東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

コカブ、元気そうです(文:恵利一花)

2023年1月19日 (木)

こんにちは。写真は、東寺に初詣に行った際、売り物のお箸についていた宣伝文です。

「箸を使う者、すべて救われん」だそうです。今年最初のありがたいお言葉ですね。部屋の壁に貼りたいです。

 

聖人にちなんだお土産ってずるいな~(褒めてます)といつも思います。

最近では、弘法大師が一年着ていた服(弘法大師は高野山の奥の院で今も生きていると伝えられており、年に一度衣替えがあります)が小さくカットされて販売されているという話を聞きました。大師の古着、欲しすぎです。早いとこまた高野山に行ってゲットしたいです。

 

また、東寺にも「売り」にしている(かは分かりませんが)ありがたい商品があります。東寺には、入り口から通路に沿って伸びている長い池があり、7月には蓮が満開を迎えます。しかし花の盛りは短く、2週間ほどで見頃は終わり、ある日の朝登校すると花も葉もすっかり刈り取られてしまって、ただ池が残るのみ。寂しい気持ちになるのですが、売店を覗くと乾燥させた大きな蓮の実が並んでいるのを見ることができます(実?なんでしょうか。あのハチの巣みたいな部分です)。

冬が過ぎ、暖かくなって気づくとまた蓮が生えてきているので、不思議なんですよね。あれは、昨年切り取られたものの根が復活しているのでしょうか。それとも、新しい種が落ちて生えてきているのでしょうか。泥の下からまっすぐ伸びてくる様子から、蓮は仏教では神聖なものとされるらしいですが、毎年同じ時期に、昼だけ透き通った大きな花をつける様子は、力強くも儚くて私も好きです。

コカブ、元気そうです

S__10477577.jpgのサムネイル画像のサムネイル画像

1/20 気温6℃

コカブの様子については、タイトルの通りです。検査結果の連絡があり、もう一週間仙台に帰れないと悟った時には「終わった」と思ったのですが、オガタさんもそんなに心配しなくていいと言っているし......といつも通りの水やりを続けたところ、カピカピだった葉も完全に回復しました。しかもこの一週間で、だいぶ成長しています。

S__10502182.jpg一番大きな葉で、⒖センチほど。

S__10477578.jpg先生が前に載せていた片平キャンパスのコカブに比べるとまだまだですが、根本が膨らんでいわゆるカブっぽくなり、葉も立ち上がってきました。農家さんがちゃんと形を整えないと、カブの葉もまっすぐ上には伸びないのだと思っていたのですが、この段階で自分で持ち上がっていくとは。いったい何のためなんでしょう。

というか、なぜ私がそのように思っていたかというと、実家の近所にハクサイを育てている畑があり、毎年冬になるとハクサイが新聞紙でぐるぐるに巻かれていたので、それを見て「こうやって白菜の形になるんだな~」と子供ながらに思っていたためです。しかし今少し調べてみると、ハクサイが丸くならない(結球しない、というんでしょうか)原因は肥料不足......ということは、あの新聞は、ハクサイを丸くするためのものではなかったのでしょうか。寒かったから、防寒のため......?

S__10477579.jpg根が見えなくなるくらいまで土を足しました。

S__10502152.jpg最近土を扱う時に愛用している、セブンイレブンの「環境にやさしいカラースプーン10本入り(198円)」です。葉が生い茂って、もはやスコップでは太刀打ちできなくなってきたため、スプーンが真価を発揮しています。心配だった2株の間の距離ですが、根がまだ小さいのもありますがぶつかる気配は無く、意外と大丈夫かもしれないと思っています。またしばらく様子を見ようと思います。

 

考えていると、続々と色んな事が気になりだしました。例えば、祖父がサツマイモなんかを育てるときに畝に張っていた黒いビニールシート。祖父は鹿児島出身だからか知りませんが(多分関係ないです)毎年家の畑にサツマイモを植え、出来上がると子供たちで芋ほりをしていました。同じく黒いビニールシートでいくと、玉露を育てるときに全体を覆って日光を遮る理由も気になります。玉露は地元(京田辺市)の名産品で、小学校の授業でやたらと詳しく玉露の栽培方法を学ぶため、田辺っ子は皆玉露について偏った知識を持っています。

 

寒波の気配

前回の記事にコメントありがとうございました。法医学に関しては、正直なところ単位なんてどうでもよくて、実習にに出られなかったことがひたすらに悔しいです。いくら全学教育といえど医学部棟に出入りできる機会はさすがに限られていますし、当日のプレゼンで話す内容も考えていたので......それにしても、阪急人骨事件はジワジワきますね。本人も発見者も、全員が冷や汗をかいたことでしょう。

