東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

[2]ハツカダイコンの播種と成長(工:吉田朱里)

2019年10月12日 (土)

最低気温がだいぶ下がってきましたね...そして台風...
先週日曜午後に、初めて仙台市天文台へ行ってきました。人が多く、プラネタリウムの列は思っていたよりも長かったです。プラネタリウム自体、最後に行ったのがいつなのかわからないほど昔だったので新鮮でした。タイトルは「星の旅 ー世界編ー」。オーストラリアやウユニ塩湖、ニュージーランドなどなど...とてもきれいで、現地に行ってみたい!と思いながら見ていました。オーロラの映っている映像もありました。人生で一度は実物を見てみたいですね。
展示室には昨年の自然科学総合実験で使ったナトリウムランプやプリズムなどもあり楽しかったです。


ハツカダイコンの種子は赤茎かいわれ大根のものと比べて色が濃い茶色でした。ただ、色のばらつきも多かったです。形もさらに丸に近い楕円や丸みを帯びている三角形っぽい(貝殻の形のような)ものが多く、大きさは直径約3mmほどといったところでしょうか。赤茎かいわれ大根同様、横から見ると線が入っているのがわかります。
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播種をしたのは10月5日夜9:55、室温24.5℃、湿度62%。
14粒ほどぬらしたろ紙入りのシャーレ上に置きました。一応上からもう2ふきほど霧吹きで種子を湿らせました。
過去の記事、ネットでの情報等によりハツカダイコンは嫌光性種子とのことなのでスプラウトの横(机の下)において成長を見守ることにしました。
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翌日6日昼間12:12、室温24.2℃、湿度56%。朝からの用事が終わって家に帰ってきたときに種子が少し大きくなっていることと、種皮に切れ目が入っていることに気づきました。過去の記事を見ていても発芽までおよそ1日近くかかっていることが多かったので一度帰って来て正解です。早速一つサイズを測ると約4mmに!横からもだいぶ丸みを帯びぶっくりとしていました。
次また出かけた後にどのような変化があるのかとても楽しみになりました。
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(わかりやすく並べてみました)
夜7:51、室温23.9℃、湿度58%。14個中12個の個体からわずかに芽が出ているのを確認しました。一つは種皮が完全にはがれており、このとき時点ではパッケージの発芽率85%以上と比べて85.7%と良くも悪くもないスタートです。
翌7日、朝6:51、室温23.1℃、湿度59%。(シャーレの写真を撮りそびれました...すみません)一つサイズを測ると写真のような大きさに!根がまっすぐなら1cmはいってそうです。

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夕方4:15、室温23.3℃、湿度62%。バイト前に帰ってくると、なんと!発芽していなかった種からも芽がでているではありませんか!他の個体も根がだいぶ伸び、毛のような細かいふさふさがついているのも見受けられました。ちょうど色合いとしてはもやしのようです。(ちょうどここを書いている今現在10/8...このタイミングくらいで植え付けをした方が良かったかな...と少し不安に...なかなか忙しくハツカダイコンの方はあまり過去の記事を読むのが間に合っていませんでした。)
夜22:08、さらに驚きなことに発芽のしていなかった残り一個もやや芽が出始めていました。発芽率100%です。すぐにあきらめず、気長に待つのも大事だと感じました。やはり植物にも人間のように個体差がありますね。この数時間でも全体的に根が確実に伸びていました。

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8日、朝7:24、室温23.5℃、湿度70%。
昨夜と比べてだいぶ根も伸び、葉が黄緑がかってきました。これ以上待つと根が絡んできてしまいそうだったので急いで植え替えることにしました。(一限から授業があったのでかなり急ぎで...)案の定一部の根がねじれてくっつきかけていたので傷つけないよう気をつけながらほぐし、少しくぼませた土の上に順番に置いていきました。そこに周りから&取っておいたあまっている土の一部から土を軽くかぶせて水をやりました。だいぶ根が伸びてしまっていたり、葉が開いているのもあったのでそれらは少し葉が出る程度のかぶせ方にしてしまいました。後々、他の方の記事を読んでみたところもっと土をかぶせてしまっても良かったのかなと思いました。昨年の鈴木さんの記事とほぼ同じくらいの遅さになってしまったかもしれませんが、鈴木さんの場合もっと土をしっかりとかぶせているように見受けられました。
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9日、朝10:52(室外)
昨日は土の下にいた個体たちも少しずつ顔を出しはじめていました。そして残りの一つも少し大きくなってきたので土に植え替えました。以下の画像でもうっすらわかるように一部の土、主に外側が乾いてしまっていました...(この日の夜も同じようなところが乾いていました。乾いていたところにもっと重点的に水を与えるべきでした。)
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そして個体によっては子葉の裏側に赤い葉脈が見え始めました。
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(最後の一個体)
ここでふと今年度の他の方の記事を見ていたところ...土作り...してない...
てっきり肥料は作物が生長してきたら空いている土のスペースに置いていくものと感じていましたが...
とあるサイトでしらべるとハツカダイコンの場合、原肥はあると好ましいとのことなので、まあダメではないのでしょう...二回目のときは土作りにも挑戦したいです。
10日、午後3:56。
最後に植えた個体も顔を出していました。ただ、昨日の乾燥のせいか...一部の成長が思わしくない...そして土が浅かったからか茎の赤いところよりも下の位置に白っぽいところが見えているものも...
(そして私の体調も水曜のバイト以降右肩下がり...のどが痛い。この記事を出している今となっては悪化しました...)
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今回はハツカダイコンについて書いていたところまた長くなってしまったのでここら辺で失礼します。
ふあふあミックスは栽培を初めて芽が出始めています。赤茎かいわれ大根は、ものによってはまっすぐだとコットンから10㎝ほどのものもあります。木曜の夕方から日に当て始めましたが、曇り、雨続きで葉はまだ黄緑色です。なお、やはりキッチンペーパーも根が貫通していました...
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早めにまたスプラウト(前回の記事の続きから)、ふあふあミックスについても更新します。

