第11回 春くん(キャベツ)の成長記録(測定と追肥第2弾)(5160字)(文:坂谷日向)
2018年12月21日 (金)
こんばんは、文学部の坂谷です。
先週の金曜日から光のページェントが始まりましたね。今日(12月17日)のバイト帰りに見ようとわくわくしていたのですが、日~木は17時半から22時の間しかやっていないようで、真っ暗でした...。残念。ページェントのためだけに外出するのは気が進まないので、何かの帰りに見られたらいいなと思っております。
さて、今回は前回に引き続き、5鉢に分かれた春くん(キャベツ)の観察をご報告します。また、前回のコメントで、「細かいデータをまとめるように」というコメントを頂いたので、きちんと項目ごとにまとめを入れるようにしたいと思います。確かに「これくらい大きくなった」とだけ書いていて、「だからどうなるのか」という部分が抜け落ちていました。もうワンステップ先まで踏むこむようにします。
今回、温室作成の第2弾、温室の設置もお知らせする予定でしたが、成長観察のアを書き終えた時点で、既に1500字を超えてしまっていたため、2回に分けることにしました。次回は温室作成の第2弾、そして年明けにまた成長観察の報告をすることとします。
★今回の内容★
1.春くん(キャベツ)の生長観察
1.春くん(キャベツ)の生長観察
今回は12月17日(11時半、気温9.3℃、湿度56%)の様子を報告します。前回報告したのは9日の様子でしたが、ほぼ同じ時間帯でも1週間足らずで13.1℃から9.3℃と、3.8℃も低くなっています。急いでおり写真は撮れなかったのですが、日陰にある水たまりもぱきぱきに凍っていました。鉢植けの水が凍ってしまわないか少し心配です。
また、今回の課題として観測するとき基準にする葉の見分け方というものがありましたが、これからはキャベツの「2/5回転ずつ周りながら葉を出す」という特徴を用いようと思います。子葉から数えて何本目の葉であるかで見分けようと思います。何番目の葉であるかはア~オの各見出しの後に書いておきます。
加えて「どのように茎を測るか」という課題もありましたが、これはできる範囲で茎をまっすぐに保った状態で長さを測ることにしました。さらにこれまでの測り方では、葉が開いてきたときに長さが変わってしまう、という恐れがあったため、下の画像のようにすることにしました。
葉の時と同じように基準にする茎を決め、そこまでの主軸の長さと托葉までの側軸の長さを足した数を茎の長さとします。(実はお恥ずかしながら、どこからどこまでが茎なのか、茎にはどのような器官があるのかなどよく分かっていなかったので、こちらのサイトで調べました。)側軸の長さは写真のように矢印で表します(今回は定規と被ってしまいましたが、次回以降は被らないように気を付けます)。
ア)追肥有り・室外での温度調整有り 基準:茎・葉ともに4枚目(本葉2枚目){本来は5枚目だが、1枚ちぎってしまったので}
【葉の枚数 12月9日9枚→12月17日8枚】
葉の重さに耐えきれなくてなのか、ただ単にその方向に伸びてしまっているからなのかは分かりませんが、写真の向かって右方向に茎が曲がってしまっており、そのせいで1枚の葉が折れてしまっていました。気が付くのも遅れてしまい、写真のように枯れて(腐って)いたので、根元から折って捨てました(さすがに食べるのにも抵抗があったため)。そのため、一見すると葉の枚数が減っているように感じますが、折ってしまった葉の分が減っただけです。
【葉の長さ 12月9日8.8cm→12月17日8.9cm(+0.1cm)】
前回は伸びが1.5cmだったのですが、今回は0.1cmとあまり目立った変化はありません。追肥をしている鉢ではありますが、第9回のコメントで教えていただいたように、寒くなったため「防護態勢に入り、成長を止め」ているのかもしれません。また、写真を見ても分かるように葉が開いてきています。正しい成長なのか少し不安でしたが、こちらのサイトの画像をみると、はじめのうちに出ている葉はわりと広がっているため、正常な成長であると思われます。
【茎の長さ 12月9日5.5cm→12月17日5.4cm(主軸:2.1cm 側軸:3.3cm)(-0.1cm)】
