東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

8. 紫って、、、(農:粥川颯人)

2019年12月13日 (金)

気づいたら三日も締め切り日を過ぎてしまった粥川です。

最近更新頻度もいい感じだったので気が抜けてしまっていました。以後気を引き締めます。反省。

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【粥川からのコメント】

農学部的に言うと、先ずは下の葉ほど大きいのがおかしいのです。

まさかそこに目を付けられるとは...英語のプレゼンだったので「トウモロコシっぽい何か」の植物をざっと書こうとしたのですが、やはり農学部である以上適当な生き物の絵をかいてはいけませんね。しっかりチェックされているということでイラストは今後もますます力を入れていきたいと思います。

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それのみならずヨーロッパとの気温比較が面白いです。

ありがとうございます。数ある地点の中でなぜドーバーを選んだのかというと、調べた天気予報のサイトであるhttps://www.accuweather.com/で最初に見つけた北大西洋海流の通っている場所であったからに他ならないです。地点が多すぎて探すのが困難だったんです。確か。

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さて、本日の記事はこちらです。

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〇キャベ男の観察⑥(播種から71日)


〇キャベ男の観察⑥(播種から71日)

正直変化していた点があまりないです。更新が遅れていたのはこのせいでもあります。

待って、待って、特に何も変化がなかったのでとりあえず記事を更新することにしました。

左が屋内のキャベツ、右が屋外のキャベツです。

mori.jpg

葉の枚数は黄化した葉を除いて屋内が二株とも9枚、屋外が二株とも7枚となっており相変わらず枚数に関しては屋内が優勢となっております。葉の大きさは屋内が5.5cmくらい、屋外が8cm強となっておりこちらも前回と変わらず屋外が優勢です。

室内の温度環境としては夜が15℃、日中が20℃程度といったところでしょうか。やはり(キャベツにとって)暑いですね、室内は。

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さて、代わり映えのしない報告を送っていたわけでありますが。新しい相違点も見つけました。根元に注目すると、、、

mori2.jpg

屋外の根本付近の茎のほうが太い(写真ではわかりにくいですが)!そして赤紫!なのです。茎が太いというのはまあなんかありそうな気がしますが、赤紫って何なんでしょうかね。

調べてみると植物の紫色の色素はアントシアニンです。アントシアニンはpHによって色が変化します。「紫キャベツの汁でpHを測ってみた」という小学生のオーソドックスな自由研究はアントシアニンのおかげで出来ているのです。小学生よ、アントシアニンに感謝せよ。

アントシアニンは酸性になると赤っぽく、塩基性になると青っぽくなります。我が家のキャベツは赤紫ということで屋外のキャベツの土が弱酸性ということだと思われます。

「え、屋内は?」と思われる方もいるかもしれません。実は育て始めるにあたり鉢に土を入れていったわけでありますが、途中で研究室からいただいた土がなくなったので屋外の鉢にだけ祖母からもらった培養土を入れていたのです。

今まで言ったことはあくまで自分の考察ですが、当たっている可能性は高いかなぁと思います。

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前も言ったかもしれませんが、記事を作るうえでいくつか野望があります。ひとつが記事の本数でトップをとる。もうひとつが読んでくれる人に「面白かった」といってもらえるような記事をつくる。

本日の記事はかなり短めでした。長く書けばよいというものでもないので、とにかく〆切は守るように、そして週一では必ず記事を更新できるようにしていきたいですね。次回記事の更新日は12/19です!

(1360字くらい)

コメント

粥川さんこんにちは

 相変わらずイラストが上手ですね! 今回はけっこう立体的に見えます。

 こちらのコメントへの返信ありがとうございます。関係ないですがドーバーといえば岩手県花巻市に宮沢賢治の名付けた「イギリス海岸」という場所があります。そこを見に行って、「......」イギリスの海岸を知らなければ何の感慨も湧きませんでした。

 さて植物の報告ですが、気温が低くなると変化も乏しくなります。やはりこの展開ゼミは栽培も報告も先行逃げ切りが有利ですね。

 キャベツの葉に関して、当研究室のものも表面に白いワックス成分が着いてきました。寒くなると余計そういう成分で守りにかかるのでしょうか。まあ、それよりも今回の報告では根元の赤紫の色についてしっかり報告されています。

 この色素の成分は調べられた通りアントシアニンですね。ちなみにポリフェノールという化合物の中にフラボノイドという一団が含まれ、そこにまたアントシアンが含まれます。そのアントシアンが糖鎖と結びついたのがアントシアニンという発色化合物の一群です。もっとおまけに言うと、このアントシアニンの健康効果は未だしっかりした科学的根拠に基づいていません。

 さて、アントシアニンが酸性とアルカリ性で色調が変化することは、書かれていた通りです。しかしながら話はそう簡単ではありません。

 今回の室内株と室外株の比較で言うとたぶん土壌pHの違いは関係ないと思います。それより寒さで室外株がアントシアニンを合成したと考える方が自然ですね。寒くなると光合成しにくくなり、一方で光線への対抗策としてアントシアニンを作りがちです(しかし決して太陽光が悪者でないことは誤解なきよう)。

 土壌pHと色調の関係も実は単純ではありません。例えば有名なところでは、アジサイは土壌が酸性だと青い花になり、アルカリ性だとピンクの花になります(最近は必ず一定の色調で咲くように改良された品種も多いのですが、在来品種ではそうなります)。なぜ逆? それは土壌が酸性になると、土壌鉱物から銅などの金属類がイオンになって溶け出しやすくなり、それをアジサイが吸ってしまうのです。そして花のアントシアニンがイオンと結びついて発色が赤の方に傾くのです。なかなかそういう理屈を知らないと逆に考えてしまいがちです。

 さて報告は短くとも、ポイントを絞って伝えられると読み手にフレンドリーで、しかも面白いものです。

次回も期待してお待ちします。

ラボスタッフ・オガタ