東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

【3】カイワレダイコンとベビーリーフと。(工:佐々木ひなた)

2020年10月26日 (月)

 

 こんにちは!工学部材料の佐々木ひなたです。

 先週のwebミーティングは、授業の関係で最初少しだけしか参加できませんでしたが、受講生の方々の顔を見て、この授業を取っているのは自分だけじゃないのだと実感することができ安心しました。栽培に関しても他の人の悩みを聞くことで、私自身も勉強になりました。皆様、ありがとうございました。


 さて、今回の写真は実家の猫です!

 猫を飼っている方が多い印象だったので、私も流れに乗りたくなりました(笑)

 今からちょうど1か月前になるのですが、夜に比較的大きな通りの歩道で信号待ちをしていたら、ミャアミャア言って、私の足にすり寄ってきたのがコイツです。しばらく離れることなく、周りを注意深く見ても親猫の姿はなく、交通量の多い通りが近くにあって、しかもその日の翌日は台風のせいで雨の予報が出ていたので、家に連れて帰りました。獣医さんによると、生後1か月半だったようです。その日以来、手足に大量のひっかき傷を作る羽目になっていますが、私には懐いてくれ、体も大きくなって日に日に成長を感じます。そして何よりかわいい。しかしながら、この子のワクチン代やキャットタワー的なものを買ってあげるためにも、バイトを頑張らないといけません!!!!頑張ろう!!!!


 本日はカイワレダイコンとベビーリーフの二本立てです。

【悲報】さらばカイワレダイコン

 まず、カイワレダイコンについて悲しいお話があります。前回の記事で紹介しましたが、カイワレダイコンは無事に生長を遂げ、あとは緑化させるだけというところまで来ていました。

 光にあてるために巻いていたアルミホイルを外してみて、何となく茎が茶色くなっているかな?というところが一部見られたのですが、この時点では腐っているかどうかはっきり分からなかったうえに、仮に腐っていたとしてもごく一部だけなので残りの大部分は収穫できるだろうと思い、そのまま様子を見ることにしました。

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 そして緑化2日目、朝起きると部屋で異臭がしました。大根おろしを3日ぐらい冷蔵庫に入れておいたようなにおいです。カイワレダイコンを見てみると、これは、明らかに腐っている...!異臭の発生源はこちらでした。見てみると、株の外側にあるほとんどの茎が茶色くなり溶けています。

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 一度カップから株ごと取り出してみると、茶色くなった部分でぬめりが出ていました。見た感じでは、株の外側部分が腐っているようだったので、ハサミでそこだけ取り除こうと試みましたが、中心部分の茎も腐っていたので、これ以上の栽培は断念しました。

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 どうして腐ってしまったのか、これらは考えてみる必要がありそうです。以下に考えてみたことを記します。

◎なぜカイワレダイコンは腐ってしまったのか?

 アルミホイルでの遮光を解いたころには、少し茶色くなっている部分が見られたので、その前には腐敗が始まっていました。よって、光に当てたことは関係がなさそうです。

 

 アルミホイルでの遮光を解いたとき、カップの内壁に水滴が付いていたので水の量が多かった可能性があります。そのうえ、遮光しようとするあまり、アルミホイルをきつく巻きすぎていたので通気性が皆無だったことも一つの要因ではないかと考えます。また、オガタさんがよくコメントに書かれている通り、種子は発芽の際にたくさんの有機物を生成します。それに加えてカップの底にティッシュを敷くときに、表面を平らにしようとして何度もティッシュを触ってしまったり、種子を置くときに、重ならないよう均等に並べようとして何度も種子を触ったりしてしまいました。種子の密度もやや高めでした。よって、その時に使ったピンセットや割り箸、自分の手についていた菌か何かがカップの中に入ってしまい、それから適度もしくはやや過剰な湿気や温度、種子が出した有機物などが相まって腐りやすい環境が出来上がってしまったのだと思います。

 気温が下がってきたので腐敗は進みにくくなっていると思いますが、今回の失敗を繰り返さないように上での反省を生かし、先週のwebミーティングで渡辺先生にご指導いただいた通りにまずはカップを熱湯で消毒してから再チャレンジしたいと思います。

ベビーリーフ間引き

種蒔きから9日目
10月22日14:15 天気:晴 気温23℃ 湿度59% 風強め

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 ほかの野菜に比べて伸びがいいなあ、とは思っていましたが、そんなのんきにしている場合ではありませんでした。間引きをしなければ!このままいくとやたらと生長がはやい赤房にほかの葉物野菜たちが潰されそうです。

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 間引いてみました。よく見てみると、他の葉の陰になってしまっていたものが少しヒョロヒョロになってしまっているように見えます。また、土が浅かったようで風にあおられて鉢の外側に体が倒されていました。土を追加して、水をあげました。

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 こちらは間引いた野菜たちです。しっかり根が張っていたようで、引っこ抜いたときに根が途中でプチっと切れてしまいました。土が残った根の周りにまとわりついていて、細かな根で土の砂粒をキャッチしていたことがうかがえます。


種蒔きから11日目

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 間引きをしたおかげで低い位置にある葉にも日が当たるようになりました。こちらは水やりをした後の様子です。水が鉢から滴らなくなったら受け皿に戻します。

野菜栽培【番外編】

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 遅くなってしまいましたが、今回のメイン野菜であるCR雪あかり(コカブ)と広瀬ちぢみ菜の種子が大量に余っていたので、百均で買ってきたプランターに自宅にあった土を入れてそれぞれ7つずつ植えました。土はホームセンターの家庭菜園の草花・野菜用のもので、はじめの肥料は入っているそうです。メインで育てているものはシャーレで発芽させてから鉢に植えましたが、気温が下がってきておりそのようなことをしている余裕はなさそうなので、直接土に蒔きました。割り箸で深さ1㎝ほどのへこみを作り、そこに種子を一つずつ置いて軽く土を被せました。どこに何の種子を蒔いたか分からなくなりそうだったので、つまようじに色付きのテープを巻き、それを種子を埋めたそばに立てました。

