東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

つまみ食い回(農:高橋悠太)

2022年11月23日 (水)

 こんにちは。高橋悠太です。昨日は運がない日でした。まず朝いつも通りの時間に家を出ると、通る道が通行止めで遠回りをしなければなりませんでした。それだけならまだ良いのですが、通学に使う新幹線がまさかの1時間遅れという大惨事です。結局その日の午前中の時間は、授業時間がたまたま短かったこともあり、たったの15分しか受けられませんでした。遅延証明で出席はつけてもらえて良かったです。

さて、更新が遅れてしまいましたが、今回はつまみ食い回と題して成長途中の小松菜やちょい辛ミックスを食べてみた感想をまとめたいと思います。味を確かめてみて、思ったより良い感じかも?と思いました。

小松菜

 間引きされた小松菜は、油揚げと一緒にシンプルな味噌汁で食べてみた。葉が薄く、むしろ売り物より食べやすく感じた。ただ味は完全に小松菜で、おいしかった。茎も売り物よりもちろん細いのだが、こちらも食べやすい。ほうれん草に近い感じもする。今回実際に食べてみて分かったのは、葉物野菜の質は葉の厚さに強く依存しているということだ。確かに葉の味も関係するのだが、厚さを調節できる品種改良の技術があれば面白い。

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ちょい辛ミックス

 ちょい辛ミックスにはこれまでにも述べている通り、三池高菜、紫高菜、ちりめんからし菜、サラダからし菜の4種類ある。高菜系は葉が丸く紫がかっているのが特徴である。対してからし菜は細くてとげとげしているのが特徴である。ただ、正直見分けるのが難しい。

40281.jpg左から三池高菜、紫高菜、ちりめんからし菜、サラダからし菜である(はず)。よく見ると、三池高菜より紫高菜の方が葉の縁と葉脈が紫色をしている。また、ちりめんからし菜よりサラダからし菜の方が細く、1つ1つのギザギザが深い。ちなみに一番上の写真はサラダからし菜の若い葉である。ふさふさと毛が生えていることも見てとれる。

 これらは何もかけずに生で食べてみた。三池高菜は繊維質で口の中に残る感じがする。それに対して紫高菜は三池高菜より渋みを感じた。ただ、食感は2つとも大差ない。ちりめんからし菜はとてもレタスに近い味である。高菜系よりシャキシャキとしている。それに対してサラダからし菜は葉が少し厚くより苦みも感じた。

最後に

 今回は短めの記事だったが、次回は小松菜の驚くべき生長具合と、相変わらず密集度がすごいちょい辛ミックスについて観察していく。また、水の吸収の仕方という点に疑問を持ったので、それについても調べて記事にしたいと思う。

コメント

農学部 高橋さん

栽培した植物を食する回のようですね。葉っぱを並べるなど、混ぜられているものから違いを探そうとしているのはよくわかります。一方で、災難といえばそうですが、もう少しリスクマネジメントをしっかりするのは大事なことです。乗り物が通常で動いていることを普通と思うかも知れないですが、そうでないと考えると、さまざまなcheckをして行動できるようになるかと思います。そうしたことはこの講義にも活かされることだと思いますので。栽培に関してのコメントは、ラボスタッフ・オガタさんからのコメントをお待ち下さい。週明けにはコメントができる予定です。


わたなべしるす





高橋さんこんにちは

 運が悪い時は、「さてどこまで運が悪いのだろう」と考えて、楽しみに変えましょう!(完全に他人事) ちなみに遅延のことを言えば、三年前の農学科同窓会で、福井県から仙台に駆けつける人間がいたのですが新幹線に乗り遅れ...... 新幹線料金をドブに捨てて飛行機で駆けつけてました。どんだけ無駄なんだ......

 今回の記事は食レポですね。

 これまた非常に重要なことです。それは折角の収穫なのですから、最後の最後を締めなくてはならない、ということだけではありません。細かな観察も重要です。

 そして更に、「味」によって生育の情報がつかめたりもします。農家はよく畑で作物をかじり、肥料の多い少ないを判定したりします。

 コマツナ......味はともかく、味噌汁!? めちゃめちゃお洒落な皿で、どこのコース料理かと思いました。しかも割と澄んでいるのでスープ感絶大です。

 葉の厚さに関してはその通りですね。何事にも最適があります。品種改良という側面で成し遂げるか、栽培条件で成し遂げるか、いずれにせよ消費者にとって最適にすることが重要です。まあ時折、「料理の進展」「食生活の変化」によって好まれる性質がガラリと変わることもあります。最近は何でも「小さく(一人でも食べきれる大きさ)」「ひたすら濃く甘く」栽培されていますが、そのうちに嗜好が変わるかもしれません。

 ちょい辛ミックスはよく四種類を分別できました。横に並べるとその違いが分かります。とても良いプレゼンです。葉脈、色(アントシアニンの有無)、縁のギザ、トライコーム、どれも個性的ですね。

 味の違いもまた、文章が読み易いせいかきちんと伝わります。このあたりは客観的数値的な表示は難しいでしょう。どれが一番好みだったでしょうか。ちりめんからし菜でしょうか。

 話は変わりますが、世の発展と勉強の必要性というのは終わらないものです。農学の分野でも、最近のトピックとして地下での菌集合体というものがあります。それは植物の内皮から土壌まで菌糸が繋がり、土壌養分を受け渡し、驚くべきことにそれらが広くつながりあうことで地下ネットワークを形成しているというものです。土が一つの生命体なんてまるでラノベのようです。ちなみに、そういったネットワークを作りやすい植物種とそうでもない植物種があり、アブラナ科植物はそうでもないグループに入るそうです。

 ではまた、生育旺盛なちょい辛ミックスなど、次記事お待ちします。

DSC_1750.JPG あえてコメントつけられない......

ラボスタッフ・オガタ