ちなみに私は伊丹ではなく関空ユーザーです!どちらにしろ実家からは微妙に遠いのですが。この日は友人に会ってから家に帰るため、大阪駅へ向かっています。阪大に行った友人から、毎日のようにユニバに行っているという写真を見せてもらい、そういえば少し前にユニバで見つかった人骨は何だったのだろう、とふと思いました。日常はなぜだか骨にあふれていますね。

 

さて、仙台に帰ってきてから2週間、私からしてもかなり暖かい日が続いています。

というか帰省して改めて分かりましたが、京都も冬は言うて寒かったです。それに加え、あんまりに寒い日や雪が降る日はもはや楽しくなってしまうので、仙台に来てから苦しかったのは冬の寒さよりも、「春~秋が暑くないこと」だったように思います。真夏の昼間があったかい止まりなのは素敵なんですが、夜になると夏でも寒いくらいでした。体が寒さを覚悟していない時期の寒さの方が、圧倒的に精神を削ることを一年で学びました。

しかし、来週の天気予報を見て度肝を抜かれました。見たこともない数字が並んでおります。これはさすがに最強寒波を名乗っても差し支えないでしょう。

今この文章を書いている最中にも、どんどん窓の外の風が強くなってきました。不穏です。

今のところ防寒対策と言えば「あまり風の当たらない、雨や雪が吹き込まない、日の当たる場所に鉢を置く」くらいしか実践しておらず、これ以上の寒さ、風雪に耐えられるかどうかは分かりません。あまりにも天候が荒れているときには、室内に一時避難させた方がいいのでしょうか。それとも、急激な温度差や生ぬるさが逆に毒になったりもするのでしょうか。

豆苗(2週目)を明日食そうと思うので、その様子はまた明日か明後日に......(' ~ ' ")

コメント

文学部 恵利さん

育種の渡辺です。1/9(月)の夜のカブの写真を見る限りは水やりをすればもどると思っていたのですが、安心できる状態まで戻ったようですね。来週は寒くなりますので、簡易的な温室、鉢を床から何かで持ち上げるなど、先達の試みも見て、できるだけ寒くないようにしてみて下さい。葉っぱが拡がるのか、立つのか。よく観察していますね。葉っぱの枚数が少ないときは横に拡がります。太陽光を効率的に集めるために。立ち上がるのは周りの植物と重なるからと言われているような。ハクサイは品種改良で最終的に結球するようになっていますが、肥料不足、特に窒素(N2)ですが、の場合には結球しないですね。新聞紙で巻くのは霜などの低温による害を避けるためかと思います。

講義を受講するためのモチベーションはいろいろあるのですね。それはそれで大事なことです。この講義に限らず、それぞれの講義へのモチベーションを高く維持して頑張って下さい。それ以外については、明日の月曜日の夕方にラボスタッフのオガタさんからのコメントが投稿される予定です。それも参考にして下さい。


わたなべしるす




恵利さんこんにちは

 >箸を使う者、すべて救われん

 ん~、ちょっと意味が分からない......箸を使わせるため、そういう言い回しをしたのか...... 疾病の蔓延を防ぐ、衛生的な意味で早急に箸を普及させる必要があったのか...... しかしま、言い方としては大きく出たな、という感じがします。

 弘法大師様、ひょっとして「人間全員」を救うという意味で言ったのだろうか。それとも、まさか印度で箸を使わないことを知っていたのか......謎です。

 そして蓮の話ですか。もちろんありがたい意味で神社仏閣の近くに植えられています。蓮は花や実が花材になります。それ以上に根は「レンコン」になるという、ありがたい植物です。レンコンは金沢あたりの特産品ですね。

 もちろん、上を刈り取られてもレンコン部分は生きていますので、翌春には元気に生えてきます。というか蓮はけっこう水位などの環境に敏感であり、枯れやすい植物です。しかしま、レンコン部は全滅を免れて生き延びたりしますね。ご存じの通り種子も大きくて、条件が良ければ長期間生き延びるわけですが。

 記事内容、コカブが元気そうでなによりです。他の受講生も含め、「葉が横に寝てる、あるいは立っている」ことに着目する人が多いのですが、この時点ではあまりたいした意味はありません。単なる環境応答です。

