東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

第15回 春くん(キャベツ)の測定総まとめ(2592字)(文:坂谷日向)

2019年1月21日 (月)

 みなさん、こんばんは、文学部の坂谷です。テストにレポートにテスト。既に忙しい毎日を過ごしております。てんてこまいです。

 金曜日からは最終発表の投稿がスタートしました。私も今日の夜、遅くても明日中に投稿する予定です。今回はその最終発表の前に現段階での野菜の生長をまとめておきます。いろいろと条件を変えて育ててきたので、それを比較していこうと思います。


★今回の内容★

1.葉の枚数の比較

2.葉の長さの比較

3.茎の長さの比較

4.全体を通して


1.葉の枚数の比較


20190119232737-4008f986b280c84d3ede9d58fe612d9d66d51fb4.JPG

 アが追肥有り・室外での温度調整有り、イが追肥無し・室外での温度調整有り、ウが追肥有り・室内での温度調整有り、エが追肥無し・室内での温度調整有り、オが追肥有り・温度調節なしです。葉の枚数は12月の頭、追肥をしたのに合わせて数え始めたのでデータが少ないのがいささか難点ではありますが、これからでも見つけられるものを拾っていこうと思います。11月半ばでアの枚数が減っているのは枯れていたのをちぎってしまったからです。

 ア、イ、ウ、オは多少の横ばいはあるものの、全体的には順調に葉が増えています。ア、イ、ウは1週間あたり約0.6枚オは1週間あたり約0.3枚ずつ増えています。ア、イ、ウの方が総枚数も多く、生長速度も速いようです。オとア、イ、ウの違いは温度調整をしているか否かなので、植物にとって温度がいかに大切かと言うことが分かります。しかし気になるのはエです。最初の2週間程度はオと生長度合いはそれほど変わらなかったのですが、その後はずっと枚数が変化しません。横ばいのままです。同じ室内管理のウや追肥無しのイ、オがきちんと育っているのを見れば、これといった原因は分かりません。土は100均のものですが、ウやオも同じものを使っています。

 また、追肥を与えていて、なおかつ温度も調整しているアやウが順調に育つのは予想の範疇だったのですが、まさか追肥を与えていないイがここまで大きく育つとは思いませんでした。唯一毎週葉が増えていた鉢です。

 

2.葉の長さの比較

20190120004919-33a2ed7713f92ba65ed51407c5e2d7b0e6b32a5d.jpg 1のア~オに加えて、カがありますが、これは追肥有り・室内でのみ管理のものです。そして、12月8日の時点で折れてしまったので、それまでのみの記録となります。また、イ、ウ、エ、オは10月27日からの計測です。

 初めの頃はア~カどれも大差は無いように感じますが、今ではすっかり二極化しています。急に生長が止まった等の特徴は見られないので、全体的にあまり寒さの影響を受けていないように感じます。ア、イ、ウは枚数同様順調に育っていますが、ア、イに比べるとウの生長速度が少し遅くなってきているのが気になります。さらに面白いのは追肥を与えていないイがアよりも大きく生長している点です。イがアの葉の大きさを越し、ウの生長度合いが少し小さくなり始めた12月8日は温室、室内での温度管理を始めた日です。室内より室外の方が植物的には良いのでしょうか。お正月休みに丸々室内に入れていたのも問題がありそうです。

 そして、全く育っていない方ですが、これはエ、オともにあまり変化が見られません。ア、イは1週間あたり約0.8cmウは1週間あたり約0.4cm生長しているのに対し、エ、オは1週間あたり0.1cm強ほどしか生長していません。もともと生長の悪かった2株ではありますが、ここまで結果がはっきりしているのに、何が原因になったのかが分からずモヤモヤします。第4回鉢を移動したときに根を切ってしまった、たまたま発育の悪い株だったなどの問題も考えてみましたが、エはともかく、オはもとの鉢なので移動をさせていないこと、4株ともあまり生長が見られないことから、その線はないかなと思います。

 

3.茎の長さの比較

20190120024403-736a7e84d1ff189ed5ec7068aaa2f8e0e079c61a.JPG 何度か測定方法を変えたので、多少短くなったり、長くなったりしてしまっていますが、こちらは全体的に順調に伸びているようです。葉の枚数や長さほど、ア、イ、ウとエ、オで違いがないように感じます。イを除いた4つの鉢はだんだんと伸びなくなってきています。これは第4回のコメントで「キャベツはある程度茎が伸びたら以後はあまり変わらず、葉の数と大きさで成長するものだ」ということを教えて頂いた通りですね。カが折れてしまった時の長さを見てみると、現段階でその長さを超しているのはイのみなので、いかにカが徒長してしまっていたかが分かります。

 

4.全体を通して

 3点に注目して比較してきましたが、茎を除いておよそア、イ、ウとエ、オの二極化が見られました。初期段階からア、イ、ウとエ、オで生長度合いが違っていたので、一概には比較できませんが、少なくとも温度管理は植物の生長にとってとても大切な役割を担っているようです。追肥に関しては、イを参考にすればあまり関係が無いかとも思えますが、前回のコメントにもあったとおり、オを参考にするのであれば追肥があった方が良いといえるでしょう。今後温かくなると、また変わってくるかもしれないので、条件はなるべく変えずに育て続けようと思います。


