東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

カブの成長について(栽培66~73日目)(農:川口菜月)

2020年12月21日 (月)

最近は雪がほんとにすごいですね。写真は一人で作った雪だるまです。雪に対してはまだ珍しいなという思いがあって、雪の日はテンションが上がります。

66日目 9:00 気温4℃ 湿度60%

20201221100957-1729d07493f0f2e9b5aac486729147d62a216520.JPG20201221101012-f2d90265f91728c317376e03d231b5669af714fd.JPGカブの成長は変わりないですが、葉に異常が見られました。写真のように主に葉の端の部分がへなへなと弱って色が変わっています。20201221100922-9987686e3d7c7b154e1c152a21d791b4f9cd5d6a.JPGこれが見られる葉は全体的に色が薄めで、小さいものが多いです。少し調べましたが、何か特定の病気というよりは、栽培環境に原因があると感じます。最近とても寒くなってきたことと、日光が当たらないことが関係しているのかもしれません。また、塩素が欠乏すると同様のことが起こるらしいので、追肥も行い、(肥料に塩素が含まれるのかはわからないですが...)水をたっぷりと与えました。

68日目 8:30 気温2℃ 湿度70%

20201221101032-bc6bd74221445ef6c4cdb5deefdf01fa78efbe2d.JPG20201221101045-88b0d749cf8e9c732c5ad0c96f1c3268f8820137.JPG一昨日から降り続けている雪も積もり、厳しい寒さです。前回の観察で葉に異常が見られたカブですが、変色部分は増えておらず今のところ悪化はしていないです。8:30の観察時ではむしろ良くなっているように見えました。色の変色は水や肥料の状態のせいだったのでしょう。しかし、10:30にもう一度見ると葉が全体的にしなしなとして元気がなくなっていました。調べてみると植物がしおれる原因の一つに急激な気温の変化があり、9:00頃から晴れて日が当たっていたため、おそらくこれが原因だと思われます。気温計では5℃とそれほどの変化ではないですが日光が当たったことで急激な変化になってしまったと考えられます。このまま枯れることはないだろうし、日光も成長に必要なのでこのままにしておきます。

73日目 9:40 気温2℃ 湿度72%

20201221101234-007fef6a3964be69620360e8b068053213b61566.JPG20201221101246-537e078a63ee72b4cd51bdd83bbbd40ee1008a58.JPG全体的にしなしなとして元気がない印象です。高さも見ても9~10cmと低くなっていることからピンと上を向いていた葉(茎)が広がったことがわかります。しかし、葉の端の変色部分は広がっておらず、むしろ改善されたように感じます。20201221102029-b469ffeac42cd9640c3ebe0c71038d1911443b8b.JPG最近は本当に寒い日が続いており、そのことが影響していると考えられるので、少しでも暖かくなってほしいです。また、計測し続けている葉の大きさは11cmでした。20201221101313-568adff6fc6185c557b5ce6f32511ee3bdb87638.JPG

ここで帰省時に利用する自動給水ノズルの実験を試してみました。自分で穴を開けるタイプのもので土中の水分が無くなると自然に空気が入り、水が出るというものです。20201221101957-2e78342554e49478beeb54e5bb3f5144a30965ab.JPG20201221102011-8c94ddc7db6175bbdfe54e5208ca912cff04d204.jpgベビーリーフ栽培に使っていた。植木鉢にまずたっぷり水をやり、土が湿った状態でノズルを突き刺しました。水は一気に流れることなく、じわじわ減っていて現在4日目ですが500mLのペットボトルの水はまだまだ残っています。20201221101938-a1e334c634945c2111305fa5d0c58dd571a24d16.JPG直前まで様子を見ようとは思いますがいまのところ2週間程度なら十分もちそうです。

コメント

川口さんこんにちは

 その冒頭の写真に味わいがありますね。何というか、まるで墨絵のような見事な陰影と奥行き感です。それがまた寂寞を現しています。

 どうでもいいことですが「達磨」というのは六世紀くらいの偉い僧侶で九年間動かずに座禅をしたそうです。

 まあ雪が珍しいのは今だけだとは思いますが、そうはいってもポジティブ思考を長持ちさせるのは大事なことです。仙台(というか東北地方の人)は自分が寒いのが嫌なので、あまり北へ行く発想がありません。寒い時期に北を旅行したり、あるいは進学で北大へ行ったりするのは関東関西の人が多いようです。私自身、「津軽の地吹雪体験ツアー」とか全然興味なかったりします。

 66日目のコカブ、多少ヘナヘナしている気もしますね。寒くなるとそういう症状も現れます。水やりと施肥は普通通り行いましょう。塩素不足はまず起きないのでそこは気にしないで下さい。私がいいな、と思ったのは66日目と68日目の写真がほとんど角度・大きさが同一であり、その意味で良い撮り方です。

 気温の急上昇で萎れるのはよくあることで、地温が低いと根の活性が弱く吸い上げる力が弱まっているためです。しかしながら本当に水がないというのでなければ、タイムラグはあるものの回復するので心配は要りません。

 さて今回の報告のメインは「簡易給水器」でしょうか。ペットボトルタイプで安価でいいですね。ネーミングは微妙な感じがあるのですが......

 ともあれこの実験は大変に有用です! 今まで展開ゼミにおいてきっちり事前実験をした人はまずいませんでした。それで失敗する人が多々いるので、川口さんがここでやっているのは非常に意義があることです。私自身こういう器具が本当に使えるものかどうか知らなかったので面白く思いました。

 この器具を使い、標準的なピン一個の穴あけで、この鉢の条件(大きさということでも植物無しということでも)ではそういう結果なんですね。3日間で百ml弱という給水量でしょうか。つまりは鉢に一回分の水やりが150mlとして、4日に一回それが必要とすると、12日間はこの器具一つで保つと計算されます。もちろん植物の蒸散があり、思わぬ陽気ではそれが増えるのですが...... しかも水の残量や土の乾き具合で給水量が変化するとも...... 

 しかし思ったより使えそうな器具ですね。実際に使う時には鉢受けも併用し、何かの拍子にどかっと水が流れた場合のセーフティーをしておくべきだと思います。

 ではまた記事お待ちします。今週末は暖かいクリスマスらしいですがどうなりますか......

 ラボスタッフ・オガタ

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