東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

3/11(金)、14:46から今日まで、その28(3/14)

2018年3月13日 (火)

 物事に時期があることが身にしみている。この前の日曜日が3.11からちょうど7年。前日は、高校生向けの企画・飛翔型「科学者の卵養成講座」の最終日。そんなのが重なったからというのには、亡くなられた多くの方々に、あまりに申し訳ない。お昼ご飯を手に入れるついでに、本を立ち読み。数学の難しい本の中のコラムに、科学者は新しいことを生み出すことももちろんであるが、その新しいことがどの様な歴史で積み上げられたのか、それを理解しておくことも大事だと。そんなことで締めくくっていた。あれから7年。あの日はとても寒くて、体感気温は氷点下。雪も降っていたし。復興という前向きのことを考えるためには、そこがどの様な場所で何があったのか、かんがえてみることはだいじである。

 先日、とあることで、沿岸部に。色々なところが風景が変わっている。もちろん、津波で被害を受けたというだけでなくて、復興していて、どこなのか、分からないというところも。一方で、津波被害を受けた駅舎、線路をそのまま、遺構として、残しているところも。そんなここがどこであって、7年間で少しずつ何が変わったのか、そんなことを理解することが今となっては重要なのかも知れない。そんな新聞記事も見つけた。少しずつ変わる自然の変化を理解する自然科学を学ぶものとして、被災地の変化を分かる形で歴史に残すこと、それは、論文という形で、歴史の変化を残すことと同じくらい、大事なことなのだろうと。

20180313123413-7af712b8b5161cfda2fa4b495f10c1b1d37bd54c.JPG 一方で、原発の問題は色々なところで解決の方向性を見いださないといけない状態にある。拡散した放射性物質。金属イオンであることから、粘土鉱物と結合しているとか。どうするのか、土壌学だけでなく、もっと広く領域融合しないと、解決が見えない。もちろん、爆発したプラントそのものが片付くのが2050年とか。あと30年。あっという間に来そうである。今までにないような発想を用いることが必要なのだろうが、植物、遺伝学、育種学という立場から、切り込むことができるのだろうか。。。そんなことを別の角度から考えさせられ本も見つけた。残された宿題は多くて、難問である。そんなことを考えた7年目であった。最後になったが、この震災で亡くなられた皆様への哀悼の意を表して、黙祷。


 わたなべしるす

 PS. 昨年に続いて、出前講義でお世話になっている先生から、震災のことを忘れないようにとのmailが。世の中的には、財務省の問題が大きくなっているが、忘れてはいけない、大事な3.11である。

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