東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

野菜は元気です。(理:福島和紀)

2016年12月21日 (水)

今回の写真は川内サークル棟前に植えられていた花を撮ってみました。
今回は11日振りの投稿で、遅れ気味になってしまいました。実は先週金曜日に体調を崩してしまい、色々なものを後回しにしてしまいました。少し反省ですね。皆さんも疲労にはお気をつけください。


それでは観察の報告に入ります。まずはコマツナの様子からです。
まずは今日(12月21日)から一週間前12月14日のコマツナは

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そして12月21日のコマツナは

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前回投稿した写真からは11日経ってはいますが、ここまでくると葉が増えるだけで大きさは変わらないようです。
今までと違うところを挙げるならば、新たに出てくる葉の色は濃い緑色になっているということ、そして黄色くなった葉が落ちてしまったことでしょうか。

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見た目だけのことを言っていても仕方がないと思い、前回でも宣言したように一つの葉に注目して長さを測ってみました。
12月8日・・・2.0㎝
・12月11日・・・3.0㎝
・12月12日・・・3.1㎝
・12月14日・・・3.3㎝
・12月17日・・・4.0㎝
・12月20日・・・5.0㎝
・12月21日・・・5.2㎝

これをグラフにしてみると・・・

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比例している?と言ってもよいのでしょうか。抜けている日があるのでそこの変化はよくわかりませんが、ほぼ一定の速さで伸びているといえそうです。生長が止まるまではこれからも計測を続けてみたいと思います。

茎の太さは変わらず、どちらも約1㎝ほどです。触ってみるととても強固です。


続いてキャベツの様子です。
まず12月15日写真では・・・

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そして12月21日の写真では・・・

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全体として大きな形の変化はありませんが、生長している中心部は変化がみられています。

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この変化をうまく言葉にするのが難しいですが、それぞれ葉が内側の葉を包み込んでいるような、そんな様子がうかがえます。

紫色になっている葉は弱っている様子が見られませんが、黄色になっていた葉はだんだんしおれていきました。全体として作物が弱ってしまっている様子が無いので安心しています。



ここまでの観察で二つの作物に共通して言えることを考えてみました。
まずは、ある程度生長すると強固な茎を形成していることがいえるのではないでしょうか。そこまで生長できたのなら動く必要がないからなのでしょうか。
そして、生長のために自分の葉を壊して生長することがあるというのもいえるのではないでしょうか。前回いただいたコメントの通りだと思います。外部からエネルギーを得るようでは危険を感じて、手早くエネルギーを自分の体から得ているように思えます。
共通した仕組みが違う種でも見られていて面白いです。
今回はここまでです。

コメント

福島さんこんにちは。

 コマツナの葉の生長グラフいいですね。こうしてグラフ化すると見えてくるものがあると思います。これがサイエンス的なステップというものです。ゼミの目的でもありますのでこのグラフ化は大きいと思います。

 気が付くのはリニアな生長ですね。もちろん、面積にしたら、葉が相似形とすると日数の二乗で大きくなるわけです。すごい生長です。

 ただ、下葉が枯れてきています。生育環境が悪くなると書かれている通り葉を落として資源を中央に集中するものです。ただ、そんなに大きい可能性ではないのですが、肥料不足なのかもしれません。試しに細かく追肥をしてみて、それでも次々葉が黄変するようなら収穫してみたら、と思います。黄色くなりかけた葉は美味しくないと思いますので。エネルギー的な問題の他に、肥料不足だと元素を中央に集中させるために下葉を落とすことがあります。詳しくいえば、植物体内を移動させやすい窒素やカリウムの場合は特にそうですね。カルシウムの場合はそうでもなくて、むしろ新しい葉の方に影響がでます。プロ農家はそういった特性を知っていて、葉の様子を見るだけで何の元素が足りないか判断して肥料を調節するものです。

 キャベツは元気そうです。葉が寒さで紫がかり(糖分をアントシアニンに変換)、まるで葉ボタンのようですね。せっかくクリスマスなのでポインセチアに見立てて下さい。

ではまたお待ちします。  ラボスタッフ・オガタ