東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

後半戦に向けての中間発表(工:木村陽来)

2020年11月26日 (木)

こんばんは、木村陽来です。上は12月20日のミニハクサイの写真です。栽培日数としては、もうじき50日が経過しようとしています。毎週、記事に追われていただけのような気がしていましたが、もうここまで成長しました。残りの後半戦も真摯に向き合っていきたいと思います。では、中間報告の本編に移りましょう。

目次
〈1〉栽培に対する驚き、気持ちの変化
(2)参考になった記事
〈3〉参考になったコメント
〈4〉双方向の講義でよかったこと
〈5〉今後どのようなことを意識するか

〈1〉栽培に対する驚き、気持ちの変化

〈1-1〉栽培に対する驚き

私が一番に驚いたことはまず、植物の生長の早さです。2020/11/20の記事にしたのですが、1週間でミニハクサイの葉が3~4cm成長していました。カイワレも播種から1週間で上に平均で7cmも伸びていました。
また、植物のしぶとさにも驚きました。私は、2020/10/7の記事でミニハクサイ、ミックスともに根が伸び、根毛も多く出てしまった状態でやっと鉢に移し替えました。その際、オガタさんからも植物がエネルギーを消耗してしまう、と指摘されました。それからは植物の生長に悲観的になっていたのですが、今はどちらも元気に育ってくれています。このような体験から植物は多少条件が悪くてもきちんと育つのだな、と学びました。鉢植えのタイミングを間違えないに越したことはないのですが、単純に植物についての知識の1つとして要らない体験ではなかったと思っています。

〈1-2〉栽培についての苦労

2020/11/6の私の記事で、ざるカイワレを腐らせてしまったことを報告しました。オガタさんによると、種子が水没したことが原因の一つでした。自分は一回目に、カイワレ大根のたねをまく際に、種の個数が少なく密集していないことを指摘され、その反動で2020/11/6の記事では、たくさん種をまいたものの裏目に出てしまったようです。このような体験をして、自分はスーパーで立派に売られているカイワレ大根を見た時に、どんなことにも技術や経験は必要なのだな、と感じました。今までカイワレ大根に注意を向けたことはほとんどありませんが、カイワレ大根も勉強やスポーツやその他の趣味などで必要とされるプロセスを踏んで市場に出荷されている、と考えられたことが学びになったと考えています。

〈2〉参考になった記事

〈2-1〉農:佐々木さんの記事

佐々木さんの記事はレイアウトがきれいという点で参考にさせてもらいました。例えば、2020/11/3の記事では、写真の枚数が絞られていて、なおかつコンパクトに記事が収められているので読みやすくなっています。また、写真のアングルも参考になりました。例えば、同じく2020/11/3の佐々木さんの記事ではミニハクサイの上側からと横側からの2枚の写真を撮っています。確かに、植物の成長において全体のボリューム感と茎の長さを伝えるだけならこの2枚で適切なのではないかと思いました。このように、佐々木さんの記事からは、レイアウトや必要十分な写真の撮り方を参考にさせてもらいました。
また、この記事では、カイワレ大根を用いて、水を替える頻度を変えることで、カイワレの成長速度を比べるという実験もしていました。この実験で注目すべきは水をあげる頻度以外の条件がそろえられており、ちゃんとした対照実験となっていたことです。この実験を見て、展開ゼミでは、科学的な視点も必要なのだと改めて認識させてくれました。

〈2-2〉農:開田さんのざるカイワレの記事

次に参考になったのは、農学部の開田さんのざるでカイワレ大根を育てた、ということを報告した2016/11/14の記事です。私はこの記事のストーリー性を参考にしました。道具の準備からカイワレ大根の収穫まで、1つの記事に収められているので、今までの開田さんの記事を読んでいない閲覧者でも1つの記事だけで話の流れを把握することができます。また、経過日数、温度なども写真を添えて事細かに書いてあるので、ざるカイワレの情報を得たい受講生の立場としては、必要な情報を十分に得ることができます。文章構成においては、この記事を1番の目標としていて、この記事を読むことでどのようにすれば記事の中にコンパクトにストーリー性を持たせるか、ということをこの記事から学びました。

