report5.カイワレ大根第3陣出陣(工:内藤晃史)
2019年11月 7日 (木)
こんにちは。内藤です。月日が経つのはとても早く、気が付けば11月になってしまいました。(前回のレポートを書いてから早1週間...なんと早い。)今回の写真は、以前、雲一つない快晴だった時に撮影したきれいな秋の青空です。季節によって空の色が何となく違う気がしてしまうのは気のせいでしょうか。
さて、ここのところしばらくカイワレ大根のことを全く報告していなかったので、今回はカイワレ大根のことがかなり多めです。
~目次~
1.カイワレ大根
2.チンゲン菜
3.サニーレタス
4.ふわふわミックス
1.カイワレ大根
(i)今までの反省
さて、私は第1陣、第2陣とカイワレ大根を育ててきたわけですが、今までの経験、及び調べて分かったことによる反省点や学んだことをまとめます。
1.スプラウトは徒長をさせているのだから、気温が大事であるということ(生育適正温度は15~25度)
3.水が腐敗する恐れがあるということ
4.しかし乾燥させてはいけない
(ii)過去の先輩方のレポートより学んだこと
さて、上記の4点に留意しながら新たにカイワレ大根を育てていくわけなのですが、よりよいカイワレ大根を育てるために先輩たちのレポートを拝見させていただきました。
1.種子の選抜
八巻先輩のレポートによると、いい種子かどうかは、種を水に放り込んでみて、浮くかどうかで種の密度の優劣を見極める、という手法があるようです。中身の詰まった種子は当然発芽率も高いことが考えられます。
2.種子の下に敷くもの
金先輩のレポートによると、「コップの底に敷く素材は、根が入り込める隙間が十分にあることや、水にしっかり浸っている必要があると考えます。」とのこと。というわけで、金さんが行った実験結果を基に、自分も、コットンではなく生ごみを捨てるための網を下に敷いて育てることにしました。
(iii)今後の育て方(まとめ)
①種子の選別
→種110個を水に入れ5時間ほど放置し、沈んだものと浮いていたものの2種類で分別、それぞれのコップで育てる。
②コップにネットを敷く
→金先輩のレポートを参考にしたのはもちろんのこと、コップの中の水を丸々取り換えることができる、という利点からも、「下敷きネット案」を採用。
③種に水が浸る程度までコップに水を入れる
④暗所で保管
(iv)実際の様子
選別検査の結果、種子110個中76個の種が水に沈み(写真左のコップ)、43個の種が水に浮きました(写真右のコップ)。(残り1つは選別作業中に排水溝に沈みました。)この2種類にどんな差が現れるのか、とても楽しみです。下敷きにネットを使用したところ、コットンと比べて安定感がなくなったため、種子を均等に配置することがかなり困難だということがわかりました。
(選別中の写真を撮るのを忘れていました...)
