東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

土の補充と最近の悩み(7)(工:北川桜子)

2020年11月26日 (木)

こんにちは。中間発表を終え、ほっとするのも束の間、中間報告で自分で週1投稿を掲げてしまったために自分の首を絞めている北川桜子です。前回の投稿の中にあったお造りの写真に対する渡辺先生からのコメントを、バイト先の親方(あのお造りはバイト先に親を連れてお客さんとして行ったときのもの)に伝えたところ、ニコニコしながら「俺はそういうことが分かる人に気づいてもらえればそれでいいんだ」、とすごく喜んでいたことを報告しておきます。

今回の写真は、仙台二高の近くの橋を渡った時に撮った写真です。東京よりも空が広いところが、私の仙台で好きなところの一つです。このまま全然関係ない話を続けたいのですが、単位に響きそうなので(笑)この脈絡のない話はこの辺にしておきます。

そういえば前回、以下の写真...と書きながら写真を貼っていなかったので(先生のコメントで気がつきました、ありがとうございます)、更新しておきました。よろしくお願いします。

今回は、土を増やしたことについて書こうと思います。

1.徒長とは

渡辺先生の記事やオガタさんのコメントで「徒長が~」というのをたくさん見ていたのですが、実は徒長がどういう意味でどんな状態を指しているのかあまりわかっていなかったので、この機会に調べてみました。

【徒長】茎が細く葉の間隔が長く間伸びした状態

【原因】水やり過多、窒素過多の肥料、風通しの悪さ、日当たり不足、密生など

2.状況

これをもとに考えると、今育てている野菜【カブ、ホウレンソウ、白菜】の内、ホウレンソウとカブ、特にホウレンソウが徒長しているような気がしていました。

→オガタさんのコメントを読み直していたら、5つ目の投稿に「それほど大きく徒長しているわけではないのですが、やや子葉の下の胚軸部が伸びてしまっている」というものが!

徒長していると思っていたけれど、そうではなかったようです。続けて、「土を足して安定するように取り計らって下さい。他の植物も強風で安定しないのでは成長が妨げられます。やはり土を増してあげた方がいいですね。

そろそろ間引きして3つ程度にしていいですね」了解しました!!土足します!!!間引きます!!!ということで、不安定さに定評のあるカブとホウレンソウには安定するように土を足し、白菜にも少し土を足しつつ、間引きを行いました。

before

カブ

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ホウレンソウ

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白菜

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after

カブ

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ホウレンソウ

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白菜

間引いた直後の写真を撮らなかったので、beforeよりも大きくなっていますが、間引いて、芽を3つにしました。

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3種類とも、かなり安定したように思えます。土の補充、間引きを行ったのが、11月17日。今日(11月26日)は肥料を足しました。このことに関しては次の投稿で書こうと思います。

ちなみに、間引いたものがこちら。

20201117_082844.jpg

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おそらく根っこを切らずに抜くことが出来ました。土を払ってみましたが、なかなかとることが出来ませんでした。大きさは根っこ含めて8㎝程度。大きい葉も生えてきているのが分かります。根は最初のころからかなり複雑になってきていて、ひょろっと1本から成っていたのが、沢山生えています。

3.最近の悩み

①虫

最近、観察をしていると、下の写真の中にいる、小さな虫をよく見るようになりました。特に白菜にすごく虫がついています。多いときは、葉の裏や、茎など合わせて10匹弱います。カブにはほぼおらず、ホウレンソウに若干(4,5匹)、という感じです。

20201126_153038.jpg

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すぐ飛んでいくので若干急いで撮ったせいでぶれています。すみません。害虫、というよりもコバエっぱいのですが、コバエの時期は過ぎたので、何だろうなぁ、と。調べてみたのですが、同じような種類が見つけられず。私の食べ物なのに、虫に取られることが腹立ちます。どうしたものかというのが、最近の悩みです。

②水やりのタイミング

もう一つ。この授業が始まってすぐの時のオンラインミーティングで、土がからからになってから水は上げてください、というお話がありました。それがすごく印象に残っていて、最初の方は4~5日間隔で水をあげていたのですが、だんだん成長してきて、土の表面が乾くのが早くなってきたんです。だから、水やりの間隔を短くしなくてはならないと思うのですが、実際どれくらいの頻度であげればいいのか、がよくわからずこの点でも悩んでいます。

植物の生命力はすごいもので、昔記事にまとめたタマネギですが、もう1か月ほど水をあげていないのにまだ枯れていないことから、どのくらいの間隔がベストなのかよくわかりません。年末年始、実家に3週間ほど戻るので、その間どうしようかも最近の悩みです。

もろもろ教えて頂ければ幸いです、よろしくお願いします。

4.終わり

文字で表すの難しくて、びっくりしています。今日、いつもよりも説明を多くしようと意気込んで書き始めたのですが、書くこと(説明すること)が思い浮かびません。写真がすべてを表しているから、言葉で何をどう説明すればいいのか、よくわかりません。しいて言うなら、間引いた白菜の説明を頑張ったくらいでしょうか。日本語はへたくそだし、説明の量も少ない...他の子たちの表現力に驚きました。引き続き頑張ります。