前回のコメントについて...
今のところ室温は上記の記事のように、夜に窓を開けても安定しています。(11日朝から少し下がりぎみですが...)しかしやはり雨の日などは湿度がかなり上がってしまい調節が難しいといった現状です。また、ベランダはなかなか日当たりが悪そうなので、いったん高さのある室外機の上に置いていました。ただ、エアコンを使い始めたらさすがに移動しなくてはなので...何か外に荷物や棚を置くことを検討中です。台風が来ている今は室内で、11日などは日中雨だと思い、徒長を防ぎたくてLEDライトの下に置いておきました。(サマープログラム先でもらったLEDライトがこんなところで役に立つとは...!)
LEDでもしっかりと植物が育つのか調べたところ、セイコーエコロジアさんの記事によれば可能なようです。さらに、「近年の研究では青や赤の光が植物の光合成や葉と実の形成にかかわっていることが解明されています。」と書かれていました。工場などでの水耕栽培ではこれを利用しLEDの色を変えて効率よく育てているようです。家でやるのは難しいでしょうが、光を変えて育てるといったのも興味がでました。
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(写真は12日のもの。11日の再現)
夏休み、たまたま仙台へ帰ってくる道中茨城で蓮の写真を撮ったので比べてみました。確かに日本のは水面付近でやや小ぶりに感じられました!花びらも、葉のギザギザ具合もシンガポールの方が鋭い感じがありますね。どっちも良さがあって好きです。
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(3085文字...さらに長くなってしまった)

コメント

吉田さんこんにちは

 なるほどー、プラネタリウムですか。

 仙台市の天文台はやや遠くにありますが、それなりに整った施設で、シーズンにはたくさんの人が訪れます。たまにプラネタリウムを見るのも楽しいですね! 私はプラネタリウムの最後、時間軸が進み夜が明ける(つまりプラネタリウム終了が告げられる)ところが好きですね。

 ただし、最近のプラネタリウムは技術が進んでいろんな画像を同時に出せるように進化してきました。それがダイナミックな映像で楽しいといえばそうなのですが...... 非常に個人的に言えば昔ながらの方が面白く感じます。昔は延々と星座を指し示すだけで、ひたすらギリシャ神話を朗読している感じだったのですが、それがとても印象深いものですから。

 さて記事の内容です。種子の観察、アップの画像もありきれいでいいですね。写真の比較提示も本当にリーダーフレンドリーで良い提示です! 展開ゼミであまり見ることのない良い手法です。

 根のふさふさしたもの、根毛の観察もしていますね。実は根はこの根毛で養水分を吸収しているので、太い根はパイプのようなものです。後で判明しますが根の先端部にしかこの根毛はなく、必然的にそこに肥料分がなければいけません。一ヵ月ほど経って鉢に施肥をするときに、鉢の縁へ肥料を置いて、決して株元に置かないのはそういうイメージです。

 発芽率は優秀ですね。鉢へ移すタイミングはかなり遅くて、子葉が黄色いという段階で良くないのですが、移し方そのものは良い感じです。土のかぶせ方はこれでちょうどいいと思います。水やりは過去記事を参考にして下さい。あくまで、土表面がわずか乾燥して色が変わってくるタイミングで、一度に大量にやる、これに尽きます。乾いている場所に与えるのではなく、鉢の縁までいっぱいになるくらい水をドドドと注ぐのです。そして鉢底から水が出てくるのをしっかり確認です。

 お渡しした土には肥料分が入っていますので、最初から混ぜる必要はありません。一か月後からお渡しした肥料を与えることになります。その際のやり方は指示します。

 スプラウトは案外早いですね! もう10cmですか。子葉の色は確かに薄いですが、ぼちぼち収穫時期に近付いてきました。赤茎でアントシアン(大まかにいえばポリフェノールの一種)があって栄養はありそうですが、実は私も食べたことは無くて、味が分かりません。是非食レポもお願いします!

 LEDについての言及ですが、通常のLEDライトでは植物栽培は難しいでしょう。人間の目には光は「情報」なのでそんなに強い光は必要なく、ライトも強くありません。植物は光を「エネルギー」として使いますから、植物育成用LEDの強さが必要です。

 しかしながら、「少しでも」植物のために手助けしてやりたいという気持ちは高く評価します! 事実少しは役に立ったと思います。青や赤の光のことは、植物が光のエネルギーを化学エネルギーに転換する第一歩である、光のクロロフィルによる吸収に関わります。青や赤の波長の光をクロロフィルが吸収し、順次エネルギーを「活性中心」なるものに集中させ、化学合成を駆動します。このあたりのことは少し難しいですね!

ではまた、ふあふあミックスなどの記事お待ちします

ラボスタッフ・オガタ