〈2-3〉渡辺先生の記事

渡辺先生の過去の記事からは、施肥や間引きなど、植物を育てることについての基本的な知識を得ることができました。例えば、2019/10/20の記事では、水のやりすぎについての注意や土の量を維持するということを学びました。また、2019/12/9の記事では、施肥の量や鉢のどこに肥料を置けばよいかを学びました。実際にこの記事が参考になった例として、自分は窒素肥料を多くすると味が濃くなるという記事内の文を見て、ベビーリーフには肥料をあげないという選択をしました。実験をするということも、もちろん重要ですが、植物を順調に育てるということがまず大前提なので、基本的な情報を得られる渡辺先生の記事は何度も確認したことを覚えています。情報が正確で、受講生の記事を見てのアドバイスなども書いてくださっているのでインターネット上の記事より参考になりました。

〈3〉参考になったコメント

〈3-1〉農:川口さんについてのコメント

2020/11/8の川口さんの記事に対してのコメントでは、寄せ土をするときに、小さく盛っても水やりの時に流れるので土の量を増やすことが重要だということを教えてもらいました。また、肥料の仕組みについてのコメントも参考になりました。川口さんの記事内の、自分たちがもらったのが土をかぶせなくてもよいタイプの肥料だということや、土に石膏が残るので次にまくときは違う場所に肥料を置くことなどの知識は、自分が疑問にも思っていなかったことです。他の人のコメントを読むことで、このような自分の手の届かないような知識を得ることが出来ました。

〈3-2〉工:木村についてのコメント

一番、参考になったのは結局自分の記事へのコメントかもしれません。第5回までの私の記事は、日付や経過日数を入れること、読み手にわかりやすく記事を書くこと、自分が植物に対して行ったことのデータを取り、きちんと示すことなどの基本的な部分を繰り返し注意されていました。これらの基本的な部分を意識して記事を書いてみると、今までのものより見やすく内容の濃い記事を書くことができました。このように、コメントで自分の記事のどの部分が悪いかを指摘してくれることで、記事を効率よく改善することができたと思います。

〈4〉双方向の講義でよかったこと

内容的に(3)と少し重なってしまう部分があります。
一つ目に、(3)で挙げたように、自分が行ったことに対してしっかり反応が返ってくるので、よりよい行動がどれかがわかることが双方向性であってよかった部分だと思います。第5回までの自分の記事は基本的な部分を指摘されていたので、自分は基本的な部分ができていないのだと実感しました。
また、双方向であってよかったと思う二つ目の点は、モチベーションの向上になるということです。点数が良くとも悪くともテストの点数が気になってしまうのと同じように、自分が書いた記事がどのような評価を受けているかが気になって、ついつい記事のコメントを読み込んでしまうことが多かったです。この効果により、渡辺研究室の展開ゼミのホームページを訪れることが多くなり、ついでに他の受講生の記事のコメントも見て様々な知識を吸収することができました。
最後に挙げたいのが、双方向であることで休むことができないという点です。記事に対して必ずコメントが返ってくるため、見られているという意識が生まれ、記事の投稿を休むことができませんでした。そのおかげか、現時点ではほとんど週1投稿を継続できています。これからも、人に見られていれば継続という効果を用いて、記事を書き続けたいと思います。

〈5〉今後どのようなことを意識するか

〈5-1〉注意点

今後、注意していきたいことは、大前提として植物を枯らさないことです。一度カイワレ大根を腐らせてしまった身なので、ミニハクサイとミックス野菜に関してはより一層気を払って育てていきたいと思います。また、雨、鳥、虫などの外的要因にも気をつけていきたいです。自分はまだ、鳥害や虫害などにあっていませんが過去の記事によると虫害にあっている受講生の方もいるようで、その際はシンプルに捕殺するのが良いそうです。鳥害についても調査を進めて、被害にあわないようにしていきます。