2.チンゲン菜
【10/29(26日目) 気温:16度 湿度:66% 天気:曇り】
本葉3枚目がしっかりと出てきました。すでに出ている子葉・本葉とやはり被らない向きに生えてきています。私はここでふと思ったのですが、植物にとって"方向"という概念はあるのでしょうか?以前、カイワレ大根の根っこの状態からして、少なくともカイワレ大根には鉛直方向という概念があることがわかりました。今回は水平方向に関して、子葉・本葉(2枚目)まですべて違う方向に生えてきていますが、果たして、これから生えてくる本葉の方向はすべて異なるのか、それともある特定の本葉の数から方向が被るのか...これからしっかり観察したいと思います。
【11/1(29日目) 気温:14度 湿度:58% 天気:晴れ】(夜間のため、観察は室内で行った)
本葉4枚目が出始めています。相変わらずの元気さです。
3.サニーレタス
【10/29(26日目) 気温:16度 湿度:66% 天気:曇り】
本葉1枚目の色は、緑色...ではなく、少し赤みがかった感じです。サニーレタスらしいです。
【11/1(29日目) 気温:14度 湿度:58% 天気:晴れ】(夜間のため、観察は室内で行った)
やはり、チンゲン菜と比べるとやや見劣りしてしまいますが、着実に成長していることがわかりました。
4.ふわふわミックス
【10/29(26日目) 気温:16度 湿度:66% 天気:曇り】
さすが、ミックスだけに本当に色んな葉が観察できました。次のレポートにでも植物の葉をきちんとスケッチしてみようかな。
【11/1(29日目) 気温:14度 湿度:58% 天気:晴れ】(夜間のため、観察は室内で行った)
そして、10/29の写真で気になった方もいると思いますが、例の"子葉3枚野郎"の話です。発芽段階における何かのトラブルで子葉が3枚になったのなら、本葉は普通に1枚ずつ生えてくるのでは、と勝手に予想していたのですが。どうもそんなことはないようです。写真の矢印を見ていただくとわかりますが、あきらかに本葉は3枚生えています。となると、考えられるのは(1)単に私が見ていない間にぐんぐん成長した(2)本葉が2枚同時に生えてきた、のどちらかです。ほかの同じ植物の様子を見る限り、(1)の可能性はあまりないと考えられることから、やはり、(2)なのか...?と思われます。子葉が3枚出てきて"しまった"場合、本葉も3枚出てきて"しまう"のでしょうか。ご存じでしたら、ぜひ教えていただきたいです。
最近、更新スピードが落ちてきてしまいました。頑張ります。(2164文字)
コメント
内藤さんこんにちは
冒頭の写真、これ何?と思いましたが快晴なんですね。なんというか前衛絵画かと思いました。
始めはカイワレ再挑戦ですか。反省点がきれいにまとめられています。次に過去記事を参照、これもまた非常に戦略的に確かなことですね。その上で考えて進められています。
私が感心したのは、一つ一つのことが「考えて」進められているところです。これは科学的ですね。科学論文ではどんなに細かい手順さえも「なぜ」と問われて答えられないといけません。これは大事なことです。「通法に従って」という言い方もできますが、それにしたってどこの過去論文の何の通法かを示せなくてはいけません。
そしてカイワレの栽培、種子の選別、下敷きの選定からですね。正直いって平らでないと密度も偏るし水に触れるところも大きい小さいが出るし、なかなか大変だと思います。水没した種子が出ないよう、しかも乾燥する種子が出ないよう、成長を均質化するのは困難そうです。特に水没するといくら気温が低くても腐りますので注意が要ります。
チンゲンサイは順調に育っています。たまには真横の写真も添付して、徒長していないか見せて下さい。それと鉢土が湿っているのと共に、鉢の内縁も湿っています。水やり直後に写真を撮ったのかと思いますが、常にこうなら水やりが頻繁過ぎです。
植物の水平的感覚ですが、これは絶対的な東西南北というより、生存に合理的なことに基づいています。葉の出方は気付かれた通り下の葉への光を邪魔しないよう、方向を変えて出てきます。実はこの方向の変え方も植物種によって異なります。半回転のもの、2/5回転のもの、あるいは回転が無いものなどがあります。環境により戦略が異なるのでしょう。
サニーレタスやチンゲンサイは元からの株数が少ないですので、間引きは当面ないですね。一方、ふあふあミックスはだいぶ混んできました。観葉植物の寄せ植えのようになってきましたね。混ぜられた種類について、何種類かな、程度には把握しましょう。そしてもうわずかで収穫しつつ間引きを行わなくてはいけません。
子葉三枚事件について、実は私も分かりません。普通には何らかの外的障害による「ミス」であり、発育原基の生長点から子葉原基が一つ余計になったと思うのですが。遺伝的な変異かどうかは、この個体の次の世代を取り、播いてみた結果でしか分かりません。
ではまた、引き続き報告お待ちします。
ラボスタッフ・オガタ