剣道の稽古に行ってきます。

コメント

北川さんこんにちは

 今回の報告も非常に情報量が多いですね。

 「観察日記」のスタイルなので必然的にそうなるのであって、本来テーマごとに投稿すれば格段に分かりやすくなります。

 今回の内容なら、例えば私であれば「害虫」に絞り、その頻度、形態、果たして実害が見えるのか、ということで一報にすると思います。徒長なら徒長で野菜の種類に応じての徒長の様子、弱い光でも対応できるのはどれか、という切り口で一報にしますね。そういう考え方は理系脳だからではありますが、一般読者もその方が読みやすいと思います。なぜならストーリーというものが組み立てられるからです。

 さて、最初の内容は徒長でしょうか。定義と原因はよく調べました。先ずは定義なんですが、正直言葉にするのは難しいことです。なぜかというと、植物を知っている人は「徒長」というともう直ぐにイメージが伝わるものなのですが、要素に分解するのは難しいのです。徒長に限らず、人間というのはイメージで共有するものです。例えば「真面目な奴」というイメージは広く共有されますが、数値化した客観的な指標にするのは厄介でしょう。まあ、それでも数値化して客観化するのが理系というものなのですが。

 原因については列挙された通りです。もちろん、どれもがそうであり、農家では窒素量を特に気にしますね。ただし家庭園芸では日光不足が99%を占めます。ここで一つ老婆心までに言いますが、ネット情報というのはとにかく「列挙」です。信用してはなりません。例えば「咳をした」からその原因を探すとなると、単なる誤嚥から風邪、肺がん、もう心不全まで出てくるはずです。それが役に立つでしょうか。

 さてこの場合の3つの植物は、徒長していないわけではありません。やはり光量不足が見て取れます。ただし、この3つの植物は元々胚軸部が長く、そしてちょっとした光量不足でも簡単に長くなる種類です。だからそれほど酷くはないですよ、ということです。ともあれきちんとその害を考えて対処したことは褒められます。いい感じに、足し過ぎない程度に土を足されました。たぶん、二回目の対処は要らない程度になるかな、と思います。二回目の対処をするならば、単純に土を足せるスペースがもう無いですので、株ごと下へ引き下げるという工程をしなければならず難易度が高いものでした。

 間引きも適度ですね。一つ気になったのは虫の写真でよく分かるのですが今頃子葉を出してきているものがありませんか? いくつか見えるようです。これは単に発芽が遅かったのか、それとも別の種類のものが混入したのか分かりません。家庭園芸であれば害がなければ様子見でいいのですが、実験となるとそういった夾雑物を排除するのが原則ですので除去した方がいいと思います。

 間引き株の観察で根が完全に取れているわけではなさそうですが、その伸びが分かりましたでしょうか。そして観察にある根の成長は双子葉植物に普遍的な「主根・側根の成長」です。これは実は小学校で習うものです。単子葉植物は「株元からのひげ根の成長」になります。

 ちなみにですが、「子葉と本葉の区別」「本葉の増え方」というのは小学校3年生で習う単元です。

 写真の撮り方は、角度と定規に気を付けて下さい。まあそういうことはさておき今回は水やりの後の写真が多くていいですね。水やりは原則「鉢土表面がうっすら乾いてきたら充分にやること」です。決して「鉢土全部が乾いたら」ではありません! もうぼちぼち、鉢土表面の「なんとなく湿り過ぎだな」「若干水が足らないぞ」というのが分かってきたかと思います。目安としては4日に一回ということになるのでしょうが、あくまで目安にしかなりません。なぜなら温度によって蒸発は変わりますし(思った以上に変わる。気温5℃と15℃では何倍も違うと思っていい)、植物の成長によって水を吸い上げる量も変わります。もちろん置き場の風などの状態によっても変わります。頻度が高い分には、鉢土が常にじめじめ湿っている過湿でなければ毎日水をやっても構わないものです(真夏のアサガオはそう。ただしこの展開ゼミで毎日はとても考えられない)。

 帰省時にはこちらも「植物の状態」「家を空ける日数」によって作戦を考えます。12月半ばにそれを相談しましょう。しかし3週間というのは今までで最長の期間であり、かなりの工夫が要るでしょう。

 虫について、こちらでも何の虫か特定できません。ハクサイは蛾の系統であるヨトウムシやコナジラミが害虫として付いてしまうことがありますが、今回はそのようなものではありません。敢えて言えば水を摂取するのにたまたま来たようにも見えますが...... しかし油断せず、葉に何か食害の跡が出ないか見ておいて下さい。その変化によって考えましょう。

 最後に文章の難しさなんですが、確かにそう思います。このコメントの文章なんかはずらずら書いているだけで一回も校正していません。自分で見返してもかなり読み難くなってしまっています。

 さて一つ言えることはあくまで「写真が従」で「文章が主」なのです。この点、流行りのインスタグラムとは決定的に違います。あれは単なる「驚き」や「共感」を求めるものです(まあ、どちらの技術・手法も身に付けた方がこれから有用でしょうけれど)。文章が主ということはすなわち書き手が主ということです。何を言いたいかというと、書き手「すなわち自分」が何を考えたのかを発表するのが本来であり、それが無ければ報告そのものに中身が無いということです。それが文章であり、必ず必要です。私が観察日記を極度に嫌うのはそういう理由もあります。写真は文章表現をショートカットできる一つのツールにしか過ぎません。写真だけだと読み手が考えなさいということになります。

 さあ、舞踊と剣道の共通項がよく分からないのですが、どちらも続けているのはとっても立派です。

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最近はこんな卵が売ってるんですね! わざわざ見分けて選んでいるのか......