東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

report10.帰仙(工:内藤晃史)

2020年1月 7日 (火)

あけましておめでとうございます。内藤です。これが今年最初の投稿となります。

さて、私は先日無事帰仙いたしました。実家では久しぶりに会う親戚や友人との再会を満喫したり、部屋でゴロゴロしているだけでご飯や選択された衣服が出てくるという天国を堪能させていただきました。幸せでした。しかし、同時に罪悪感も生まれたので、何度かきちんと手伝いもしました。そういうところが我ながら4月から「人として」成長したな、と感じられた帰省でした。(当たり前なことです)

さて、今回の記事は帰省の間他人に託していた鉢植たちがどうなったかについてです。


~今回の内容~

1.事件と結果

2.チンゲン菜の様子

3.サニーレタスの様子

4.ふわふわミックスの様子

5.後日談&友人より


1.事件

時は2019年12月29日。あるメッセージが友人から届きました。

「ごめん、明日帰ることになりました」

ん?これは大丈夫なのか?と思いつつ、自分が帰仙するまで5日間空いていることを確認。まぁ、5日だったら、出ていくときに肥料少しと水をたっぷりやればぎりぎり間に合うだろうと思い、そうするよう指示しました。(しかし、帰省できてよかったね)

...そう、ここまではよかった。

新年あけて、1月3日。帰りも行きと同じく昼行バスで帰ってきましたが、行きのバスよりもはるかに高級なバスで帰ってきたので体力はかなり残っていました。実家が名残惜しい気持ちで帰ってきた仙台。と、ここで翌日は朝早くから部活があることを思い出し、急いで帰宅し、あろうことか"何もせず"寝てしまったのです!

翌朝、いつものごとくぎりぎりに目覚めてしまったので、シリアルを口にかき込み急いで作業場へ。結局作業もうまくいかず(桁と桁が形状的にピッタリ合うようにやすりでやすっていくという気の遠くなるような作業でした。)無事帰宅したのは、翌日の午前10時。

すなわち、鉢植を丸々1週間水も与えず放置してしまったのです。

家に帰ってベランダの外側に鎮座している彼らを見てハッと気づき、「やってしまった。」とポツリ一言。

そんな鉢植たちはどうなっていたでしょうか?次をご覧ください。


2.チンゲン菜20200107104255-87d9538a98809e4da079c4817a2febd127b33e9c.JPGのサムネイル画像20200107104139-97f5dab83abf8dd93798f28cfbd6452861e2b687.JPG抜群の安定感!!...と言いたいところでしたが、あいにく端の2株の一部はそれなりのダメージを受けているようで、(年末年始の強風の影響かと思われます)少々葉枯れしているところが散見されました。

とはいえ、近日中には間引きしようと思っていたのですが。

3.サニーレタス20200107104520-38a9464337b9f0d09688768739df88b011baeee5.JPG一言でいうと「めっちゃ紫」でした。とはいえ、この子は他2つに比べてはるかにダメージが少ない、というか無傷?でした。葉の数も帰省前より明らかに多くなっていました。よく頑張ってくれました。

4.ふわふわミックス

20200107104610-042e166bd5df1d3439ee9877776ed068fccbd683.JPG20200107104657-22bd8cb33baafaaf2e38d0a1df8a297bba6393dc.JPG20200107104717-1633394fef1252cec3a0031fdbc318c090dc9784.JPG単体1つ1つが小さいこともありダメージを食らいやすかったのでしょうか。やられている株がいくつか見られました。とはいえ、大方生き残っていて一安心でした。20200107104929-06022ab8a0266f1a5da416daa5a4f007b2bda970.jpg

話は変わりますが、例の奇形種なのですが、面白いことに本葉も変な形(ハート形)をしていました。しかし、その葉は今回で残念ながら枯れてしまいました。

5.後日談&友人より


早速友人に植物を育ててみた感想を聞いてみました。すると、「短い期間だったけど、愛着がわいた」とのこと。別に私は植物の親でも何でもないですが、ちょっぴりうれしかったです。

ちなみに、これは先ほど聞いた話なのですが、第三者によると友人は部活の作業場で「大丈夫かなぁ。」とつぶやいていたそうです。たった10日間のお世話だけでも愛着はわくものなのですね。

そういえば、その友人は自ら礼品を受け取らないことを願い出てきました。それでも買ってきてしまったものはどうしようもないので渡したのですが、なにかあったのでしょうか。これも第三者から聞いたのですが、どうやら世話は全くしていなかったようです。。ちなみに渡したものは、今回の記事のトップ画像の横濱ミルフィユです。横浜土産で困ったときにはこれをお勧めします。お手頃で、しかもおいしいので。

最後になりますが、残り約1か月となりました。これからも(本年も)どうぞよろしくお願いします。

コメント

内藤さんこんにちは

 最初の画像は横濱ミルフィーユ、カラフルでいかにも土産ですね。高そうに見えるので友達も遠慮したんでしょう。世話といっても水やりですが、それで気にしてもらえたのも楽しいことです。

 帰省中はのんびりしていいですね。うちの娘も寝てばっかりでした。何も手伝いもせず、箸を持ってくることもしないという...... 昼に寝ててもまた夜に寝る、まあ私も若い時はそうでした。

 さて話は植物にいきます。今年の受講生の報告で多いのは、家を空けるのに肥料をあげるパターンです。なぜなのか、ちょっと私も分からない面があります。肥料を与えれば当然溶出して周囲の浸透圧を高め、植物の根が水を吸うのを妨げます。すなわち乾燥のリスクが予想される時には施肥は厳禁です。今の高校授業ではモル濃度に比例する浸透圧上昇をやってないのでしょうか。昨年度まではほとんどそうした事例がないので妙に思いました。

 ちなみにですが、お渡しした肥料はそれほど高価なものではなく、一般の野菜栽培に用いられるものです。一気に肥料分が溶出しないよう、固く粒状にしてあったり、石膏などの鉱物が副成分(これがいつまでも白い粒として残る)として混ぜられてあります。しかし、コーティングとか、化学的分解・生物的(根や微生物による)を受けて有効になるとか、そういった特殊処理はされていません。つまり水に触れれば素直に溶出します。そのため一時的に水の浸透圧を高めます。

 植物の根はそのとき一気に肥料分を吸い込むのではなく、それを感知してそれ相応の遺伝子発現をして、取り込む準備をします。そして土壌にいったん吸着されている肥料分を取り込みます。つまり肥料はそれほど急に切れたりを心配することはありません。

 写真を見ると、チンゲンサイはまあ順当なところです。黄色くなる葉が出てくるのは一定仕方がないことです。サニーレタスは置き場が寒いのか、アントシアンの発現が強いですね。春になれば一気に大きくなると思いますが(もちろん展開ゼミ終了時に収穫してしまってもよい)、どうでしょう。ふあふあミックスも紫高菜もずいぶん赤くなりました。

 新年から部活で忙しそうです。やすりで削って合わせるとは? 機械を使わない手作業で職人芸的にやるものなんですね。いや、地味で面白いことだと思います。ある意味ガンプラ的な楽しさがあるのでしょうか。

 いやしかし、それで午前10時とは...... なかなか若いようです......

さて、またよろしく記事投稿のほどお願いします。

ラボスタッフ・オガタ