東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

もだまを植える~序章(吸水)

2016年8月16日 (火)

今日、理科の鉄人・村上校長先生がラボにいらっしゃいました。遠く愛媛県からいらっしゃいませ!村上先生について、詳しくはこちら。今日、大学院生向けにセミナーをしてくださるのです。その準備の途中、校長先生は我々に珍しい"もだま(藻玉)"を下さいました。

"もだま"とは熱帯に自生する巨大なマメのことです。つやつや漆塗りの玉のようで、とても美しいですね。これ、"素敵な出会いをもたらすラッキービーンズ"と言われアクセサリーの材料等に珍重されているそうです。つまり、"モッテモテになるかもしれないお守り"ってことですね。なんと、ネットでは1コ1500円で売っているお店もありました。


"もだま"は、ぷかぷかと海に浮き、海を渡って浜辺で拾われることもあるのだとか。"もだま(藻玉)"という名前は、昔の人が海藻の卵だと勘違いしたことから名付けられたものだったそうです。堅い種皮は、彼らの長い航海の間、海水を遮断するための鎧でもあるわけなんですね。

これを発芽させてみたい、と渡辺先生が仰るため、伊藤さんと色々調べてみました。このまま水に漬けても堅い種皮が仇となり吸水しないため、場合によっては1年も発芽しないこともあるそうです・・・いやいやいや、それは困るわ。私、産休に入って、復帰してしまうわ。

もうちょっと調べると、"もだま"はへその部分から吸水し発芽するため、そのあたりをやすりで削ってやると2、3日で吸水する可能性があることが分かりました。へそ部分に、お灸を据える(高温の金属を押し当てる)方法もあるそうですが、荒療治すぎて胚が死ぬ可能性もあるそうで、今回は削ることにしました。ここが"もだま"のへそですね。

早速、やすりで削ってみました。伊藤さんが。実験室にあった紙やすりで頑張ります。ごりごりごり。。。

さっぱり削れない"もだま"。そこで、マスコが変わって、紙やすりを机に置いてごりごり削ってみましたが相当堅い・・・

水に濡らした後だから、削れているか否か分かりづらいですが1層目だけ削れてます。とりあえず、このまま水に漬けて、経過を見ます。吸水しないようなら、もうちょっと削る事にします。"もだま"は無事、発芽するんでしょうか。

マスコ

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