〈5-2〉目標

数値を用いてグラフにまとめることを目標として掲げます。自分は最近、数字のデータをとることに慣れてきたので後半戦はこれらのデータを用いてグラフを作成したいです。その際、どのようなデータをとるかの根拠を明確にすることも意識します。私が書いた2020/11/20の記事にオガタさんから、何に着目して計測するかは理系実験のキモになる部分だとのコメントを頂きました。よって、データをとるだけでなく目的も明確にしていきたいです。

もう一つの目標は、今年度または来年度以降の受講生の参考になるような記事を書く、というものです。自分自身、他の受講生の記事を参考にすることで記事のクオリティが少しずつ上がってきたので、自分も他の人に参考になるような客観的事実や発見をわかりやすいレイアウトで投稿できるように努めていきます。

〈5-3〉何を学びたいか

まず、最も学びたいことは継続する姿勢です。そもそもこの講義を履修したのは、継続して物事を行うことができない自分を律したいという目的からでした。継続するというのは、技術の上達の条件として欠かせないものなので、この講義で継続する姿勢を身につけて他の分野にも応用したいと考えています。この中間報告を投稿する段階では、自分は、第2回を除いて毎週金曜日に投稿することができています。このことを誇りに思い、後半戦もペースを守り続けたいです。

次に、学びたいのが、科学的に物事を観察する姿勢です。この講義では、オガタさんや渡辺先生から何度も言われている通り、グラフ化や環境の条件を記録するなどして、科学的に植物を観察することが求められています。しかし、数値化や環境の情報の記録などは、最近できるようになってきたものの、上記の継続する姿勢に比べると未熟だと感じています。実際、2020/11/20の私の記事に対するコメントでオガタさんに初期に数値をとっておかなかったことを指摘されています。よって、後半戦では意識して科学的な観察をおこなっていきたいです。

以上が中間報告となります。これからも宜しくお願いします。【4269文字】

コメント

工学部・木村さん

 育種の渡辺です。目標にも書かれていますが、1週間で3-4cm伸びていると言うよりも、それを計測してグラフ化すると、読み手にはとても説得力があります。工学の世界でも、観察する、計測する、グラフ化することは基本かと思います。是非、この講義を通じて、その感性を養成して下さい。植物は動くことができないので、その分環境に適応する能力は高いと思います。なので、農家であれば、植え替えをしないというところで植え替えても、生長するのだと思います。もちろん、農家の智慧としては、それぞれの条件でベストなものを持っているのだと思いますが。

 身の回りの全ての事象がまなびの場所だということです。学校だけがまなびの場所でなくて、スーパーの野菜の棚のカイワレダイコンには、目が行くようになってよかったです。それ以外のところにも、注目するようになると、今までこんなことに気がつかなかったのだということに気がつき、それがひいては観察眼が身につくのだと思います。今年の受講生の皆さんは、先達の記事をたくさん読んでいるのでしょうか。徒長が少なかったのが、とても印象的でした。先にも書いたように、周りのもの全てを、まなびの場とすることができたら、色々なことへのヒントがそこにはありますので。

 テストの点数が気になるように、自分が書いたものをどの様に思ってもらっているのか、そんなことは年を取るときにならなくなる、というか、逆にこのレベルしかかけないけど、やばくないかと思うようになります。そうならないためにも、この講義を通じて、文章力も養成して、これならというレベルを実感できるようになるとよいのではと思います。最初にも書いたように、グラフ化にはチャレンジして下さい。毎年の受講生で1, 2名だと思います。グラフ化をしているのは。まずもって、どこを計るのか、何日おきに測るのか、等々、悩みは尽きないです。まずは自分で何かを決めて、葉っぱの縦横、それを面積にするとか、写真を撮って画像解析をして、面積にするとか。工学の世界を使うと、おもしろいと思いますよ。継続はなんとかと言いますね。続ける事は、難しいことです。是非、継続して、観察して、グラフ化して見下さい。今までとは違う世界がきっと見えるようになりますので。


 わたなべしるす

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