●コメントへの対応●

 前回のコメントで「一ヶ所6粒はあったほうがいい」というアドバイスを頂いたので、次回の追肥(1月22日)からは6粒ずつあげるようにしようと思います。また、葉の傷っぽいのもそのままにし、もし何か変化があったらアップするようにします。軟腐病についてもとりあえずは様子見ということで、気をつけてみておこうと思います。

 

●今週の記事●

 今週の記事はオガタさんがあげていた研究室で育てている植物たちについての記事です。私のキャベツとも比較してみましたが、なんと...ここまで違いが出るとは...。内側にの葉が笹舟のように器状の形をしているのが興味深いです。

20190120032346-63603a27823bb8c68c15daca24f3686189998b62.jpg 拡大したら画質が悪くなってしまって申し訳ないのですが、私のは器状というより、青虫みたいにくるんとしています。まだまだ葉の枚数も少ないですし、キャベツ感がありません。鉢植えの大きさもあるのでしょうか。

 

●今日の画像●

 今回は父直伝のアボカドスパゲッティで作ったケロロ軍曹...のつもりだったのですが、なんでしょう、これは...。ヘンテコな生物にしか見えません。父にはアフロ?と言われました...。いつかリベンジします! 次回は忍者の子供向けアニメに出てくる頭でっかちな悪役を作ってみようと思いますが、これもなかなか難しそうです...。

 

★次回予告★

・最終発表

 

最後までご覧頂き、ありがとうございました。

(2593字)

コメント

坂谷さんこんにちは

 世の中受験シーズンです。私も受験といえば、高校受験も大学受験もいろんなエピソードがあります。しか~し、娘の受験がその百万倍大変でした。親の私が願書書きまくり、合計17枚くらいになりました。そして受験前日には二人で移動、私は下見です。世の中では子供の大学受験に親が付き添うなど自立心を妨げる言語道断と言われているところですが、私にはどこの惑星の話か、です。そして当日、受験会場まで当然二人で行くのですが、いろんなことがあるもので、一度などそこでいきなり「......時計が壊れている...」という事態もありました。(その時一緒に走って、生協を早く開けさせ調達してくれた日本女子大の職員さんには感謝です)

 話は報告に戻って、アボガドスパゲッティでのアートが凄いですね。見え方は難しいのですが力作です。思ったのですけれどキャラのチョイスが既に面白いですね。次は結構難しいもののように思います。

 さてさて、今回はデータのまとめです。現象があるとして、こういったまとめをして初めて意味があります。どんな結果になったのか、しっかり見ていきましょう。データ採取は細心に、まとめは大胆に、です。

 個別に見ていくと、葉の枚数ではしっかりと差が出たのですね。そして結論的には温度が支配的である、と言えそうです。逆に言えば肥料は支配的要因ではなかったのですね。しかし室内栽培では肥料も意味がありました。何とも妙には感じますし、理屈を作れなくはないのですが、いずれにせよこれは「実験事実」ですので「こんなはずではない」とは思わず、そこから考えなくてはいけません。

 葉の長さも同じ傾向を示しています。これで葉の枚数と葉の長さがどちらも成長度合いを表わす指標であるということでしょうか。そして結果からいろいろなことを抽出されています。全体的な生長度合いや、個別の株の違いなど。寒さの影響や取り込みのことはどちらかというと考察的なことですね。データから抽出できる「事実」と「そこからの仮定・類推」を分けながらしっかり考えましょう。

 茎の長さもその通りです。しかし、豊富なデータ量があるとここまで綺麗で、説得力あるグラフが描けるものですか。少なくとも温度による生育の違いは明確にでること、そして生育の違いは初期からずっと変わらず、ここまでの日数では後からキャッチアップやクロスしたりしないものなのですね。

 文学部もいろんな専攻があるかと思います。心理学を選んだりすれば実験科学的に行うこともあるでしょう。今回のは一つの雛型でした。

 さて当研究室の植物たちはただの参考です。そちらのキャベツも拡大写真で葉が丸まっていますから順当です。

 ここからのことですが、最終報告後もこの場はずっと開かれています。なので受講生は好きなタイミングで何でも報告下されば返信します。ホームページ上に最終更新日が表示されることで見逃すということはないと思います。文字数や写真の制限はありませんので、暇があれば自由に使って下さい。こちらは受講生の植物も気になるのですが、受講生のこともずーーっと憶えているものです。

 キャベツはこのまま栽培続けるとして3月下旬には花を付けると思います。それが栽培のリミットですね。キャベツはそれで枯れないのですが、一つの区切りになります。もちろん小さくても結球してくれれば万々歳です。

 キャベツの結球前の葉をあんまり食べたことはないのですが、調理法によっては充分使えるものと思います。個人的に、私の小学校(倉敷市立五福小学校)は青汁を生徒に飲ませるという恐怖の「青汁給食」というものがありまして、そこで使われていたのがケール(結球しないタイプのキャベツ)で、なんだか怖いです。当時児童は一口でもその青汁が減るよう工夫していたものです。

 

20190121183502-f01c7a159f48e682f4a9bc083fa67d831f38825c.JPGではまた

ラボスタッフ オガタ