東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

2.播種とお引越し(農:鹿股とほこ)

2022年10月23日 (日)

こんにちは、農学部1年の鹿股とほこです。だんだんと寒い日が多くなってきました。私自身部活に所属していて帰りが遅くなることもあるので、体調管理をしっかりしていきたいと思います。

植物たちの成長も楽しみですが、オガタさんのコメントの猫「フトリスギ」さんが冬にかけてどうなっていくのかも楽しみです。

目次

1.キャベツの播種

2.キャベツの問題

3.キャベツのお引越し

4.浅漬けミックスの播種

5.浅漬けミックスの成長

6.編集後記

1.キャベツの播種

10月13日

 キャベツの種子を播種しました。キャベツは大きく育てたかったので、欲張らないで10粒をシャーレに播きました。それぞれの発芽に必要な水分が偏らないように1センチメートル以上の隙間を空けました。方法としては、シャーレにろ紙を2枚敷き、その上に10粒の種子を並べ、最後に水をシャーレが湿るくらい入れました。面白いと思ったことは、ろ紙の上の種子によってろ紙の模様(おそらく入れた水の模様)が変わることです。表面張力が関係しているのでしょうか、種子の周りだけ水が円状になっています。

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 ここから、暗所(私の机の引き出しの中)において、発芽を待ちたいと思います。

2.キャベツの問題

 なんとすぐに問題はやってきました(早すぎます!)。3日たっても発芽しません。なぜでしょう。キャベツが入っていた種子袋に助けをもとめました。まず、発芽適温という指標を見ると、20℃から25℃と書かれています。なんということでしょう、最近寒い日が続いており、20℃を上回る時間も少なく、鹿股が家にいる時間も少なかったのです。これを解消すべく、暗室ではなく、日の当たるカーテンの外に置いてみました。すると、その次の日に7粒、さらに次の日に3粒が発芽し、播種してから5日目までに10粒すべてのキャベツが発芽しました。

 (こうしていろいろと自分が行ったことを整理して順番通りに言語化していくと、自分の不備に気づかされます。特に、せっかちな私は種子は1日くらいで発芽するものではないかと安易に考えていたことが思い出されます。実際に野菜を育ててみたことも、キャベツと同じアブラナ科の植物を育てたこともあるのに、経験に基づかず、自分の望みでアブラナ科植物の発芽日を考えていました。実際にGoogle先生で調べてみると、キャベツの発芽日の目安は3日から5日のようです。私が播種したキャベツはすべてこの日数におさまっています。ここで、本当に気温が低かったから発芽しなかったのかということを考えると、単に時間が足りなかっただけのようにも思います。ずっと暗室に入れていたらどうなったかがとても気になるので、今度実験してみたいです。)

3.キャベツのお引越し

10月18日(6日目)

 いよいよ、5号鉢へお引越しです。まず土が下の落ちるのを最小限にするために、鉢に鉢底ネットを底に敷きします。

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次に土を入れます。

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そしてシャーレから取り出した植物体を入れようとしました。そう思い、シャーレを見ると、、、

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シャーレのふたが浮いているようです(上がシャーレのふたを開けた写真、左下側が浮いているシャーレの写真、右下側がろ紙以外何も入っていないただのシャーレです)。私が発芽したのをいいことに、次に時間をとれるこの日まで放っておいたらこうなっていました。こんな自分の体よりも大きくて厚いシャーレのふたを開けてしまうなんて植物はとてもかっこいいですね。これを見て私も筋トレ頑張ろうと思いました(きっと植物はそんなことを伝えたかったのではないことはわかりますが。。。)

気を取り直して10個体の中から、元気が良くて葉の色がきれいな7個体(もうすでにどの個体が一番きれいなのかわかりませんでした。)を移し替えます。

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 なんとか完成です。ここから何個体にしていくかがこれからの一番の悩みになりそうです。今のところ、1個体にしたいと考えています。

4.浅漬けミックスの播種

10月18日

 浅漬けミックスを以前観察した際に、どうやら4種類の種子が入っており、4種類の区別が全くと言っていいほど明確でないながらも、なんとなく色に違いがあるような気がしていました。そこで、あっているかはわかりませんが、なんとなく色を4つに分けてみることにしました。(「なんとなく」と使いすぎですね。本当に区別がわかりにくくて不安なのです。)

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左上から時計回りに、灰色で大きい粒種子、灰色で小さい種子、赤茶色、黄色みがかった茶色というように分けました。種子はそれぞれ5粒ずつです。まず、キャベツと同様に鉢底ネットを敷きます。

