東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

追肥&葉の観察(文:木町桃香)

2018年12月 1日 (土)

 こんにちは。今回は追肥を行ったことと葉の観察について報告したいと思います。

 鉢に植えてから1ヶ月が経ったことと、葉の一部が枯れており栄養不足が疑われることから、そろそろ追肥の時期かと思い追肥を行いました。追肥は肥料を数粒、株から離してとのことですが、肥料を株から離すのは根に直接当たって根腐れや肥料やけを起こすことを防ぐためだそうです。また、調べたところ今回使った固形肥料は1回まくと2ヶ月などの長期間効果があるとあったのですが、この講義では10日に1回の頻度ということで肥料にも色々種類があるのだなと思います。

追肥後に葉脈がはっきりしたような気がするのですが気のせいでしょうか...?

20181201220908-d80e80649a72c3860c67a28401c1ad9c85a31aa5.JPG                  11月25日 14:50 16.5度 追肥前

                            ↓      

20181201220942-a5950432a5cef8796119f609a4cbec10f63f3009.JPG                   12月1日 9:30 14.5度

こうして葉を見てみると、よくある葉っぱのイラストのように単純ではなく、複雑に隅々まで葉脈が張り巡らされているのがわかります。


20181201221026-717027f5da700a2ddb44dda7647f56cc7650ef28.JPG

また、よく見ると毛が生えていたり、表面にとげのような突起がたくさんあったりします。毛は葉についた水滴によって蒸散が妨げられることを防ぐ撥水などの役割があるようです。また、このとげは毛じというらしく、今まで気にしたことがありませんでしたがほとんどの種類のハクサイについているようです。品種改良して小さくなったようですが元々は大きく鋭いとげだったということで、身を守るためのものだったのかなと思います。

全体的に見るとお互いの葉が重ならないように生えていることもわかります。


20181201221300-18b40c75099041dd9b7ddd4f5ef0ff7f5ff6d068.JPG

もう一つ葉に関して、去年やおととしに同じくハクサイを育てていた先輩方のものと比べて、葉の形や質感が大分違うなと思いました。あまりに異なるので品種が違うのだろうと思っています。今後は品種による違いにも注意して見ていけたらと思います。

今回細かい部分を見てみて、植物はとても効率的な構造をしているのだなと思いました。今後も詳細に観察して色々と調べていこうと思います。

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コメント

文学部・木町さん

 遺伝の渡辺でございます。細かいことは、ラボスタッフのオガタくんから、コメントがあると思います。ハクサイは高頻度に施肥をすることで、葉っぱの枚数を増やして、かつ、葉っぱが立ち上がってきます。なので、10日に1回くらいがよいかと思います。細かなところまで観察がいくようになったのは、よいことです。週末に寒さが来るようですが、外で大丈夫な気温ですから。できるだけ、太陽光を当ててください。


 わたなべしるす




ー 追記 ー

 形態をよく観察しました。その通り、昨年度のハクサイとは品種が違います。展開ゼミ終了時にある程度の結球観察ができるように、小さめで葉が巻く性質の品種にしています。野菜や果物は一般的に、収穫までの時期で極早生(ごくわせ)、早生(わせ)、中生(なかて)、晩生(おくて)という区別があります。長い品種改良の末に作り出されたもので、そのため品種を組み合わせることで、より長い期間収穫できるようになっています。

 ハクサイでも、適期に播種すれば65日で収穫できるもの、90日はかかるものなどの品種があります。他の例としては、エダマメやトウモロコシでも70日のものから90日のものまであります。これは品種の重要な性質ですから、販売されている種子袋に書かれている場合がありますね。

 早く収穫できた方がいい、とは限りません。収穫期間を長くした方がいいのです。そのため、品種という育種学的なアプローチもありますし、ハウス栽培などの園芸学的アプローチもありますし、冷蔵保存などの食糧化学的アプローチもあります。何気なく一年中野菜があるというのは、本来異常な状態で、非常な努力の結果で成し遂げたことです。

 果樹で、リンゴが8月~11月まで収穫できるのは、品種により熟期が違うからです。今度から品種を見て、季節感を感じるのもいいですね。旭などから始まり、早生フジ、つがる、王林、シナノスイート、デリシャス、そして陸奥まで移り変わります。ブドウでしたら今の季節はもう最後のスチューベンの時期です。

 追肥について、お渡ししたのは大体10日で肥料分が流れ出るタイプです。調べたのが何の商品か分からないのですが、肥料というものは非常にたくさんの種類があります。無機質有機質、成分によっても違います。そして効く期間も全然違います。一瞬で全て溶けるものもあれば、一週間かかるものもあり、長いものでは2年というものすらあります。

 用途別に元肥はゆっくり効くもの、追肥は速く効くもの、というのが一つの基準です。ゆっくり効くものには技術が必要になります。根から出る成分で初めて溶けるものとか、鉱物にしっかり吸着させるもの、あるいはプラスチックでコーティングをかけているものなどあります。

 さて、まだ植物は小さいですが、ようやく軌道にのっている感があります。これから乾燥に気をつけていきましょう。

ではまた

ラボスタッフ オガタ