今回から測定方法を変えたので厳密な比較はできませんが、全体像を見るという意味も含めて9日のものと並べています。しかしながら、あまり茎の長さは変わりません。また、ほぼ同じ角度から撮っていますが、葉が軒並み向こう側(太陽のほう)に向いているのが面白いですね。日照時間が減ってきているからかもしれません。また、本日(12月18日)は午前休だったので観測してみたところ、ベランダに日が差し始めるのが11時半頃、鉢に日が当たりはじめるのは12時過ぎからでした。日が当たらなくなる時間は観測できていないのですが、ベランダが西向きのため日没まで日が当たり続けると仮定すると、今の時期は16時半前には日没を迎えるので、鉢に日が当たるのは約4時間だけということになります。かなり短いですね...。
イ)追肥無し・室外での温度調整有り 基準:茎・葉ともに5枚目(本葉3枚目)
【葉の枚数 12月9日9枚→12月17日10枚】
写真を見ても分かるように新しい葉が巻いてきています。こちらのサイトによると、結球(葉が巻きはじめるの)は「外葉が10枚を越えるくらいから始まる」そう。そろそろ結球が始まってきているのでしょうか。同じサイトによると、「肥大充実期に土壌が過湿になると『裂球』してしまうため注意」が必要で、反対に「乾燥すると小玉になってしま」うそう。水やりの加減は一層気を付けていこうと思います。
追肥をやっていないのにもかかわらず、この鉢が1番よく育っていて驚いています。このままよく育つのか、はたまた途中で失速するのか...。ともあれ今後が楽しみです。
【葉の長さ 12月9日8.5cm→12月17日10.8cm(+2.3cm)】
前回の伸びしろは2cmで、今回は2.3cmと順調に育っています。アとは違い、成長を止めていないのも興味深いです。いつ頃成長が遅くなるのか、またはこのまま成長し続けるのか、観察していこうと思います。葉の形が丸から楕円形寄りになってきているように感じます。また、葉脈がより色、太さともによりしっかりとしてきたように見えます。
【茎の長さ 12月9日5.5cm→12月17日6.5cm(主軸:3.5cm 側軸:3cm)(+1cm)】
写真を撮る向きを間違えてしまったので、ぱっと見で分かりづらいのですがどちらも同じ葉です。こちらは+1㎝とアと比べて少し成長しているようですが、測定方法を変えたばかりなので厳密には言えません。また、葉の向きもアほどではないものの、少し太陽側に向いているようです。
ウ)追肥有り・室内での温度調整有り 基準:葉は5枚目(本葉3枚目)、茎は7枚目(本葉5枚目)
【葉の枚数 12月9日9枚→12月17日9枚】
イ同様、新しい葉が巻き始めています。そしてここで注目したいのは赤丸した子葉と青丸した葉のふちについてです。
まずは赤丸についてです。この葉は子葉なのですが、本葉と比べると黄色みがかってきています。この後の写真も見ていただければわかるのですが、若干しおれてきているように感じます。左側がウ、右側がイです。前回報告した赤紫色のものとは違い、自然な反応のように思います。
続いて青丸についてです。少々見難いのですが、葉のふちが紫色になっています。エ、オほど反応が強いわけではありませんが...。ちなみにこの鉢は追肥ありです。同じ追肥有りのアにも、追肥無しのイにも、この反応は見られていない(今後出てくる可能性はありますが)ので、追肥の有る無しによる違いはなさそうです。
【葉の長さ 12月9日7.2cm→12月17日7.4cm(+0.2cm)】
前回の伸びしろは1.3cmでしたが、今回は0.2cmにとどまりました。葉のふちが紫色になっていましたし、ア同様寒さで成長を止めているのかもしれません。そのほか色、葉脈等に大きな変化はありませんでした。
【茎の長さ 12月9日3cm→12月17日7.5cm(主軸:3.5cm 側軸:4cm)(+4.5cm)】
この鉢は前回、測定方法を誤り茎の長さが極端に短くなってしまったので、ほとんど比較できませんが、ア・イと比べると若干茎が長いのかなと感じます。この後結球していき、頭が重くなると折れてしまわないか不安です。
エ)追肥無し・室内での温度調整有り 基準:葉・茎ともに3枚目(本葉1枚目)
【葉の枚数 12月9日5枚→12月17日6枚】
生長が遅く心配していた鉢の1つですが、新しい葉が出てきていました。まだまだ小さいのですが、このまま順調に育てば良いなと思います。(写真がなくすみません)
