報告13(ハツカダイコン90日目まで ルッコラ17日目まで;1803文字)(文:鈴木亮祐)
2019年1月 6日 (日)
① はじめに
あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いします。
今回の写真もウィンターアクアリウムの写真です。なかなかいい写真を撮れなかったため、前回と同じ場所で撮った写真を使いました。
12月30日に帰省して、正月を実家で過ごしている間、ハツカダイコンとルッコラが心配でした。正月の間に枯れていないか、水不足になっていないかと心配していましたが、1月3日に帰ってきて確認すると、特にそういったことはなく出発前とあまり変わっていませんでした。変化といえば、ルッコラが緑化していることと、ハツカダイコンの鉢の土が若干乾いていることぐらいでした。しかし、予想に反してあまり成長もしていなかったため、あまり良い環境ではなかったのだなと思いました。
また、1月3日以降は前回の記事へのコメントを参考にして、水やりの頻度を減らしました。具体的には、今まで1日1回だった水やりを2~3日に1回にしました。加えて、ペットボトルに入れるお湯も、水に変えました。「温室」という名前がついているためてっきり暖かい方がよいと思っていましたが、逆に日中上がりすぎる温度を緩和するためだったということを初めて知りました。
加えて、植物の免疫システムはどうなっているのか気になったため、調べてみました。
まず、病気でやられる個体数を上回るだけの種子を作り、それを広範囲にばらまくことによって、種が断絶するのを防ぎ、カビや細菌などの微生物に対しては、もとからある抗菌性物質と、新しく生成するファイトアレキシンや抗菌性タンパク質で対抗しているそうです。一方ウイルスに対しては感染細胞のプログラム細胞死や、複製過程で必要となる宿主のタンパク質が欠けたり変異したりすること、増殖しても隣の細胞や植物の体全体にウイルスが移行できないようにするなどして対抗しているそうです。加えて、細胞壁にリグニンを蓄積したり細胞壁同士の結びつきを強固にしたりして、物理的に防御しているようです。さらに、人間の予防接種と同じで弱毒ウイルスを摂取しておくと、後から強毒ウイルスが侵入した時に耐病性を備えていることや、一度感染すると、他のカビや細菌に対して抵抗性を示すこともあるようです。
参考にしたサイトはこちらです。
今回は、ハツカダイコンの観察結果とルッコラの観察結果について載せたいと思います。
② ハツカダイコンの観察結果
1月3日の全体像(1回目のハツカダイコン88日目 2回目 62日目)
この日に1回目のハツカダイコンの本葉の大きさをすべて測りました。
2回目のハツカダイコンについて
また、今回は別の本葉の大きさを測ってみました。その大きさは2.5cmと2.7cmでした。
1月5日(1回目のハツカダイコン90日目 2回目 64日目)の全体像
1回目のハツカダイコンの本葉の大きさを測りました。
測り方のせいなのか本当に縮んでいるのか分かりませんが1部の葉が縮んでいました。
9枚目の本葉(まだ小さい)は、もう少ししたら大きさが測れるようになると思います。
2回目のハツカダイコンについて
他の個体については、本葉小は2.1~2.2cm、大きい方は2.8cmと3.2cm、3.5cmの葉がありました。
③ ルッコラの観察結果
1月3日(栽培開始から14日目)の全体像
緑化が進んでいました。
帰ってきたときに見てみると、クッキングペーパーが乾いていたため、慌てて水をあげました。しかし、枯れているものは少なく、ちゃんとまっすぐになっているものが多くてほっとしました。
最大の個体は5.6~5.7cmで、小さいものは2.5cm、中くらいの大きさのものは4cmでした。
1月6日(栽培開始から17日目)の全体像
さらに緑化が進んでいました。
そろそろ収穫するべきかと思いました。
次回もハツカダイコンの観察結果とルッコラの観察結果について載せようと思います。
今回の文字数1803文字。
コメント
鈴木さんこんにちは
金魚の写真、この金魚は「コメット」でしょうか。彗星のようなすらっとした姿です。
さて、植物の免疫システムについてよく調べました。元の文は長かっただろうと思うのですが、よくここまで要点を抜き出してまとめたと思います。さすがに文系の能力ですね。
動物でも植物でも、防御は物理的防御が始めです。植物ならクチクラや細胞壁、動物ならのどの繊毛や皮膚、胃酸ですね。そして非特異的排除が次に来ます。植物なら抗菌物質、動物ならNK(ナチュラルキラー)細胞でしょうか。その次に病原体を認識して特異的に排除すること、いわゆる狭義の免疫反応が来ます。まあ、文系でも基礎知識として入れていけば、一生のうちで使うこともあるかと思います。
逆に文系的知識で、一生使わないと思っていた知識を使う場面もあるものですね。私もこのあいだ娘と話していてジョン・デューイのプラグマティズムとか、ごんぎつねの「ごん、おまえだったのか」とか、言うことがあり、まあ死蔵する知識も役に立つな、と思いました。
植物の報告は今回も写真を多用して分かり易いものですね。ただ、最終報告に用いる写真を残しておいて下さい。
ハツカダイコンは全体的にゆっくりとですが着実に成長しています。最初のころの徒長はリカバーが進んでいるように見えます。葉の色もいい感じですね。まだ子葉が元気そうなので、条件的にはいいのでしょう。
ルッコラは実にゆっくりとここまで来ました。本当ならこんなに期間が経てば、種子の栄養を使い果たして枯死してもおかしくないのですが、うまくもってこれたと思います。
緑化してきたのですが、見ますと大きさもさることながら緑化に反応しない個体もあるようです。おそらく緑化しない個体はもう枯死に向かうでしょうから、今のうち早めに収穫するのが良いと思います。枯死するとそれこそ菌に対する防御はなくなりますので、この低温でも腐ってしまいます。本当なら8cmほどで収穫するものですが5.7cmでも充分だと思います。
ではまた
ラボスタッフ オガタ