東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

第31回生命科学セミナー「ハイブリッド・コムギ」開催(7/13)

2017年7月13日 (木)

 午前中が清真学園高等学校が研究室でのSSHの研修。午後には朝の雨も上がり、晴れ間も。。。もう少し雨降りで涼しくなってくれればと思うのですが。。。しばらくは雨雲がかかりそうにもなくて。。。と、書いたら、雨雲が来ないかなと。。ほとんど、雨乞いのような世界ですが。そんな午後に、第31回生命科学セミナー「ハイブリッド・コムギ」豪州・アデレード大から岡田博士をお招きして、。豪州のコムギの単位面積当たりの収量は欧米に比べると低いとか。その理由は、干ばつなどの環境ストレスによるとか。

20170713181108-6c68fd81776592d50641caa794f2217e6bb1bbec.JPG そんなで、収量増加に向けた対策として、これまで行われてきたのが、F1雑種育種。いわゆる、ハイブリッド育種になるわけです。イネでの実用化というか、イネで話を始めて聞いたのが、渡辺が高校生の時に、NHK特集で見た番組。琉球大・新城先生が話をされているのを見て、かっこいいと思って、この道に来たわけなので、。。現在では、中国では、実用化されていて。。あと、トウモロコシでのF1雑種育種もかなりの収量増があったのは、植物育種学で学んだこと。トウモロコシの場合、細胞質雄性不稔だと、特定の病害とのlinkで一時期その系統は使えなかったような。。。そんなことを思い出させてくれるイントロでした。

20170713181341-30cbafd3b210541e68cde431126a0d91908d8551.JPG コムギの細胞質雄性不稔、木原先生、常脇先生とつながる研究室で確立されていたとか。これも色々な場面で話を聞いたことがあるような。。。このあたりの記憶がきちんとしてないのが、だめなわけです。年を取ると。。。このシステムを使うためには、outcrossをどうやってうまくさせるのか。。。いわゆる、品種評価。観察の重要性を改めて、コメント頂きました。何より、しっかり現場で見ていて、おもしろいことに気がつくこと、多いですから。コムギの近縁種でoutcrossをするというか、自家不和合性を持つと言われているのが、ライムギ。その表現型を見ると、なるほどと。自殖性のコムギと並べられると、一目瞭然。普段、自家不和合性を研究していると、outcrossが一般的なので。目からうろこでした。そんな中で。コムギが受精できないとき、2回目の開花をすると。。。びっくりでした。そこに、渡辺が学生の頃の作物研・星川教授の名前が出てきたのは。。。ある種の感動でした。

 現場を大事にしたサイエンスのあり方というか、農学、農業への貢献の重要性を改めて感じた1hrでした。ありがとうございました。

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 わたなべしるす

 PS. 遺伝子導入品種の評価にかかるコストが、200億円/品種とか。。。これからのあり方も、考えさせられる数字でした。それから、渡辺は、喫煙しない、できないのですが。。。豪州のタバコへの課税はすごいものがあるとか。で、禁煙したい人は、豪州へという案内も。いかがでしょうか。






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