東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

第6回:《中間発表》 (医:佐々木円花)

2019年12月 2日 (月)

中間発表の期限を過ぎての投稿となってしまったこと、非常に反省しております。大変申し訳ありませんでした。期限は過ぎてしまいましたので、この記事は通常報告の扱いではありますが、自分の中での区切りをつけるために、これまでのまとめとして、この形式で書くことをお許しください。


(1) このゼミを通して学んだこと、驚いたこと

 今回のゼミでは、他の受講者の方と比べても植物の成長が遅く、簡単なはずのスプラウトすら1度目の栽培に失敗してしまうという状態でした。今回いただいた種から自分で野菜を栽培できるようになったら今後も何か育ててみようかな、などど初回講義を終えた日に呑気に考えていた自分はどこへ行ったやら、元気のない野菜を見て私自身も日に日に元気をなくしてしまう毎日でした。

 しかし先日、ようやく元気に成長したスプラウトを収穫し実食することができ、やっと「栽培」しているという感覚が湧きました。スーパーに並んでいるような野菜はどうやったら栽培することができるのか...。美味しい野菜を作ってくださる農家の方々には感謝してもしきれません。今後は野菜を調理する際、出来るだけ廃棄する部分の少ないレシピにしようと思います...。

スプラウトに関する失敗の原因は用いた綿に、プラスチック成分が多少混入していたことであろうという結論に前回のブログで達しました。プラスチックにより周囲のpHが変化してしまい、植物の成長に悪影響を与えてしまうこともあるようなので、今後は気をつけたいと思います。

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前者が栽培に失敗した1回目のもので、後者が成功した2回目のものです。綿の色が違うことがお分りいただけると思います。(綿の中に混入している茶色いものはワタの植物自体で、加工する際に出るものを取り除かずに製品として用いたそうですので、一見いかにも有害に見えますが、これは原因物質という可能性は非常に低いです。)以前書いた記事に、アレロパシーについてのコメントを頂いたので、それについても調べてみましたが、ワタにはそのような性質はないようでした。アレロパシーについては、恥ずかしながらコメントをいただく以前は全く知らなかったので、今回のことを通して知ることができてよかったと思います。

現在は3回目の栽培中です。今回も元気に育ってくれることを願っています。手馴れてきたら講義が終わっても自宅でのスプラウト栽培を続けようと思います。


(2) 参考にさせていただいた記事

徒長が進み過ぎたため、土寄せをする際に、昨年の先輩方の中で、八巻さんの記事と、阿部さんの記事を参考にさせていただきました。

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 現在、ちょい辛ミックスとイタリアンパセリは一番下にある葉のギリギリまで土を盛り、様子を見ています。ちなみに、土寄せをする前の二つの植物の様子はこの通りです。二つともようやく本葉が出てきてくれました。ちょい辛ミックスの方はこの株を残して枯れてしまいました。非常に残念です。今から新しい株を足しても良いものでしょうか。確認しづらい写真を選んでしまい大変申し訳ないのですが、ちょい辛ミックスの方も本葉が出ているのがお分かり頂けると思います。パセリの方は元気です。成長が遅いのは、ベランダの日射量が異常に少ない(周囲の建物に遮られているため)ことも関係しているのかもしれません。朝の1〜2時間しか植物たちに光が当たらないのです...。改善策をこれからなんとか練っていきたいと思います。


  

(3) 先生方からのアドバイスを頂いて気づいたこと

渡辺先生の記事のなかで、水やりの頻度についてのコメントがありました。

私自身、ついつい水やりを忘れてしまうことが多く、手遅れになったのではないかと毎回ひやひやしながら、おねがいだから大きくなってね、と植物に懇願しつつ水をあげるというのが習いになってしまっていました。そのため、この記事を読んだときは、(目のつきやすいところに置いていたので水やりを忘れなかったスプラウトを除いて)間を空け過ぎだと思っていた自分の水やりの頻度が、記事で書かれている間隔にぴったり合っていたことに驚きました。水やりを忘れていたことを正当化するわけではありませんが、ここだけは失敗しなくてよかったなと安心したのを覚えています。

