東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

カブ、やっと間引きの回(農:柚原結女)

2023年11月24日 (金)

こんばんは、柚原結女です。
投稿を溜めてしまっていたので、ここ数回が続けての投稿になってしまうこと、ご了承下さい‥
期間はおよそ時系列で1週間分の内容になっていますので、お願いします。

今回は、カブの間引きについてが中心です。

それでは、本題に入る前に‥
写真は、地元福岡の小学校の裏山です。
最近急に寒くなってきました。
寒くなってくると、地元が恋しくなってしまいます‥

目次

1. 徒長の経過
2. 間引き


1. 徒長の経過

栽培から39日午後9時半頃(気温7℃、湿度62%)のカブの様子です。徒長対策として、水やりを減らしたり、土寄せをしたりしてきました。
茎の傾倒は、以前より改善されたように見えましたが、まだヒョロヒョロとしています。

IMG_5703.JPG


2. 間引き

栽培から43日目午後7時頃(気温10℃、湿度84%)のカブの様子です。
個体の背丈は大きいものでおよそ10cmです。本葉はどの個体も4枚でした。
徒長による茎の不安定さは続いています。
個体によって成長度合いに差があり、鉢の中心では比較的大きな株が、端の方では小さな株が多いと感じました。

IMG_5728.JPG

ここで、尾形さんが指摘されていた通り、間引きのタイミングを失っていたことを報告します。
理由としては、徒長の影響でほとんどの個体がヒョロヒョロとして倒れがちでどの個体を残すかに迷っていたことと、様子を見ると言いつつ、手が回らず、忘れていたことです。
間引きは、成長段階ごとにたいてい3回ほどあることは把握していましたが、この成長過程では3回目に当たるようです。つまり、間引き1回目と2回目ができていないことになります。
カブの様子はというと‥葉が重なり合っているところが多く、個体同士の間隙が小さいように感じられます。少し萎れている葉も観察されました。

やっとのことで、間引きに入りました。カブ、遅くなってごめん‥!
現時点で個体は10株ありました。
間引きした個体は4株で、比較的茎が細く曲がってる、成長度合いが悪いものという観点で選びました。
間引き前後の写真が以下の写真です。

IMG_5726.JPG

IMG_5729.JPG

次に、間引いた個体を一つ取り上げて、観察したいと思います。
IMG_5731.JPG

上の写真は、間引いた個体の1つです。
まず目についたのが、茎の曲がりと根の貧弱さです。
茎の曲がりは、おそらく徒長と風によるものであると考えられます。
茎が細く曲がっている、比較的成長度合いが小さい個体を選抜して間引きをしましたが、抜いてみると、根の生育の悪さと葉の元気の無さを特に感じました。
根は、ヒョロヒョロとしており、簡単に切れました。しかし、およそまっすぐに成長していました。
子葉は萎れて縮んでおり、本葉4枚についても葉の縁に萎れが見られました。
観察してみると、葉の萎れは多くの葉で観察されました。しかし、大きな葉や、真上から見て目に付く葉では、症状が少なく感じられました。
明らかな生育不足を感じます。

原因としては、日光不足、水分不足、栄養不足などが考えられますが‥
水分に関しては、水やりの回数は徒長対策のために3、4日に一回程度まで減らしていましたが、ここ数日は天気が悪く雨の日が多かったので、土は比較的湿っていたと思われます。
また、間引きをしなかったために、個体間の競争が助長されたことも考えられます。
肥料不足については、そもそも頂いた土に含まれる肥料の種類や成分、量が不明であるため、考察は難しいと思っていましたが、私よりカブにとって栽培環境の良いと思われるひまじさんの投稿を見たところ、その可能性もあると思いました。

ここで、改めてお伝えしますが、記事を書いているのは今の私で、栽培から43日目の私は、今回の間引きと観察から、間引きが不足していたことで葉の重なりが多くなり、個体間で葉に供給される日光量に差ができてしまい、生育に差が出たり葉の萎れが生じたりしたと考えました。
ですので、対策としては間引きを行うことにしています。追肥は行いませんでした。

尾形さんの指摘の通り、観察と投稿に時間差があると、色々不具合が生じますし、双方向の意味が無くなってしまうと私も改めて感じました。
これから後半戦になるのでしょうか。自分を奮い立たせつつ、双方向の講義のメリットを活かして、カブを無事に収穫できるように、工夫をせねばと感じました。

今回の投稿はここまでです。
それでは、よろしくお願いします。

コメント

柚原さんこんにちは

 とてもいい画像を多く持っていらっしゃいますね。絵になります。というか、それが小学校の裏山!? とんでもなく山村に思えるのですが、福岡なんですよね。いや、仙台も端っこのほうは山ばかりなんですが、福岡も案外と広い地域を抱えているんだなあ、と勉強になりました。

 さて今回の主題は栽培上欠かせない手順である間引き、ですね。

 ヒョロヒョロというか、葉の幅が狭く感じます。ここは間引きで日照競合を除き、ステップアップです。

 意外に思ったのは鉢の外縁の株が小さいのですか。通常なら逆に中心部の方が小さいものですが......そういう個体だったのでしょうか。また、萎れているのは水不足かもしれないので、徒長の心配をしながらも水は時折充分与えて下さい。この時期では、気温は高くなく、また個体大きさもそれほどではないので、水分競合は考えられません。萎れていたら水をやりましょう。回数よりも一回量を充分に、です。わざわざ言うまでも無く柚原さんも承知だとは思ったのですが、老婆心までに。というのも、過去の受講生で風よけや温室を作製した場合に水やり間隔を空けすぎる人が散見されたので......

 ちなみに雨は豪雨でもなければ鉢には充分入りません。鉢土の上だけですね。

 鉢土の空隙量を40%とすると、すっかり乾いてから水を与えるとたぶん500ml必要です。鉢土の面積あたりで考えると凄い量ですね。あ、農学部の学生ならば、土壌学でいうところの結合水やら重力水とかの知識はもちろん必須なのですが、一年生のうちから勉強しておくのもいいでしょう。乾燥地に興味があるならなおさらです。

 追肥等は適宜行いましょう。他受講生を参考にされているのはいいことです。ちなみに、間引きと同時に追肥をしなかったのは結果的にいいことですよ。根をわずかでも触った可能性があるときには、どかんと肥料分を与えたらダメージになりかねませんから。それから他受講生の追肥記事のところで「肥料を置いてから充分水をやった」という記述があり、地味ですが大事なポイントです。

 今回報告で感心したのは、間引き株の詳細な観察です。抜きっぱなしではなく、科学的な眼で見て、少しでも情報を得ようとするところは素晴らしいと思います。

 次の作業ステップとその結果記事も期待してお待ちします。

DSC_0329.JPG 仙台の新しい菓子? 若干タコに見える......

ラボスタッフ・オガタ