東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

2021年度展開ゼミを終えるに当たり。。(1/23)(渡辺 正夫)

2022年1月23日 (日)

 秋の天候が不順で寒さも厳しい状況下での展開ゼミになりましたが、金曜日には〆切に遅れる方はおらず、展開ゼミを終えることができました。お疲れ様でした。栽培的に満足がいった方、そうでない方もいたかもしれないですが、栽培力の善し悪しを評価するものではなく、野菜の生育の現状がどうなっているのか、何が変化したのか、栽培の問題点はないのかと言うようなことを観察し、わかりやすい文章を書くことを心がけるということが、講義の目標です。また、毎週一回は講義があるはずなので、その代わりに観察して考えたりしたことを記事にすると言うこと、つまり、一定期間で継続的で自主的な取組にもチャレンジしてもらいました。観察をする、それをどの様な形で表現するかなど、それぞれの受講生で違いはあれ、それなりの形でできていたと思います。難しかったのは、例年のことですが、一定間隔で継続的に記事に仕上げるというのが難しかったようですね。大学の講義であれば、講義室に行くと言うことで、ある種のモチベーションを作れるのだと思いますが、自宅に戻って、ある種、一段落というところで「観察」をして、記事を書くというのは大変だったと思います。講義時間以外の時間としての「自宅での学習時間」は他の講義よりも大きくなったのではないでしょうか。自主的で継続的なことを行うことの大変さとできたときの達成感は理解できたと思います。是非、次年度以降の講義でも自主的に継続的な取組を大事にして下さい。今まではなしえなかったことを達成できると思いますので。

 今年度は春先にいくらかのコロナの感染拡大があり、夏の間がデルタ変異が拡大していた状態で、年が明けてからオミクロン変異が拡大している状態です。状態にあわせて、対面での講義が可能になったり、オンラインのみだったり。いろいろなことをやりたい、できる世代でこうした制限があったのは大変だったと思います。そうした中でも、この講義は「オリエンテーション」の代わりに、個別に研究室に来て、栽培に関わるものを配布し、参加者の顔を合わせると言うこととして、zoomでのmeetingでスタートでした。HPの上だけでの双方向でしたが、それぞれの受講生が学び取ったものがあるのは、最終報告の記事を読んで理解できました。できたことはさらに伸ばし、できなかった、満足ではなかったことは次の年度(学年)で達成できるようにして下さい。

IMG_3236.JPG 今年度の受講生を見ていると、過去記事を参考にして、どのような見せ方をすると記事がわかりやすくなるのかと言うことはよく工夫されていたと思います。新しいことを始めようとするとき、過去の先達がどの様なことをしたのか、それが機能しているのかなどを調べることは大事なことです。研究という点から見たら「先行研究」と言う呼び方をしています。これからの多様な取組でも、過去の歴史を振り返り、これは取り入れる、この失敗はしないようにする、と言うことを、是非、考えるようにして下さい。深い学びにつながると思います。

 「観察」をすることでもちろん、栽培している野菜に興味を持ったということはもとより、身の回りの自然、スーパーの野菜などにも興味を持ったという記事も散見しました。あることをきっかけにして、その関連事項に興味が波及することはよいことです。是非、これからも「観察」に限らず、なんかの学びをきっかけにそれが思わぬ所に発展することが異分野に興味を持ち、分野を超えた融合にもつながるのだと思います。それぞれの受講生が自分の学びをその時々で振り返ることで、こんなことに気がついた、新しい興味に発展したということがこれからも起きると思いますので、今回の中間報告、最終報告のような振り返りを大事にして下さい。

 去年までの数年間はタキイ種苗トーホク渡辺採種場とのコラボで展開ゼミを行ったのですが、今年度はデルタ変異の拡大もあり、準備ができなかったのが、開講した側としては申し訳ない点です。最後に種苗会社の方からコメントをもらうようにしていましたが、今年はないので、過去3年の記事のlink(タキイ種苗トーホク渡辺採種場)を入れておきますので、それらを参考にして下さい。さて、収穫がこれからという方は自分で栽培した野菜の感覚を投稿して下さい。また、誰かの受講生のコメントにも書いたように、種子はビニールの袋に入れて、シリカゲルのような乾燥剤を同封して冷蔵庫に入れておけば、数年は使うことができると思います。記事の投稿はいつでもwelcomeですので。また、皆さんとどこかでお目にかかるときがあるのを楽しみにして。

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 わたなべしるす

 PS. 授業評価を頂いてない受講生の方がいましたら、HPからも案内したとおり、前期と同じ形式です。対応して下さい。