そういえば、水やりの時に土がいつも思ったよりも黒々としていて、植物も別段弱ったような様子がなかったのを「あれ?」と思っていたのは、今だから言えることです。


   

(4)双方向の講義でよかったと思うこと

 オガタ先生からのコメントの中で、私の植え替えが遅かったため、ちょい辛ミックスの徒長が過ぎるということを指摘していただき、盛り土に関するアドバイスを頂いたので、すぐに土を足しました。また、これは言及するのも恥ずかしいほどで、本当ならなかったことにしてしまいたいのですが、あろうことか私は鉢の下に受け皿を置くのを忘れており、いつもより少し厳しいお叱りを受け、すぐに受け皿を買いに走りました。これらのご指摘をリアルタイムでいただけるからこそ、植物の致命的な危機を回避してこられたのだろうとしみじみと感じます。


(5)今後、この展開ゼミを受講するにあたって

 今まで何度か自分で植物を育てたことはありましたが、それは「みんながその通りにやればできるマニュアル」の中での栽培でした。そのため失敗することもなかったわけですが、今回はというと「マニュアルなしの」栽培に最初から躓いてしまい、植物を育てることの本当の大変さを体験することとなりました。

 加えて、忙しさを言い訳にして投稿を怠ってしまっていたことも事実です。久しぶりにブログを開いてみて、他の受講生の皆さんの投稿数と記事の内容、それに植物の成長段階を見て、非常に焦りました。忙しいのはみんな同じはずなのに、ここまでの差ができてしまったことを深く反省するとともに、これから残された期間、少しでも皆さんに追いつけるように、他の方や先輩方の記事や、先生方のコメントを参考にさせていただき、自分なりに工夫していきたいと思います。早くパセリとちょい辛ミックスを収穫しなくてはと、焦っていますが、それが元でこれ以上の失敗をするのだけは何としても避けたいと思います。

 ゆくゆくは小規模ながらも自分で家庭菜園ができるように、またそれとは別に、昔からずっと大好きで自分で育ててみたいと思っている植物があるので、栽培に関する知識と技能を身につけていきたいと思います。

(2617文字)

(佐々木円花)

コメント

医学部・佐々木さん

 育種の渡辺でございます。提出期限をずいぶん過ぎたので、今後のことをと思っていましたが、遅れたことに区切りをつけて、振り返っているのは評価できます。他にも遅れてuploadした受講生がいます。〆切を守ると言うこと、自分で自分を律すると言うこと。この講義は学部、大学院、社会人でやりたいことの1つの通過点のはずです。こんなところで律することができないようでは、そのあとが大変になること、自覚して、後半戦に臨んで下さい。

 長い文章をコンスタントに毎週書く。もちろん、他の講義もあって、忙しいと思います。ただ、大学ではこれまでの高校までと違い、自分でやりたいことを決めることができる。何をするかを自由に決めることができる分、自分に責任が出てくることを自覚して、これからの観察、記事のuploadにのぞんで下さい。

 忙しさは誰しもです。その忙しさの中で本当にやりたいこと、やるべきこととそうでないことを峻別することです。海外出張でご一緒した偉い先生に「20代で頑張ったことが、30代につながると、30代での頑張りが40台で活かされると。。。。」と言うことを聞いたことがあります。まだ、若いので、そうした実感がないのかも知れないですが、10台での頑張りが20代で活きてきます。今までの頑張りを無にすることがないようにすることです。

 植物は音を出すことはまずありません。でも、その環境が気に入っているのか、そうでないかは、ある種の表現型として表します。それを見て、どう思うのか、どう対応するのか。そんなものを言わない植物に学ぶことが、医学の道でもどこかで行かされると思いますので。

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 わたなべしるす