 

 うまくいくかは分かりませんが、サブ的な感じでこちらも育てていこうと思います。

終わりに

 こちらのブログ、「もう3回目か」という気持ちと、「まだ3回目か」という気持ちとがあります。コロナ禍など全くなくて、毎日登校して、部活やサークルをやって、バイトをしてという普通の大学生活を送っていたら、ブログは早くも挫折していそうですが、新しい生活様式(?)とやらでは何とか出来てこれているので良しということにしたいです(何の話)。

 では、今回もありがとうございました。またよろしくお願いします。


コメント

佐々木さんこんにちは

 ネコ写真ですが、カーテンにいる?? この後はいったい......

 そのネコは自分から寄ってきた、ということは近くに親はいない、しかも人が傍にいる環境にいたのかもしれませんね。つまりは捨て猫だったということに。おお、マンガでよくあるストーリーですが本当にあるとは。

 関係ないですがネコの出てくる小説の一番は「陽だまりの彼女」ですね。映画は正直全然面白くないのですが、小説は面白いものです。素晴らしくハートフルでハッピーエンドです。他に、絵本では「百万回生きたネコ」という名作中の名作があります。だいたい常に本屋にあるほどのベストセラーで、内容は子供向けとは思えないほどの深みがあり、繰り返し見るのに耐えるものです。

 さてネコを育てるのも大変です。ネコによって個性は様々で、クセがあります。そちらのネコは割と活発な方に思います。そしてワクチン、キャットタワー、しかしそれは家で出すのでは? 大学生活はバイトなどしているには勿体ない時間です。ただゴロゴロしているだけで意味があります。ちなみに私のところでは大学生の娘にバイトはさせないように取り計らっています。どのみち働く苦労は卒業したらするものですし、そもそもバイトの経験は職業訓練には全く役に立ちません。バイトはバイトにしか過ぎず、何も深いことはさせられていません。私は学生時代、家庭教師(大阪の高級住宅地で時給四千円、さすがに意識高いご家庭の子供はまだ中学生なのに『志望は神戸大学経済学部』とのたまう!)と、農林水産省水産研究所でバイトしたことがあります。それぞれ思い出深いのですが、人間的に成長したということはないですね。

 どうでもいいことですが、ネコを育てるのに一番大変なのは「毛の始末」ですね。数日で家の中がわたあめ状態です。ネコによるそうですが...... ちなみにネコアレルギーは毛でなるのではなく、増えたダニか、あるいはネコの皮脂とか唾液のアレルギー成分によるものらしいです。うちのネコは夜に暴れることもなく、常に私の手元で寝てばかり(別に年寄りというわけではなく4歳なのでネコ年齢換算で30才)、キャットタワーもケージも使いません。家じゅうがネコのテリトリーになっているせいもありますが。常にくっついてくるのは困りものですかね。

 さて本題ですが、カイワレダイコンは残念でした。最後の最後に腐ってしまったとは、とても残念です。それについての考察や改善に向けてのコメントは満点ですね。今度やる時には、コップをよく洗った上で熱湯消毒し(高温が一瞬だけにならないようによく掛けて下さい)、手を洗った上で清潔な下敷きを使って下さい。そして蒸れて湿度が高くならないようにアルミホイルに隙間を設定して下さい。水の量自体は、一回目の生育が良いということからも適切だったと思います。それと種子もよく洗ってから使った方がいいですね。

 こちらとしては別に考えることがあります。今まであまり腐るという報告はありませんでした。どちらかというと、低温のため生育期間が2週間以上になってしまい、水がカビるという報告が時々あるくらいです。カビは低温でも生えるものがありますので。考察すると今年は温度が高いためかもしれません。細菌は高温で急に増えますから。

 ちなみに生きた植物組織で細菌が繁殖することは少なく、特定の軟腐病などの菌に限られます。植物の病気はだいたいがカビによるもので、この点が動物とは決定的に違います。それがどういうことなのか、動物と植物の防御機構の違いによるものなのか未だ不明であり、興味深いものがあります。植物は免疫細胞を持ちませんが案外と防御機構は発達していて、化学物質の合成とか、あるいは細胞間、そして何と個体間で情報を伝える機構があります。最近の論文では虫にかじられた情報を、急遽揮発成分の合成によって近隣の植物個体に教える、そういう報告が多くあります。

 ベビーリーフたちは元気そうですね。世話も良く、また置いた環境も陽当たりが良いのでしょうか。今回行った間引きも上手であり、適切な密度にできたようです。きちんと小さい個体を間引いていますね。根は案外張っているので、今後間引きで土が持ち上げられるようでしたら地際で切ってもいいでしょう。それと写真にはメジャーがあった方がいいですね。

 鉢土を適宜足すのは良いことです。水やりのためのスペースを確保しながら、植物があまりふらふらしないようにしましょう。

 番外編は立派です。さあ、せっかくコストをかけたので成長すればいいですね。今年がこのまま暖冬で推移すれば、栽培可能だと思います。

 まだ三回目、そうですね。これも訓練、私は繰り返し言いますが、今の世の中は「情報を発信し続ける」ことが全てのような風潮があります。「ウェブ上に無いものは存在しないと同じ」です。会社で地味に研究者を続けるならばともかく、情報を書いて発信する訓練は必ず役に立ちます。頑張りましょう。

 では、四回目も期待してお待ちします。

 ラボスタッフ・オガタ

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