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そして、土と種子を入れます。4つに分けた境目は見分けがつかないので、できるだけは端の方に追いやるようにして並べました。

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どうなるのでしょうか。綺麗に4種類に別れることはないと思いますが(どこまでも不安です。。)、もし葉や茎に顕著が違いがあったら面白そうですので、そのような点も観察していきたいと思います。

5.浅漬けミックスの成長

10月23日(6日目)

 浅漬けミックスを播種して5日が経ちました。私の心は学祭に向けていそいそし始めました。浅漬けちゃんたちは目を覚まし始めました。

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 なんとほぼすべてのエリアで目を出しています。

左上「灰大」右上「灰小」右下「赤茶」左下「黄茶」(時計回り)としているので、灰大が2個体で一歩リードでしょうか。これからどうなるか、本当に分けられたのか、とても楽しみです。

6.編集後記

 編集後記なんて中学生ぶりでしょうか。漢字四文字でいい響きですね。今週はあわただしく過ぎ去ってしまいましたが、植物たちはゆっくり成長してくれています。今回のブログでは、写真を縦長にすると、勝手に写真が回転してしまうことを知りました。横長の写真が好まれるようなので、写真を撮る時に気を付けたいと思います。

コメント

鹿股さんこんにちは

DSC_1549.JPG うちのネコは運動をしない(ネコが好むとされている上下運動なんか全然しない)で、食うか寝てるかしてますので「フトリスギ」になりました。寒くなると一段とその傾向が強まるのですが、布団に入られるとこっちが狭くなるので大変です。うちのネコはとにかく布団の真ん中で寝ようとしますから。

 そして...... 油断するとネコを踏んでしまったりします。ネコ踏んじゃうのは実際にあることなんですよね。

 さて、記事は相変わらずのキレイなレイアウトです!

 見出しを付けるのも、オレンジラインで区切りを付けるのもいい感じです。人に見せることを意識した良い記事です。そしてまとめ方も「植物ごと」にしていますし、開始からの日数もきちんとしています。次記事からは大体の温度や日当たりといった環境条件も提示して下さい。

 内容は、まずキャベツについてキレイに発芽しましたね。確かに植物種によって発芽までの期間には差があります。それぞれの植物種の環境に応じて最適解を求めるよう、つまり生存戦略に応じて進化した結果、発芽期間が定まったのでしょう。極端な例では発芽まで一年を要する植物種もあるくらいです。

 記事で素晴らしいことは、「現象」に気付き「疑問点」としていることです。更には原因を類推しています。こういう視点は研究者にとって大事なことですね。種子の発芽だけでも考えることは多々あります。

 鉢への移植はもちろん遅過ぎであり、根が出てきたら子葉を待たずに移すべきでした。まあ、ていねいにろ紙から根を剥がして植えればいいでしょう。鉢への置き方を見ますと、いい位置です。特に鉢の中央に寄せなくても構いません。鉢の端でも根は充分行き渡ります。特に良いと思ったのは「鉢土の量」ですね。水やりや、後の増し土のことを考慮した適切な量です。

 間引きについてはまだまだ先のことですね。間引き株を食べてみるのも先のお楽しみです。

 浅漬けミックス種子は、何となく分別してそれぞれ播種していますか。まあ、ミックス種子というのはサラダにする時に「混ぜなくてもよい」ように種子の段階から混ぜているものです。しかし、今回のようにそれを分けて播くのも面白いですね。育ち始めた時、はたして種子で分別したのが当たっているか楽しみです。

 そしてミックスにはもう一つ意味があり、温度や光といった環境が変化しても、何がしかの植物種は成長して収穫に持っていけるということでもあります。それぞれの植物種の成長を比べて考察するのも面白いですね。例年の受講生は自分の興味に応じて「ひたすら成長をグラフ化」してみたり、「疑問点を徹底調査」してみたり、「温室など環境の工夫」をしてみたり、「反復実験を」したり様々です。余力があれば何か考えてもいいですね。

 そういえば、こういった家庭菜園的なことではなく農産業でもミックスで播種することがあります。農学部の学生ならイネ科とマメ科の混植のメリットなんかを知っておいてもいいかと思います。

 さて、例年の受講生はこの段階で日照不足により徒長をさせてしまうものです。今はひたすら日当たりを確保しましょう。

ラボスタッフ・オガタ