しかしながら、子葉がいよいよ本格的に枯れてきました。茎や本葉はしっかりしており、ア・イ・ウと比べても真っ直ぐ伸びているのですが...。前回のコメントを受けて、こちらのサイトやこちらのサイトでキャベツの様々な病気について調べてみましたが、どれも違うような気がします。しかし、結球時の病気も知ることができたのはとても良かったです。他の鉢も含め、しっかり予防しようと思います。
【葉の長さ 12月9日2.5cm→12月17日2.9cm(+0.4cm)】
生長度合いは前回が+0.2cm、今回が+0.4cmと少しずつではありますが、大きくなっています。心配な色に関しては、緑色も紫色もそのまま濃く(暗く)なっているように感じます。
【茎の長さ 12月9日3.3cm→12月17日3.8cm(主軸:1.8cm 側軸:2cm)(+0.5cm)】
主軸・側軸それぞれの長さはア・イ・ウに比べると圧倒的に短いのですが、主軸と側軸はほぼ同じ長さで、これはア・イ・ウも同様でした。ちょうど第6回で報告した1番生長している鉢(現在のア)と大体同じくらいの大きさなのですが、そちらは4日後には2回りも3回りも生長していて、やはり気温の差というのは大きいのだなと感じました(ただせさえこの鉢の生長が遅いのもありますが)。
オ)追肥有り・温度調節なし 基準:葉・茎ともに3枚目(本葉1枚目)
【葉の枚数 12月9日6枚→12月17日6枚】
葉の枚数は増えていませんが、追肥をしたおかげでしょうか、下の写真も見て頂ければ分かるのですが、前回よりも緑色が増えた(紫色が少なくなった)ように感じます。また、まだまだ間引きができるほど大きくはないのですが、これからは今のところ1番生長している株に焦点を絞って観察していこうと思います(今回まではまちまちの株です)。目印として余っていた鉢底石を置きました。赤丸をしたものがこれから観察の中心となる株です。
【葉の長さ 12月9日2.9cm→12月17日2.9cm(+0cm)】
エ同様子葉は枯れてしまっていますが、明るい緑色の葉が増えてきました。1度紫色になった葉が再び緑色に戻るのかは調べてみても分からなかったのですが、少し持ち直してきたようで良かったです。
【茎の長さ 12月9日3.4cm→12月17日4.2cm(主軸:2.2cm 側軸:2cm)(+0.8cm)】
前回の伸びしろが0.4cmで、今回は0.8cmでした。茎が伸びるのは必ずしも良いことではない(徒長等あるので)と思うのですが、主軸と側軸の長さも大体同じで、ア・イ・ウ・エともほぼ変わらないので、この寒いなかで少しずつ生長しているのは嬉しい限りです。しかし少し心配なのが、茎の色が少し白に近くなっている点です。(葉の長さの写真の方が分かりやすいと思います。)ア・イ・ウは黄緑、エは紫がかった白なのですが...。しかし、よく考えてみると市販のキャベツも芯の部分などは黄緑というより白の方が近いですね。恐らく大丈夫だとは思うのですが、注意深く経過を観察していこうと思います。
ア・ウ・エ・オは寒さのためか生長が停滞しており、反対にイのみはほぼ変わらないペースで生長し続けています。茎はあまり伸びなくなるので、これから葉の枚数と葉の大きさが主な比較対象になると思われます。
また、12月17日に追肥の第2弾を行いました。第9回と同様にア・ウ・オの鉢の縁の3~4カ所に3~4粒ずつ埋めました。少し多めにあげる、こまめに様子をみるなど、水管理に気をつけています。
さらに、これは特にア・イ・ウに顕著なのですが、茎が曲がってしまっています。先日土寄せをしてみたのですが、イの鉢で根っこが出てきてしまいました。
新しい土と前の土の吸水性の違いなど心配なこともありますが、これは新たに土を被せた方が良いのでしょうか。
更新が遅れてしまい、申し訳ありません。もっと事前に書いて余裕を持った投稿をします。
今週の記事は温室・帰省中に関することばかりなので、来週まとめて紹介します。
●今日の画像●
今回の記事の最初に使った画像は、Mr.ポテトヘッドという「TOY STORY」にでてくるキャラクターです。妹が大好きなキャラクターで、大会の前日に応援の意味も込めて作って写真を送ったのですが、帰ってきた反応は微妙でした...。ジャガイモをベースに魚肉ソーセージと海苔、マヨネーズで作成しました。次回はキャベツ1玉を使った、三ツ目のモンスターを作ります。お楽しみに!
