2.発芽しました!(農:菅野 泰樹)
2024年10月15日 (火)
1.はじめに
種をまいてから天気予報を以前より気にするようになりました。こんなに天気に一喜一憂することは今までなかったかもしれません。
この前の記事で家が農家であると自己紹介しました。コメも育てているため私は生まれてこの方自分でコメを買ったことがありません。コメ農家の子供あるあるではないでしょうか。
2.現在の野菜の状況
喜ばしいことにこの前の三連休でハクサイもホウレンソウも芽が出ました。実はこの前の記事を書いた後芽が出るか不安でオプションとしてシャーレのような容器にハクサイ、ホウレンソウの種をまいて室内に置いていたのですが出番はなさそうです(こちらも芽は出ました)。処分するのも忍びないのでなにかに使えたらなと思っています。水耕栽培とかできないかな?と今ふと思いました。
ハクサイ
10月14日時点で写真のような感じになっています。芽が初めて出たのは10月12日です。種をまいたのは10月7日なので約5日を発芽に要しました。定規を購入しましたのであてて写真を撮ってみました。もうちょっと撮り方は考えたいと思います。高さは1~2cm弱くらいでした。芽は7つ確認できます。8粒まいたはずなのでだいたい発芽しました。もうちょっと間隔をとって植えたつもりでしたがだいぶムラがありますね。水やりは種をまいてから土が乾かない程度行っていました。
少し調べた程度ですが葉の数がたりないことがハクサイが結球できない要因となることがあるみたいです。間引きを適切に行えるかも大事とのことでした。現在は子葉の段階ですが、この時点で間引きをして3~4株を残す方法もあるみたいです。密集している株もあることですしやってみようかと思っています。
ホウレンソウ
ハクサイ同様12日に発芽が確認できました。10月14日時点で芽は3つですが出てきそうな芽が1つ見られます。子葉の形がハクサイとまったく異なっていて興味深いです。茎がすでに赤っぽいところなどすでにホウレンソウっぽさはありますね。茎の赤さはアントシアニンによるものみたいです。アントシアニンの生成によって紫外線や寒さに強くなるという情報もありました。庭木などの新しい葉っぱが赤くなっているのを毎年見ていてなぜだろうと考えていましたが、あれも紫外線からの防護のためらしいです(冒頭の写真が例になります)。思わぬところで疑問が解消されました。
ホウレンソウは長日植物ということであまり光を当てると花をつけてしまいます。街灯や部屋の光にも注意しなければいけないという事例も見つけたので夕方から朝までは箱でも被せておこうかなと思っています。箱を取り忘れて衰弱させてしまいそうです。
すぐり菜大根
順調に伸びてはいますが、葉に黒い斑点が見られます。こちらは10月6日に種を蒔いたので8日ほど経過しています。高さは10~15cm程度でムラがあります。次の記事までには収穫するかと思います。
黒い斑点について少し調べてみました。最初はカビの類かなと思ってショックでした(まだその可能性もあります)。種子に傷があると葉に斑点が出ることがあるという情報を見つけましたがこんなに出るものなのでしょうか。成長し始めは斑点はみられなかった気がしましたが写真を見返してみると黒い斑点が細かいですが確認できました。食用に問題がないことを願っています。斑点の正体についてもできるだけ考えてみます。
↓種を蒔いて4日経った時点。よく見ると黒い斑点が...
3.おわりに
ひとまず芽が出てよかったです。観察の方法についてはもうちょっと工夫できる気がします。これからは間引きをいつすべきかが問題になりそうなので頑張ってタイミングを見極めたいと思います。
これからも天気予報とにらめっこする生活を続けていきたいと思います。読んでくださりありがとうございました。
コメント
菅野さんこんにちは
天気予報を気にするのは、まあいいことですね。最近の天気予報は大変精度が良く、雨もそうですし、気温もだいたいその通りになってありがたいものです。
逆に今まで天気予報を見ないでこれたのは住んでいる地域がよかったのかもしれません。というのは何のかんの言って太平洋側地域は雨が少ないもので、雨だと「あれ、今日は雨だな」くらいに思います。日本で松本などの中央高地、そして北海道東部のオホーツク地域は特別雨が少ないものですが、仙台も負けず劣らず雨が少ない地域です。雨の日が少ないというより、雨が夜間に多いのであまり感じないといったイメージでしょうか。
さて今回報告では、測定の仕方や客観的な数字の提示がいいですね。もう一段、温度情報や置き場の光情報が欲しいところではあります。
ホウレンソウが長日植物であるために「部屋の光が外に漏れてホウレンソウまで影響する」可能性に言及してますが、それが具体的にどの程度なのか、情報が必要です。というのは過去にそれを過度に心配し、遮光を考えたのはいいけれど、遮光が多過ぎて全体に光量不足になった例もありましたし。
話を戻し、「発芽率」については良い感じです。間引きについても考えた通りに行って下さい。意義や程度について、他受講生へのコメントを参考にして下さればいいと思います。
二度目に播いた種子は発芽後適当に使って下さい。正直水耕栽培は難しいものです(過去に挑戦した受講生はいます)。今回スプラウト用として供与した種子以外は、殺菌剤処理しているものが多いですので、その残留によりスプラウト的に食用にすることはできません。水耕あるいは別鉢で少し成長させて期間を置く必要がありますね。
記事ではアントシアニンについての調査、言及も良いことです。この記事を単なる「観察日記」にせず、大学単位として科学的なものにするためには考察が重要です。ちなみにアントシアニンに関して、記事中にある通り(光防護など)なのですが、根本的な意義について未だ明確にされてはいません。もちろんアントシアニンの構造(スタック構造という特殊構造です)や合成、関わる遺伝子は早くから明らかなんですが、植物への寄与率がどれほどなのか、等は分かっていません。どうでもいいことですが、アントシアニンが「人間の目にいい」というのも、科学的根拠は全くありません。色素系の物質で目に良いと判明しているものはルテインという黄色の色素だけです。
さてさて、最後にスプラウトの話ですね。室温が高いのか発芽と伸長が早いものです。その意味でしっかり時系列的な伸長の様子の報告が必要でした。
まあ、もうここまで伸長(長いもので15㎝!)すれば遮光を取り去って一気に緑化、収穫だけです。緑化期間は2・3日で足るでしょう。黒い斑点については正直よく分かりません。見た目カビの可能性よりは何かの障害によるものに見えます。食べるのに支障はないでしょう。カビと言えば、もしも根の方に妙なヌメりや異臭があれば問題となりますが、逆にそうでなければオッケーです。
次記事も期待しています。
お揚げであげあげ、勝つオー! なんだか上手いこと言って......
ラボスタッフ・オガタ