東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

チョレギサラダっぽくなってきました(医:宗形美咲)

2022年11月22日 (火)

前回の投稿からかなり時間が経ってしまい、申し訳ございません。毎朝学校に行く前に植物を見て、育ってる!レポート書かなきゃ!と思いつつ、あっという間に時間が過ぎてしまいました...。心機一転、中間発表に向けて頑張ります。

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 初めに10月18日の、初回にだるまに植えた豆苗の様子。植えて三日ほどはカップとティッシュで育てている方と同じように根が出てきていましたが、それからずっと成長せず、カップ豆苗が生長しきった後もそのままでした。ここからは変化はないだろう判断し、育てるのをやめました。種の半分くらい水につくようにして、日当たりなどもカップ豆苗と同じようにしていました。育たなかった原因として考えられるのは、種の下のもの。ティッシュじゃなくても育つのかと思い土を下に敷き詰めましたが、写真を見ても分かるように、土の隙間に根が入り込めていないようでした。前回記したように、根が下の地面に入り込むと芽も出てきるようなので、土に入り込めないとなった時点で成長は止まってしまったようです。次はティッシュを下に敷き詰めて育てて、育てる場所の広さは関係ないのかも見ていきたいと思います。今回もらった土は普通の家庭菜園用の土だと思いますが、もう少し軟らかい土であったら根ずく可能性もあります。次はスコップなどで土をふわふわにしてから植えたり自分で柔らかそうな土を買ってみたりして、リベンジしたいと思います。

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 また、前回に記した、発芽しなかった豆苗。こちらは種を包む皮は剥がれていましたが、そこから根っこがうまく伸びなかったようです。植えるときも他の種とは違いが見られなかったので、遺伝子レベルの異常があったのかもしれません。真ん中で割るとこんな感じ。根がある部分と何もない部分に分かれました。何もない部分は乳糖といい、栄養を送る場所であることは高校生物でも学びましたが、実際に半分だけの状態で植えたらどうなるのでしょうか。育っている豆苗を見たところ、球形の穴から茎などがにょきにょきと伸びている様子なので、球を作れない時点で成長できない気もしますが、いつかやってみたいと思います。

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 次にカブ。写真は11月13日、鉢植えに移してからちょうど3週間。夜に風が強かったため中に避難させていました。豆苗と同様に日中はずっと日が当たり、かつ雨にどは当たらないベランダに置いておいきました。また、前回のアドバイスのように5日に一回の水やりを徹底したおかげで、しっかり青々と成長していました。前回の様子では子葉+二枚の小さな葉っぱがついていましたが、子葉二枚の丸っこい葉は少しサイズが大きくなって土から近い場所に生えており、その間からメインとなるギザギザとした大きな葉が3,4枚出てきていました。葉は大きな物で10㎝ほど、高さは16センチほどあり、鉢植えに移動させてから5倍ほど大きくなっており、成長に驚かされます。また、今回の風の影響かは分かりませんが、一本大きな葉が根元から折れてしまっており、その株全体の成長も落ちてしまっているようでした。成長が遅く、もろかった方折れたのか、折れたから成長しなくなったのか、関係が気になります。

 次にサニーレタス。同じ日に撮ったものですが、こちらもしっかり成長していました。11月に入った頃から葉は紫づきはじめ、腐ってきたかと一瞬不安になりましたが、サニーレタスの色にしっかりと近づいているようで、成長をひしひしと感じました。こちらは高さが約八センチ、葉の大きさは5センチほどで、4倍ほどに成長していました。こちらも二枚の子葉から波打ったひらひらとした大きな葉っぱが2,3枚出てきていました。かなりこちらは窮屈な感じがしますが、成長に影響はなさそうです。

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 この二つの植物の成長に関して共通することが、葉っぱの伸びる方向です。どの苗も他の苗と交差することがないように、外側に向けて育っていました。さらに、太陽にしっかり面するように葉を広げており、しっかりと光合成できるように成長していました。書きながら気づいたのですが、先ほど書いた折れていたカブは太陽に対して最も奥側にあったため、前の苗が生長するにつれて光を受けられなくなり、成長が止まってしまったとも考えられます。

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実際に葉の色を比べてみると、奥側の方が緑が少し薄くなっています。(肉眼だともう少しはっきりしている)さらに触った感じも葉のハリが弱くなっており、ちょっとした場所の違いだけで差が生まれてしまうことに驚きました。サニーレタスはそこまで葉が大きくなく、高さもないため違いは見られませんでしたが、採光は植物の成長に応じてしっかり考慮しなければいけないと実感しました。

