吹立菜の伸び悩み。そして豆苗。(農:平岩愛彩)
2016年11月29日 (火)
1年の平岩愛彩です。今回最初に載せた写真は、吹立菜の写真です。my best shot!今回撮った中で一番のお気に入りです。この双葉。かわいいとは思いませんか?豆苗と吹立菜を育て始めて早24日。前回の豆苗と吹立菜の投稿からだいぶ日が経ってしまったので、近況報告だけしたいと思います。
それではまず、豆苗から。(11/28 8:40撮影)
特に大きな問題もなく、順調に育ちました。水だけは1~2日に1回変えて、あとはずっと日当たりの良いところにほったらかしでした。今では背丈が大きいもので約20cm。過去の先輩方の投稿を見ていても、もう1回目の収穫をしてもよさそうですね。他の方々の投稿を見ていても、皆さんおいしそうに食べているので、まだ収穫できていなかった私は彼らがずっと羨ましかったです。やっと食べられる...!どうやって食べようか楽しみです。
さて、そんな豆苗ですが、今回私はコップの底にキッチンペーパーを敷いて育ててみました。詳しくはこの投稿を見てみてください。この方法は確かに種子の状態であるときは、種子を水に浸ってしまわないように湿らせることができたので良かったと思います。ですが、もうある程度伸びてからは、ほとんどキッチンペーパーは用無しに見えます。豆苗たちは自分たちの根だけでクッションとなり、自分たちを支えている。そんな感じです。コップの底中に根が張り巡らされていて、それだけで厚さが1㎝程あります。また、根を見ていて思ったことがあります。
これが、豆苗の根っこ周辺の写真です。まず、豆苗ってコマツナとか吹立菜と違って種皮が取れないんですよね。種子がそのまま残っているとも言えます。種皮がついたままの種子から、根と茎が生えてきています。でもそれは両端から生えてくるのではなくて、一か所から生えてきているんです。同じところから根と茎が生えてきて、どうして根は重力方向に伸び、茎は重力と反対方向に伸びるのか。これぞ、オーキシンの効果でしょうか。重力屈性...。以前の投稿でもお話しましたが、豆苗はこれが分かりやすくていいですね。あと、種皮を被ったままなので、豆苗はおそらく地下子葉性だと考えられます。地下子葉性の植物では、子葉は種皮を被ったまま地中にとどまり、貯えている養分を芽生えのほかの部分に供給して役割を終えるそうです。そのため子葉は光合成を行わないんだとか。詳しくはこのサイトを見てみてください。私が前々回の投稿でも参考にしたサイトです。こうやって、アブラナ科とマメ科というように違いがたくさんある植物を同時に育てると、より色んな発見があっておもしろいです。
では、今度は目を上の方に向けてみましょう。
本葉は楕円形で、二枚一組です。日陰に置いておくと白いままでしたが、光が当たるところに置いておくと、日に日に緑色になっていきました。また、よく見てみると一番先端の二枚の本葉の間から、ひょろりと細いものが生えてきています。これは...茎?つる?何だかジャックと豆の木を連想させるようなつるですね。これは調べてみたい。今後どうなっていくのか見たいので、食べたいけど、このまま生長させたい気持ちもあります。これまで、豆苗は茎と葉を食べるから豆っぽく感じていなかったけど、調べてみると普段私たちが種子の部分を食べているマメ科の植物も同じような生長の仕方をするみたいなので、やっぱり豆だなぁと思いました。
次は吹き立菜です。(11/28 9:00撮影)
植え替えをしたのが11/8なので、この日(11/28)で植え替え後20日目です。それなのにまだこれだけしか生長していない...。実はこの子達、植え替え後、より日光に当てるため、ベランダに置いておいたんです。一応、寒さ対策になるかと思い、小さい段ボールには入れておきました。ですが、双葉は開いて緑色にはなったものの、それ以上大きくならない。3枚目が生えてこない...!なんでかなぁと思いつつそのままにしておくと、気づけば徒長していました。双葉の下の茎の部分だけがやたらと生長したんです。これはさすがにまずいと思い、コマツナのときの徒長対策と同様に土を足して双葉のすぐ下まで土がくるようにしました。それから、こんなに生長しないのは寒さのせいではないか、と思い、室内の窓際に置いて様子を見ることにしました。それが11/23のこと。すると次の日、11/24。なんと!3枚目が生えてきたんです!やっぱり気温の問題で、生長するには寒すぎたんでしょうか。寒すぎるゆえに、吹立菜たちは今生長したらやばいと思い、生長をストップさせていたのでしょうか。いや、伸びてはいたからストップはしていないのかな?でも明らかに何かしらの環境応答は行っていた訳ですよね。もう少し早く気づいて早く室内に入れてあげればよかった。ともかく、室内に入れて本葉が生え始めてくれたので、このまま様子を見ていきたいと思います。
では、A,B,Cそれぞれの吹立菜の様子を見ていきましょう。
A 3.7㎝
B 2.6㎝
C 2.5㎝
背丈は、徒長対策後、土の上から子葉の平らなところまでの高さを測りました。土の上に顔を出してからすぐはB,A,Cの順に大きかったのですが、今ではAが最も大きいです。本葉が一番最初に生えてきたのもAでした。コマツナの時は、芽ばえが大きいものほど生長も早かったのですが、今回はそうでもないようです。植え替え前はA,B,Cの順に大きく、植え替え後、顔を出したときはB,A,Cの順に大きい。今はA,B,Cの順。ただ、Cが最も生長が遅いということだけは変わらないようです。写真にも写っていますが、Cにだけ種皮がまだついています。
子葉の形については、これまでも書いてきた通り、コマツナにそっくりです。ハート型で、若干左右非対称。なんともかわいらしい葉っぱです。渡辺先生の研究室で見た、他のアブラナ科の植物(アブラナ、水菜、みぶな、ナプス)の子葉もそっくりでした。見た時に、あ!この形!と思いました。なので、「同じ科で子葉が似る」という推測はおおよそ当たっていそうです。子葉は似ていても、次に生えてくる本葉はそれぞれ違うから、また面白いですね。本葉の生え方も、特に水菜やみぶなは違うように見えました。作業しながらだったので、じっくりとは見られませんでしたが...。ちょうど、研究室で水菜とみぶなとナプスの写真撮影や植え替えのお手伝いをしていたので、観察できて良かったです。
前回の投稿での渡辺先生からのコメントで、生長曲線についてのアドバイスをいただきました。なるほど、ぜひやってみたい、と思いました。なので、1枚目の本葉が生えてきたところで計測し始めたいと思います。今できる範囲で楽しくやっていきます。
それでは、今日はこの辺で失礼致します。
2016.11.30 晴れ
コマツナ:56日目 豆苗・吹立菜:22日目
コメント
平岩さんこんにちは。
写真、きれいですね。なかなか大胆にクローズアップはできないものですが、どーんと写されています。
さて、豆苗はずいぶん伸びましたね。根も伸びて。単なる発芽でも植物の種類によって様相はずいぶんことなるでしょう。この地下子葉性によって2回収穫ができるという都合の良いことになります。つるの観察もいいですね。次は食べた感想になりますか。お待ちしております。
吹立菜は、写真を見る限りひどい徒長ではなさそうです。ここから室内栽培になりますね。今までは冬に近づく適応をしてきました。植物にとってはそれは自然なことです。ここからは室内環境ですので、植物にとっては未知の世界になるわけです。例えで言うと、人間が宇宙人によって別の惑星にワープさせられたようなものです。ここから観察、推測、修正が大事ですよ。
また、続き楽しみにしております。ラボスタッフ・オガタ