 それに比べてハクサイ(キャベツも)の結球は特殊です。もちろん、原種にもそういう性質が少しあったと思うのですが、人間が長年育種していく中であんなに大きくしっかりと結球するようになったのでしょう。おかげで内部は柔らかく、甘く、旨味もあるわけです。もちろん結球は植物内部の成長ホルモン分布の制御によるものです。新聞紙は、寒さにより葉が枯れ込んでしまうのを防ぐためのカバーです。結球自体は植物が自分で行います。というか私としては京都でも新聞紙を使って守るということにちょっと驚きました。

 スプーンを使っての増し土はグッドです。どうでもいいですが「環境にやさしい」スプーンとは、生分解性プラスチックなんでしょうか。

 そして今回記事で一番面白いと思ったのは、「京田辺市」の人はお茶の栽培法を習う、いやこれは凄い! もちろんいいことです。地元で見かける作物についての知識を得るのは実際に即していますし。

 宇治茶の玉露についてでしょうか...... 私も玉露の作り方は知りません。緑茶は高温処理で酸化酵素を止めて緑を保つとしか...... ビニールシートで遮光をするんですか。まあ、遮光すると味わい成分が増えるんだろうな、と勝手に想像します。

 そういやお茶は静岡、京都、福岡、鹿児島で生産が多かったように思います。最近では何の作物でも「北限の~」がブームのようで、ここ東北でもあちこちで栽培が始まっているようです。作物学的、園芸学的にいえば「適地適作」がいいように思うのですが、なんとなくプレミアがついて高く売れるのでそうなるのでしょうね。ただ、普通の年なら良くとも寒波の年に枯れたらどうにもならず、そのためにわざわざ燃料を使って加温とか、それこそ環境のために微妙ですね。

 そしてどうでもいいことですが、普段の生活で「ポリ袋」とか、高分子の接頭語の「ポリ」だけ使うのも凄い言葉の用法だと思います。はなはだしくは、「ビニール袋」とか! 実際は「ポリエチレン」であり、分子にビニール基が入ってなくとも「ビニール袋」って......意味不明だったりします。

 ほんと余談ですが、ポリエチレン袋の透明なのは、高温高圧でエチレンを重合させて作ったため、分子が短くて結晶ができていないためです。小さ目のポリエチレン袋でガサガサと不透明なのは、触媒を使って低温低圧で重合させて作るため、分子が長く、結晶が大きくなったためです。

 それと塩化ビニール、これは食塩からソルベー法によって炭酸ナトリウムと塩酸を取り出したあと、ナトリウムはガラス工場やパルプ工場で使われるのに対し塩酸が余ってしまうので、塩化ビニールとして使われるという便宜的側面があります。面白いですね。

 もう一つおまけの余談、「カリウム」は英語ではありません! 通じません! 英語では「ポタシウム」です。これは理系学生ならたいてい間違える罠ですね。

 話は戻って、黒いビニールシート、これはいわゆる「マルチングシート」ですね。黒いシートは土の温度を上げて、しかも光を遮ることで雑草の繁茂を防ぐという優れものです。サツマイモのみならず、各種野菜で用いられます。

 >阪大に行った友人から、毎日のようにユニバに行っている

 へえ...... 阪大のくせに充実してる...... 私の頃は毎日エキスポランドの太陽の塔を見ているくらいでした。どうでもいいですが子供の日とかには太陽の塔に万国旗を吊り下げて、芸術作品なのに単なるタワーとして使う、いかにも関西人的発想に驚いたものです。

 さあ仙台の寒さというか全国的な寒さはこれからが本番です。統計的にも最も寒いのは2月初旬です。

 しかし......植物も急な寒さではダメージが来たりしますが、それでも部屋に退避させるのはよほどのことで、ギリギリ今度の寒波くらいでは置き場を変えない方がいいかと思います。下手に夜間が暖かい方が植物にとっては良くないのです。

 ちなみに、仙台と京都では、「平均気温」でいえばそれほど差はありません。以外にも東北の「いわき市」あたりの方が暖かいのではないでしょうか。私は趣味で各地の気温を調べたりするんですが、やっぱり人間にとって住みよいのは、いわきから茨城、あるいは外房、伊豆、伊勢のようです。まあ四季がはっきりしているのが好きな人は、夏冬の気温差があった方がいいのでしょうが。

 では次記事お待ちします。トウミョウの実食も楽しみですね!

DSC_1571.JPG

 ここまでくるともはや意味不明。筋トレお手玉って...... どっか痛める......

ラボスタッフ・オガタ