.4×7.5㎝、⑤5.3×4.4㎝、⑥3.5×2.7㎝でした。
7枚目の葉が見え始めていました。

12月26日
天気:晴れ時々雨、みぞれ
最高気温:6.0℃ 最低気温:-0.1℃ 湿度:68%

水やりと追肥を行いました。

20171230174800-3060bf0f29790aa9a2e6dd6f70e54315eb32874b.JPG1号の写真です。葉の大きさは①6.7×4.5㎝、②4.3×3.5㎝、③6.5×6.2㎝、④4.5×4.9㎝、⑤1.4×1.5㎝でした。

20171230174931-acce140272fd0ddee40f675e81f3431f734067e5.JPGこちら2号です。
葉の大きさは①5.3×3.8㎝、②4.3×3.5㎝、③8.9×7.3㎝、④9.4×8.5㎝、⑤7.2×5.7㎝、⑥5.6×4.6㎝、⑦2.4×2.0㎝でした。

前回指摘された茎の長さですが上の写真の部分のことです。葉柄というんですね...。
1号よりも2号の方が明らかに伸びてしまっています。

20171230175002-8ac5fe84a490f9d52941ae1be6dac25bb4cb4dec.JPG葉の数は7枚にも増え、8枚目がはえ始めていました。


ここで、葉の形を楕円とみなし、面積を求めてグラフにしました。
横軸が発芽からの日数(日)、縦軸が面積(㎠)です。

20171230175151-6c2a730525ec1716a9fb8b8b41bd34a1921eeed5.png20171230175210-0ba67f5e9178a36a997396bfdb1d4444486de2f1.png20171230175406-7fbc68f076c31404ef62aa4bc4334af0d63e3450.png


上から1号①、③、2号③の葉のグラフです。

(注意!縦軸のスケールがグラフにより異なります。)
1号①の葉は順調に成長しており、成長速度は遅くなりつつあることがわかります。
2号③は1号③よりも遅くはえてきましたが、成長速度は速いです。
やはり、温度が高い方が早く成長すると考えられます。


今回はこのあたりで失礼します。これで2017年最後の更新となると思います。
お世話になりました。今年もあとわずかですが、よいお年をお過ごしください。

コメント

榊原さんこんにちは。

 実家に戻れば、また高校時代の友達と遊べますね。浪人中の人は別として・・

 うちの娘も、昨日は朝からどっか出かけ、なかなか帰ってきませんでした。高校時代のクラスメートが次々と途中から合流してきたらしくて。それで話を聞くと、それぞれの大学一年生、おおむね楽しく過ごしているようですが、中にはぼっちもいるようです。それと、仙台を久しぶりに見ると車も人の歩くのも早く、何だか荒っぽく感じる、とのことです。弘前に比べたらですが。

 そちらは東京なので、街に戻ってきたという感覚なのでしょう。まあ東京はごちゃっとした下町から、渡り切れないほど横断歩道の長い立派な道路から、本当いろいろありますね。いや、色々あって多様なところが東京の懐の大きさなわけですが。

 キャベツの成長報告、こと細かな報告がいいですね。葉の大きさをそれぞれ計測し、植物の成長推移の情報量を豊富にとっています。若干葉の色が薄いのが気になりますが、大きさは着実に成長しているようです。

 前回の茎というのはやはり葉柄でしたか。まあ、徒長の指標としては茎と同様です。光が足らないと葉柄も長くなりますね。植物ホルモンの活性の関係です。

 葉の大きさを長さだけではなく面積で表しているのが、大変素晴らしいことです。より精密に成長を比較することができます。実は教授とも話をしていて、面積に換算しないのはなんとももったいないと言ってたのですよ。

 計測点も、しっかり数をとっていて分かりやすいものです。それで分かることは成長速さが後の葉ほど速いですね。温度などの栽培条件なのか、あるいは植物体が大きくなり、供給できる栄養が増えたために成長の制限がゆるくなったのでしょうか、そこまではわかりませんが。また、成長パターンがリニアなのかシグモイドなのか、まだ結果が判然としませんが、そのうち明らかになりますね。期待して待ちます。そしてシグモイドになった場合の、上限がどうなるのかも興味があります。つまり、早く出た葉、言い換えれば植物体の下の葉ほど成長上限がかかるのか、またそれは順番とどんな連動があるのか、本当、楽しく考察できるでしょう。植物体が2つあるのも傾向を読み取って考察する上で大変有利です。

 来年もまた報告お待ちしています。

 ラボスタッフ・オガタ


農学部・榊原さん

 こんばんは、遺伝の渡辺でございます。葉っぱの面積を計算してみたのは、とてもniceです。あとから出てきている葉っぱの方が、生長が速いですね。正確ではないですが、最初の頃の葉っぱは、根っこの成長が十分でないので、その状態で根っこからの養分、光合成したものを葉っぱの形成に使っていることになりますが、下位葉が増えてくれば、その分、上位葉にはたくさんの養分が流れるので、上の方の葉っぱの方が、生長の傾きは大きくなるような気はします。ただ、こうやって、目に見える形にしているのが、とても素晴らしいことです。概念として分かっていても、説明するためのモデルというか、図版はとても分かりやすく、説得力があるものですから。

 葉っぱの色をラボスタッフのオガタくんも気にかけていますが、渡辺も気になりますが、写真を撮る角度、時間などが揃っているでしょうか。日当たりなどによって、葉っぱの緑が濃く見えたり、そうでないのかも知れないと。。。その当たりを気にしながら、年明けは写真を撮ってみて下さい。あとは、ラボスタッフのオガタくんのコメントも参考にして下さい。では、よいお年をお迎えください。来年も投稿を楽しみにしておりますので


 わたなべしるす