事件発生から芭蕉菜の実食まで(文:岡根史歩)
2023年1月23日 (月)
夏にはたくさんの花が咲いていて、青々と葉が茂っていたお庭が、冬にはすっかり寂しい景色になっていました。こんなに殺風景になるものかとショックを受けました。
これは秋に生っていた謎の実の写真です。家主は見て楽しんだのか、収穫でもしたのか、この実はどうなったのやら。
ついに芭蕉菜を収穫、調理し実食まで至りました。今回はその報告です。
1月16日(栽培98日目)
事件が起きました。大家さんから、ベランダの洗浄をするから置いてあるものをすべて屋内に入れてくれとの連絡が...。ペンキの塗り替えや乾燥期間もあるとのことで、ここから収穫までは屋内での栽培をせざるを得なくなりました。
ということで、芭蕉菜たちは玄関に移動。玄関の室温は9℃。ベランダに置いていたときよりも5℃程度暖かい環境になります。どんな変化が起きるだろうかと、少々不安もありながら玄関での栽培をスタートしました。
1月18日(100日目)
さて、記念すべき100日目です。玄関生活は3日目です。早速、芭蕉菜に変化が。
右が1号、左が2号です。以前記事で、葉が横に伸びているとのことを書きました。(http://www.ige.tohoku.ac.jp/prg/watanabe/as-vegetable2022/2022/12/06120000.php)しかし玄関生活も3日が過ぎ、なんと葉が上に向き始めました。横に成長するようになってから、横の画角での写真を撮っておらず比較画像がないのが痛いですが、この記事(http://www.ige.tohoku.ac.jp/prg/watanabe/as-vegetable2022/2022/12/13101349.php)の写真だと横に伸びている様子がわかるかと思います...。
1枚目が1号、2枚目が2号です。特に2号の方がまっすぐ上に伸びました。ほぼ垂直ぐらいです。この記事(http://www.ige.tohoku.ac.jp/prg/watanabe/as-vegetable2022/2022/12/06120000.php)に、横に伸びるのは寒さのせいもあるとオガタさんからのコメントがありました。室内に移動し少々暖かい環境になったことで上を向くようになったのでしょうか。
1月22日(104日目)
そして、収穫し実食です。以前書いた通り、油いためと漬物を作ります。
左が1号、右が2号。葉が大きい1号で2種類の漬物を作って、2号は油炒めにします。
芭蕉菜2号の油いためです。味はとってもおいしかったです。クセがなくて、かといって無味なわけでもなく、味の表現がなかなか難しいですがほんのり甘くて無限に食べれそうです。
1号は葉が大きく育ったため2種類の漬物に。上の写真は塩漬け、下の写真は地元の調味料「味どうらく」で漬けた様子です。味どうらくは少し甘めの醤油みたいなものです。醤油漬けを作ろうと思ったのですが家に醤油がなかったため使ってみました。
1月23日
一晩漬けて食べてみました。左が塩漬け、右が味どうらく漬けです。塩漬けは油いためよりも芭蕉菜の味を感じました。でもやはりクセがなく、さわやかな味です。味どうらく漬けは味どうらく感が勝っていました。残りは味どうらくの量を減らしてまた数日漬けてみます。
今回は玄関での栽培から実食までと、内容が多かったです。実食に移る前の段階で記事を書くべきでした。
いよいよ今年度も終わります。これまでを振り返って教訓化して、負の歴史を繰り返さないようにどうするべきか、考えます。
コメント
文学部 岡根さん
育種の渡辺です。タイトルに事件とあったので先日の強風で倒れたとか、かなりnegativeなイメージを持ちましたが、そうではなく、工事の関係で引っ越しですか。ベランダよりも暖かいということは、玄関先の方が日当たりがよいということでしょうか。同じ日に計測して、5oC程度高いと、この時期であれば生長にはそこそこに影響が出るように思います。葉が横に展開していたのが、葉が立ち始めたと。芭蕉菜の種子を提供してくれている「渡辺採種場」の写真を見る限り、収穫時期には葉は横に展開していたものが、立ち始めるようですね。もう少し栽培を続けてもよかったのかも知れないですが。
さて、食レポ。結構難しいというのを聞いたことがあります。実際のテレビなど。そんな味の表現をすることも大事なポイントです。どのように加工するかによって野菜が持つ特色をうまく引き出せるのか、そんなことを考えながら記事にするのが大事ですね。また、他の受講生の記事を見ても分かるように、文章量はこれくらいを目標にすることが大事です。それ以外については、今週水曜日の朝にラボスタッフのオガタさんからのコメントが投稿される予定です。それも参考にして下さい。
わたなべしるす
岡根さんこんにちは
さて冒頭の写真は寂しいかもしれませんが、雪原より良いと思います...... 今現在(1/25)仙台でも雪が降りしきり、大変です。道路も白一色になってしまいました。そちらでも水道管凍結に気を付けて下さい。
そして事件!
何とベランダの洗浄。そういうことがあるんですか。大家さんに従って植物も中に取り込まざるを得ませんね。ペンキ塗り替えがあるのでは、足場やシートなどといった非日常的なものが見られるのである意味経験値上がりますね。
植物の玄関生活が始まったわけですが、上で教授が心配していたのは「日当たり」のことです。普通には玄関には日が差さず、暗いものです。植物はその種ごとに「光補償点」というものが存在し、光合成で生産する栄養と呼吸で消費する栄養が釣り合う光の強さがあります。この光の強さ以下では、植物は成長どころか枯死に向かいます。今回の展開ゼミでスプラウトを栽培していますが、それは種子の栄養を使うので成長できます。園芸的に室内で栽培できる植物種は限られています。もちろん、バショウナはその部類ではありません。
そのためもあり、ここで収穫したのはベストの判断でした!
ちなみに「葉が立ってきた」のは温度のせいか分からないのですが、そこまで考察したのは褒められます。
最終写真も綺麗ですね。新聞紙から察すると市販のコマツナくらいの大きさがあるようです。本来のバショウナの収穫大きさを私も見たことがないのですが、これでも立派なものです。
そしてバショウナの調理法、一つは油炒めですか。地域伝統野菜ですが中華もいいですね。クセがなく(ハクサイの仲間だからでしょうか)、それで味もあり、食レポもいい表現です。もう一つは漬物......味どうらく、甘みのある調味料で面白いですね。塩漬けも含め工夫しています。
繊維っぽい(水や日当たりの環境が悪かった)とか苦い(肥料過多)こともなくとても良かったです。結果的に栽培は成功しました! 展開ゼミの目的達成!
最終報告、今週ですね。それも期待してます。
ラボスタッフ・オガタ