今回は時間が経ってしまったこともあり、かなり大きな変化を観察することができました。次は育ちすぎて味が悪いであろう豆苗を食べる予定です。また、毎回風が強かったら避難させるのではなく、風などを遮られるような工夫も考えていきたいと思います。

コメント

医学部 宗形さん

2回の投稿以降のトラブルが落ち着いたようですね。植物はしっかり育っているようです。しっかり観察して、記事をuploadして下さい。記事を書くとき、写真をuploadしていますが、それぞれの写真が何を意味するのか、もう少し説明するとよいと思います。記事への細かなコメントはラボスタッフのオガタさんから金曜日に行う予定です。それを参考して、栽培を続けてください。


わたなべしるす





宗形さんこんにちは

 むむむ...... 冒頭の写真は、空に上がった紙灯篭...... と思わせておいての寒天培地コロニーだったりとか。

 さて、記事ではなぜか成長が止まったトウミョウの話ですね。私にも原因が分かりません。通常なら、多少硬くても根は下へ入り込むものです。

 水分量も多過ぎではなく、温度もコップと同じでしょう。考えられるとすれば土の成分(pHとか)でしょうが、想像が付きにくいです。まあ余力があればティッシュで再実験もいいかもしれません。ともあれそうったことを「考える」ことが展開ゼミの趣旨です。

 二つ割のトウミョウもよく見ました。マメ科植物は種子のほとんどの部分を子葉が占めます。実はイネ科植物のような大きな胚乳は持っていません。二つ割を播けばどうなるか...... たぶん根のない(というか成長点を取られた)方は発芽できず、根のある方は条件が良好であればどうにか発芽できるかと思います。言い忘れましたが、マメ科の場合は子葉を大きく展開したりせず、ほとんど最初のマメの状態にしかみえない種類が多いのです。

 さて、カブは見事な生育です!

 置き場の詳細が分かりましたが、日照量は充分に確保できていますね。やや風が強そうですが...... 夜間に移動させるのはイレギュラーです。夜間に温度が高いと、呼吸によって炭水化物を無駄に消費しやすくなります。風で葉が折れるかもしれませんが......もう少し丈夫になったら外へ置きっぱなしにして下さい。アブラナ科植物の場合は置き場の移動をそれほど苦にしないものですが、植物にとって移動はストレスです。ちなみに鉢花でシクラメンなどは移動によるストレスに弱いものです。

 ですが、そこまで植物に手をかけていることは嬉しく思います。

 成長とその葉の折れとの関係はちょっと分かりません。葉の形の観察も良く見ていますが...... できればクローズアップ写真と、客観的数字があればなおいいですね。

 サニーレタスはいい色です。この色はもちろんアントシアニンの赤紫ですが、低温にさらされるといっそう多く合成されてきます。アントシアンの合成が植物にとってどういう役割を持つのか、完全に分かっているわけではないのですが、ストレス(寒冷など)に耐性を持つためだと言われています。むろん品種によってその生合成の量は違い、全く赤紫にならないレタスもあります。サニーレタスはちょうど食べるのに好ましい色になりますね!

 葉の伸びる方向、よく観察しました。植物はその生存戦略に沿い、環境のあらゆる情報を取り入れ、最適になるようにもっていきます。動物は「動ける」のですが、植物は動けないですので、そういった細かい環境適応が重要なのでしょう。

 葉の色についても、「日照条件が悪い」ところの葉にはリソースを振り向けず、「日照条件の良い」ところに展開した葉にリソースを振り向ける結果です。実は植物には「転流機構」があり、栄養分を送ったり受け取ったり、非常にダイナミックに動かしています。決してその場で作ったものをそこだけで使っているわけではないのですね。例えば、イネが穂をつけると、植物体全体が種子に向かって栄養を送り込みます。それは葉が自分の成分を分解してまで送り届けます。決して寒さで葉が枯れるわけではないんですね。そのため途中で穂を切れば、葉は長いこと緑を保ちます。

 よく考えれば植物に限らず、動物でもそうですね。動物は血液があるから栄養分の輸送が分かりやすいだけで、植物にも輸送機構があるということです。

 さあ、次記事はトウミョウの実食でしょうか。期待してお待ちします。

DSC_1094.JPG むむ、これで商品がカッターだったら完璧なネーミングだったのに...... 逆に変な感じ......

ラボスタッフ・オガタ