★次回予告★
・春くん(キャベツ)の温室作成②
・春くん(キャベツ)の土利用
最後までご覧くださり、ありがとうございました。
(文字数:5160字)
コメント
坂谷さんこんにちは
いやあ、いつも通り最初の写真が凄いものです。食品の域を超えたものですね。その写真を受け取った妹さんも感慨深いでしょう。次回キャベツ丸ごとの作品でしょうか。凄いものです。
そして撮った写真は親にも送っているのでしょうか。父親が喜びそうですね。
手前事ですが、先日娘のところに行った際、なんとケーキを買って用意してくれてました。私の誕生日、ということだったんですね。正直私は自分の誕生日を忘れていました。娘の誕生日は憶えているんですが、自分のことはどうでもいいというか本当に忘れていました。そのケーキを買ってくれたこと自体は別に嬉しいことではなく、そんな気を遣ってもらうことはないというか親に気を遣うものではないと考えるのですが、気遣えるまでに成長したことが嬉しいものです。そういえば4年前には誕生日プレゼントにパソコンを買ってもらったことがありました。
来週に逆に娘が帰省してきますが、クリスマスケーキでも作って待ってようかと思います。時期にはもちろん遅いですが、どうせぼっちの非リアクリスマスだったでしょうから、せめて私が二段ケーキでも作ってあげたいですね。
そんなことを言いながら、近日は仰る通り気温が下がり、水が凍る季節にもなりました。鉢受けの水は凍っても大丈夫です。
報告では最初に測定法に改良を加える様子がありますね。そうです。実験というものは途中で不具合が往々にして見つかるものですから、訂正はし続けなくていけません。
そして測定では定規をしっかり当てて、綺麗に測定してます。そういった信頼性を目に見える形で教えてもらえると助かります。
出てきた数字を見るとやはり成長は非常に遅くなりました。防寒態勢、確かにそうです。日照時間について、4時間というのはそんなに短くありません。生育に支障があるほど悪くありません。
結球が始まっているのかどうか、写真だけではまだ分かりません。篤農家レベルになると一瞬で判断するものなのですが、なにぶん私もその域には遠いものですから。そして水やりは今のうち加減しなくとも大丈夫です。本当にキャベツの形になるまでは基本通りにして下さい。
施肥の効果がまだはっきりしないようですが、思うような結果になってもならなくても貴重な示唆になりますので、先が楽しみです。
葉の縁に出ている紫、これもアントシアニンですが、ストレス反応だとしても正確に何のストレスなのかは分かりません。まあ、写真さえとっておけば、あとで考える材料になるでしょう。
エ、オ、について他とは明らかな差ですね。色といい大きさといい、何の障害があるのか、まだ判別付きませんがこれほど変化があるのは面白いですね。同じ人が育てている、つまり水やり等の基礎的栽培条件は同じということを意味していますから、違いの原因究明が楽しみです。実験科学ではとにかく「差がある」ということが重要で、それがなければ考えようもありません。よく「現象をつかむ」という言い方をします。それが研究の出発点ですね。
施肥によって持ち直したのかどうか分からないのですが、紫色の葉が再び緑色になるのは珍しいことではありません。というより緑の葉緑体と紫のアントシアニンの単なる量的な比率で色が決まります。私が面白いと思うのは、何かの障害がある方が、施肥の効果がないことが多いのです。施肥を使える体力もありませんから。そうでないとすれば、土そのものに最初から施肥が有効になりにくかった何かの原因が隠されている可能性が出てくる、ということで。
鉢表面に根が出てくることも普通です。この場合盆栽的に育てていますから、そもそも根を伸ばせる領域が絶対的に足らず、土表面に見えてくることもあります。
次には温室の報告ということでお待ちしています。
全然関係ないことですが、文学部の人ということで話を出します。最近知ったのですが日本語の語尾につける言葉、これを「位相語」といって日本語に特徴的な多彩な表現なのですね。「~よ」「~わ」「~だ」は多いのですが、「~ぜ」「~じゃ」など沢山あります。
方言でも、例えば「そうだすけ」(新潟)「んだべした」(宮城県南部)「んだはー」(福島県北部)「んだずー」(山形)「そうだずら」(山梨)「そだがー」(岡山)「せやねん」(大阪)などちょっと考えただけで多いですね。
アニメキャラでは差をつけるため助詞を流用して「~かしら」「~ぽい」をひたすら全部の語尾に使ったりもします。
テレビでよく出てくる、いわゆる田舎者が使う言葉「おねげえでございますだ」とかはニセ東北方言で実在しませんね。
そして日本語の人称語の多彩さ「わたくし」「わらわ」「われ」「余」「俺様」「自分」「吾輩」、「お前様」「貴様」「うぬ」「てめえ」など、もう本当に短くても、帝国貴族令嬢から宇宙的悪の帝王までいろんな表現ができます。
いや、ネットで小説を書いて投稿などしていると、そんなことばかり考えてしまい、展開ゼミとは全く関係ありません。
ではまた
ラボスタッフ オガタ