東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

ブロッコリー成長記録(58日~60日経過):降雪、退避、間引き(工:梨本一樹)

2018年12月21日 (金)

 お久しぶりです。1500字という新たな基準を設けられて、もういっぱいいっぱいな梨本です。いったい何がいけなかったんでしょうか。やはり毎週投稿のノルマを守れなかったのがいけなかったのでしょうか。

 さて、気が付いたのはついさっき。去年の最終報告は1月の前半に行われていました。私はそれまでに15回投稿のノルマを達成できるのか、とても不安です。それと、年末年始、実家に帰省するときの植物の扱いにも頭を抱えています。素直に持ち帰るのがベターか、それとも安静に置いておくか・・・。実家の埼玉への帰省は12月26日から1月5日を予定しています。留守にする期間を考えると何とかして持ち帰るべきなのでしょうが。

 また、温度計が消失したので、温度については代わりの目安としてこちらの情報を参考にしております。

 以下、頂いたコメントへの返信

 >>間引いた株は、こんなものかと思います。根の大半はやはりちぎれて土に残りますから。

 根はちぎれていたのですね。確かに根付いているようで安心しました。

 >>追肥はやはり株元から離した方がベターです。

 了解です。次の追肥では根の先に意識してみようと思います。

 >>気になるのは風が強い場所なのでしょうか。もしそうなら、油断すると茎が折られる可能性があります。

 強風と寒さ対策のため、屋内に避難させました。

 以上

 毎度のことながら、ネガティブな空気で記事が始まってしまいましたが、私は元気です。元気に観察してます。本題に入りましょう。


12月9日(日)58日目 最高/最低気温:4℃/-2℃

 

 驚愕、降雪。やってしまった。ばっちり積もってしまっている。なぜ天気予報を見なかったのか、なぜ屋内に避難させなかったのか。このまま枯れてしまうのではないかという不安が首をもたげます。

 葉っぱもしんなりしているし、どうしたもんかとオロオロしましたが、何はともあれ調べてみることに。「植物 雪」で検索して出てきたサイトによると、雪は光を通すし、水分も含んでいるので、重さにより植物に負荷をかけていない限りは気にしなくてもよさそうです。

 また、調べていて気になることを発見したのですが、どうやら植物は寒い中栽培されると甘くなるらしいです。この現象には"凝固点降下"が関わっているらしいです。こちらの情報によると、寒冷な環境に置かれた植物は糖分を多く生み出し、凝固点効果により自分が凍るのを防ぐそうです。植物って賢い。しかし、仙台はせいぜい夜中に氷点下になる程度で、日中から氷点下になるほど極寒でもないので、こういった防衛反応が顕著にでることはない気がします。

 是非とも甘くなってほしいところですが、それでも冷たい雪にさらされているのは不安なので、雪は鉢から掻き出しておきました。


12月11日(火)60日目 7℃/ー1℃

   

 鉢に植えてから約二ヶ月、当時に比べるとすっかり大きくなりました。三枚目の本葉もそれなりの大きさに育っています。しかし、寒さにやられてしまったのか全体的にしんなりとしょげてしまっています。

 しょげすぎて鉢の外側にまでめくれてしまっています。寒さおよび風によるものだと判断し、屋内に避難させることにします。部室の外で栽培していましたが、窓際のスペースをお借りして栽培することにします。部室には毎日誰かしらくるし、閉め切れば体温により屋外よりも暖かくなるので何とかなるでしょう。

 それと、これからより一層機構が厳しくなり、ブロッコリー同士の養分の取り合いが激化してしまうのではないかと不安になったので、もう一度間引きすることにしました。間引きするのは当分しなくてよいとのコメントを頂いておりましたが、どうせ最後にはやるのだからと思い、やってしまいます。今回は小さめの二つを間引きます。

  

 前回同様、根っこはちぎれてしまったらしく、なんだかこじんまりとした印象です。

  

子葉、本葉に分けてみました。大きい本葉はどれも3.5㎝~4㎝程の大きさでした。特に小さいパーツはこれから本葉になるであろうパーツで、くるくると筒状に丸まった状態です。生長途中の小さい本葉は2㎝程で、葉の外周がギザギザにくしゃっとしています。

 

 ちなみに新しい本葉はこんな感じに生えてました。葉っぱの枝分かれの部分から、先ほど述べたように筒状で生えています。こんなに小さいものが成長すると5㎝6㎝になったりするんでしょうね。感心。

 

 間引きした後はついでに追肥しました。こんどは根元にまきすぎないように注意しました。改めてみると寂しくなった感じがするし、かなり左に寄ってますね。こんな感じで大丈夫なのでしょうか。


 最後に、窓際のブロッコリーの画像で今回は締めくくろうと思います。ここなら強風にさらされないし、雪の影響も受けないのできっと大丈夫でしょう。光は蛍光灯からの光もあるし、問題ないかと思います。これによりしなびた葉が元に戻るかどうか、それは以降の記事で。(1688字)

 

コメント

梨本さんこんにちは

 写真数や文字数の設定は昨年まではありませんでした。それはおしなべて受講生がそれ以上の報告をして下さっていたからです。本年度はバラツキが大きすぎて、単位を出す講義としての体裁が難しくなったので基準が必要になりました。

 そしてここを強調したいのですが、1500文字という基準は、けっこう簡単にクリアできるものです。慣れれば難しくありません。社会で働く時、職種にもよるのは当然ですが、それどころではない量の文章を書かねばならない場面が頻繁にあるものです。企画書、総括、報告書、理系であっても完全に免れることはできません。まして個人で起業などすれば、最低限、人気のあるブログを毎日書かなくてはなりません。その訓練だと思えばよいのです。そして1500文字あれば中身が多少は伴わないと書くことができません。

 さて、最初にこちらのコメントに対してレスポンスして頂いてありがたいですね。

 帰省が10日間とのこと、まだ植物はそれほど大きくなく、水の蒸散が多くないことを考えれば実家に持って帰ることは必要ありません。やるべきことについては他の受講生へのコメントを参照して下さい。鉢の高さの1/3以下の腰水で対応できると思います。そして仙台に戻られましたら、もし水がまだあるようでしたら水を捨て、根の呼吸を復活させてあげればいいです。

 さて、それよりも写真で室内の暗いところに置かれているのが気になります。本年度の展開ゼミを通して、数えたことはありませんが軽く十回以上、室外に置いて育てるように書いてきました。光量が足らなくては全て無駄です。人間に例えて言えば、食事なしで励ましたり薬飲ませたりしても子供は育ちません。蛍光灯では、人間であればジュース程度にしかなりません。

 写真で川内のサークル棟が見えたのは懐かしくてよいのですが、その中でブロッコリーとは全く無理です。

 雪については、調べた通りです。雪は除去する必要ありません。むしろ鉢土の凍結を防ぐのにいいかもしれません。

 凝固点降下はその通りですね。高校化学で習う通り、凝固点は溶質の重量モル濃度が上がると、それに比例して低下します。植物は糖類をデンプンなどの多糖類で貯えますが、寒くなるとそれを単糖類や二糖類に分解します。すると同じ物質が分子の数にしたら増えますのでモル濃度とすれば上がるわけです。注意がいるのは糖を細かくしているだけで増やしているのでなく、エネルギー的に有利というわけではありません。人間にとってはデンプンは無味であり、甘い単糖類二糖類の方が美味しくて良いのですが。 

 間引きはこの時期でもよかったのでしょう。左に寄っても全然OKです。追肥も考えたのはよいことです。間引き株を分解してみたのは科学的ですね。

ではまた

ラボスタッフ オガタ