東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

1.野菜を育てるには・・・?(農:菅野 泰樹)

2024年10月 8日 (火)

1.自己紹介

はじめまして。農学部一年の菅野泰樹と申します。

私は福島県出身で実家が農家をしています。野菜を育てることは身近だったのですが、私自身は野菜の知識もなければ栽培の経験もありません。ただ、この夏は2週間ほど実家でキュウリの収穫の手伝いをしていました。朝4時に起きてキュウリを収穫して16時ごろまたキュウリを収穫して22時までには寝るという健康的な生活を送っていました。この経験がこれからの栽培に生きればいいなと思っています。

縁に恵まれ、興味もあったこともあり、学問論演習でこの講義を受講することにしました。一から野菜を育てる経験はなかったので楽しみです。記事を書く経験も初めてなのでこれも楽しみたいです。

私は育てる野菜にハクサイとホウレンソウを選びました。ハクサイは結球させることが難しいとのことでしたが、挑戦してみたく思ったので選びました。ホウレンソウの方は正直なんとなく選びました。最近食べてなかったからかな?と思っています。

個人的な目標は毎週欠かさず記事をアップロードすること、ハクサイを結球させることです。観察力、文章力もこの講義で養うことができればと思っています。

2.だいたいの栽培計画と現状

ハクサイ

品種名は「極意」だそうです。名前がかっこいいことも選んだ理由の一つだったかもしれません。種のパッケージに記載されていた情報によると69月頃が種まきに適した期間だったようです。といっても最近は暖かく、今でも20度強はあります。種まきにはギリギリセーフかなと思っています。早速種まきをしました。大きめの鉢に8粒の種を間隔を空けてまきました。106日に種まきをして現在2日が経過していますが、今のところ発芽は見られません。3~4日で発芽するというネットの情報を信じてもうちょっと待ちたいと思います。発芽後は間引きをして元気そうな1株を残して育てる予定です。栽培期間は3か月ほどになる見込みです。

↓10月8日の状態

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ホウレンソウ

品種名は「ハンター」です。ハクサイ同様こちらも想定されている種まきの期間は過ぎてしまったようです。こちらもセーフであってくれと願いながら種まきをしました。こちらはハクサイの鉢より一回り小さい鉢だったので蒔くのは5粒にしておきました。ハクサイと同じ106日に種まきを行いました。こちらも発芽はまだです。ホウレンソウの方は発芽に5~7日かかるようです。調べたところ、ホウレンソウは硬い殻のために発芽しにくいことがあるそうですが、今回使用した種は「プライミング処理」が施されたものであるようです。プライミング処理とは種子に発芽における生理的変化をあらかじめ加えて発芽にかかる期間を短縮させ、発芽の時期を揃えるものだそうです。この技術はホウレンソウ以外の種子にも使われているみたいです。ホウレンソウに関しては他にもネイキッド種子という殻をあらかじめ剥いだ種子も販売されているみたいです。発芽が短期間で、一斉に起こることは栽培においてかなり都合のよいことなのではないでしょうか。

ちょっと脱線してしまった気がします。ホウレンソウも発芽した後は間引いて1株だけ残す予定です。栽培期間はこちらも3か月ほどになる見込みです。

↓10月8日の状態

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すぐり菜大根

これはスプラウトとして栽培します。プラコップに湿らせたキッチンペーパーを敷いて種をまきました。106日に種まきをしました。これからはプラコップをアルミホイルで覆って光をさえぎって栽培します。1日1回ほど霧吹きで湿らせる程度水やりをする予定です。種をまいた翌日の107日には芽が出た種が34粒ほど見られました。またその翌日の108日には見たところ過半数の種から芽が出ています。来週あたりには収穫できるかもしれません。

かいわれ大根の種も頂いたのでこちらはしばらくしてから栽培するつもりです。

↓10月8日の状態

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3.反省

・来週までに育成環境(温度、湿度、光環境)を調べたい、観察の準備をしたい

温度計、湿度計、定規を買っておきたいと思います。

・野菜として育てる観点

ホウレンソウについて調べているとき、トウ立ちについての情報を見つけました。収穫期より早く花が咲いてしまう現象で、味が落ちるので野菜としては困る現象ではないでしょうか。ただ、野生のホウレンソウにとっては花が早めにつくことはそんなに悪いことでもないのかなと想像していました(想像に過ぎないので実際は野生でもよくないことかもしれませんが)。ある生物的特徴が農業においては有利にはたらくのか、不利にはたらくのかを考えるのも面白そうです。それを制御する工夫についても、種を改良する工夫、栽培法の工夫など、いろいろ考えられそうです。研究者の方も凄ければ農家の方も凄いことを改めて実感できます。

4.おわりに

目下の不安はちゃんと芽が出るかどうかですが、来週の記事では発芽の報告ができればと思っています。栽培方法を模索しておいしい野菜にありつきたいです。

ここまで読んでいただきありがとうございました。これからの記事投稿を通して読みやすく面白い文章を書けるように頑張ります。

コメント

菅野さんこんにちは

 冒頭からキュウリの収穫の話...... いやなんだか凄いなあと思います。農学部の人たちの中でも、そういった実際の農作業体験をした人はなかなかいないと思います。ちなみに農学部でも学科によっては合宿でそれはもう楽しい農場体験ができるところがありまして、おすすめしたいところではあります。

 さて、目標は記事のアップデートを定期的に、ということですが、こちら側も楽しみにお待ちしています。

 今回の記事内容について特に言うことも無い、きっちりしたまとめ方です。段落や見出しも良い書き方です。そして、作業前に情報を得るのもポイント高いですね!

 こちら側としては、播く粒数、鉢土の量、水やり、鉢受けの様子などをチェックするものなんですが、いずれも問題なさそうです。鉢土についてまだ多少余っているでしょうから、「増し土」に使うので保存しておいて下さい。

 品種名、確かに「極意」は面白いですね。まあ、最近の品種は競ったように凝ったネーミングをします。

 結球までハクサイを育てるのはなかなか大変ですが、過去の受講生で成功した人もいますので、トライする価値があります。そしてハクサイの結球の大きさは葉の数に比例しますから、なるべく早く大きくしていくのがコツですね。そこで大事なポイントは幾つかあるんですが、特に間引きのタイミング、これはなかなか難しいのでおいおいお話しします。

 ホウレンソウも同様に、間引き......といっても、最終株数1にするかどうかは、生育状況によりますね。

 さてさて、ホウレンソウではプライミング処理に触れています。今はなんとなくのイメージで構いません。そういう言葉があるのを知るだけで充分ですよ。トウ立ちについても、本当に奥深いことではありますが、おいおい授業でも習っていくでしょう。ホウレンソウが長日植物で、家庭栽培においては、疑似的にでも長日の環境にしてはいけないことだけ知ればいいです。

 最後にスプラウト、下敷き、水やりはしっかりしています。付け加えるなら「案外弱い光でも反応してしまう」ことに注意し、しっかり遮光していて下さい。

 また来週の記事をお待ちします。

DSC_0381.JPG こういうネーミング......

ラボスタッフ・オガタ