東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

初めての野菜栽培! part10(会:宮野 はるな)

2024年12月14日 (土)

こんにちは、宮野はるなです。最近、雪が降り始めて冬の訪れを感じます。
今回はミックスを中心に記事を書いていこうと思います。

第2回!ミックス栽培


前回種をまいた、ミックス2期生(先生からいただいた種)と市販(市販のミックスの種)の栽培の様子の比較です。

言い忘れてしまったのですが今回は室内で育てています。理由としては、これからの外の気温は5℃以下になり、葉が生えてこないことが懸念されるからです。また、会津はが降るので植物に悪い影響があると考え、家の中で育てました。


12月4日(水) 播種3日目 21:47 室温(22℃)



芽が出ました。ミックス2期生は4本、市販は3本でした。

2期生20241204_214750.jpg

市販

 20241204_214809 (1).jpg
大きさは縦(長径)が約4mm横(短径)が約1mmで2期生も市販も大きさに違いは見られませんでした。

葉を楕円と見立てて、面積を出すと、

面積=π×2×0.5=πmm²  ≒3.14mm²


また、植木鉢の大きさが異なるので単位面積あたりの芽の数を求めてみました。
3.5号鉢は直径10.5cm、5号鉢は直径15cmなので、

【2期生】
4/(5.25×5.25×π)≒0.046本/cm²

【市販】
3/(7.50✕7.50✕π)≒0.017本/cm²

このことから、2期生のほうが単位面積あたりの芽の数が多いことがわかります。



12月5日(木) 播種4日目 18:09 室温(23℃)


まず、芽の大きさです。両方とも縦5mm、横1mmほどになりました。

面積は、≒3.93mm²


目の数は、2期生が12本、市販が23本でした。両者とも驚くべき成長をしていますが特に市販は前日から8倍近く芽の数を増やしていることがわかります。

2期生 20241205_220155.jpg

市販20241205_220151.jpg


こちらも単位面積あたりの芽の数を求めてみました。

【2期生】 0.138本/cm²
【市販】 0.130本/cm²

このことから、2期生のほうが単位面積あたりの芽の数が多いことがわかります。感覚的には市販のほうが発芽しているイメージでしたが単位面積で見てみると2期生のほうが発芽の数が多いということは驚きました

また、ミックス1期生(最初のミックス)の播種4日目と比較してみました。下の写真が1期生です。みてみると、葉がきれいに2つに分かれていて、上側に葉が開いています。2期生の葉が開いていない原因として日光があたらないことだと考えました。室内で育てているために外で栽培するときよりも日光が当たらず葉がうまく開いてくれないのかと思いました。

20241004_075115(0).jpg



12月6日(金) 播種5日目 21:32 室温(22℃)


芽に高さが出てきました。測ってみると2期生は3〜4cm市販は2.5〜3.5cmでした。

 2期生20241206_213456.jpg

市販
20241206_213212.jpg



芽の数を数えると2期生は17本、市販は23本でした。2期生は芽の数が増えましたが、市販は変わらなかったです。

 

2期生20241206_213601.jpg

市販
20241206_213604.jpg


2期生の単位面積あたりの芽の数を求めてみました。

【2期生】 0.196本/cm²

また、芽が開いてきました。葉の面積は市販よりも2期生のほうが2倍ほど広かったです。


12月8日(土) 播種7日目 9:27 室温(23℃)

芽の数を数えると2期生は20本、市販は28本でした。市販は播種5日目で変わらなかったので芽の数は変わらないかと予想していたのですが、5本増えました。

単位面積当たりの芽の数は下のようになりました。
【2期生】 0.230本/㎝²
【市販】 0.158本/㎝²

葉の大きさは、2期生が縦(長径)10㎜、横(短径)6㎜、市販が縦(長径)7㎜、横(短径)4㎜でした。
葉を楕円と見立てて、面積を出すと、

【2期生】面積=π×5×3=15πmm²  ≒47.12mm²
【市販】面積=π×3.5×2=7πmm²   ≒21.99mm²
 2期生20241208_092728.jpg
ミックス20241208_092718.jpg


また、高さは2期生は5.5~6.0㎝でした。しかし、市販は茎が細すぎて水をやったら倒れてしまい、高さを測ることができませんでした。
 2期生
20241208_092816.jpg
市販
20241208_092754 (1).jpg
ミックス1期生の播種8日目の様子です。葉の面積が1期生は大きく、子葉の間から本葉が出始めています。やはり光が足りないのでしょうか...
 20241008_172712 (1).jpg

12月10日(火) 播種9日目 21:11 室温(22℃)

葉の大きさは、2期生が縦(長径)13㎜、横(短径)7㎜、市販は縦9㎜、横4㎜でした。
楕円と見立てた面積は、

【2期生】71.45mm²
【市販】28.27mm²
 
 2期生20241210_211208.jpg市販20241210_211107.jpg

また、高さは2期生は7~8㎝で市販は倒れてしまったので計測できませんでした。

12月14日(土) 播種13日目 15:11 室温(23℃)

2期生の茎も弱くなってしまったので原因を考えてみたところ、光が当たっていないことだと思い、植木鉢を光が当たるところに移しました。
一日おいた結果です。どちらも上の写真が光に当たる前(7:58)下が光を当てたあと(19:25)です。少し元気になったような気がします。
 ミックス20241214_080040.jpg
20241214_192337.jpg
市販
20241214_075856.jpg
 20241214_191330.jpg
2期生の高さは6〜7cmで市販は測れませんでした。
また、葉の大きさは2期生が縦13mm横7mm、市販が縦9mm、横4mmで両方とも変化が見られませんでした。
2期生と市販の単位面積あたりの発芽数、葉の面積の成長率をグラフ化してみました。スクリーンショット 2024-12-14 202824.pngスクリーンショット 2024-12-14 203100.png
グラフを見ると、単位面積あたりの発芽率は2期生は無理関数的に増加していて、市販は播種3日目から4日目は急激に増加しましたが、その後は緩やかに進んでいる印象です。
葉の面積については、2期生は急激に成長していて、全体的に傾きが大きく、特に播種から2日目〜3日目の区間で大きく成長しその後も成長が続いていますが、市販は緩やか2成長していることがわかります。

 

次回は、かいわれ大根の収穫とミックスの観察を記事にしていきます。ミックスは日が出ているうちは太陽のよく当たるところで育てていきたいと思います。

コメント

宮野さんこんにちは

 仙台でもほんのわずか雪っぽいものが見えた気がします。会津でははっきり雪なんでしょうか。まあ、雪はそう歓迎されず、生活に不便なものですが...... 最近外国人旅行者の間で只見線が人気らしいですよ。東南アジアでは深い雪、そして一面の雪景色など未知の世界、只見線沿線はまるで別の惑星のようで......衝撃かもしれませんね。映画のロケ地にも使われています。

 さて植物はサラダミックス二回目!!

 よくトライしました。こうやって「与えられた課題よりも高いハードル」を自分で設定する心意気がいいですね。

 そして今回は細かく計測し、それに基づいて計算をしているのが特徴です。時系列的に追っていきながら、芽(子葉)の面積計算でしょうか。加えて、発芽率にも言及していますね。

 それもかなり細かい計算です。最終的にグラフにまとめたのも素晴らしいことです。これは何度も言いますが、「気付いたことを計測=客観化」し、「グラフによって更にはっきりさせる、または別の側面を発見する」というのは非常に大事なことです。基本ですね。今回もグラフの傾きなどから分かることがあります。それにしても、今回は労力を使った投稿で、本当にいいものです。

 さあ、そこで敢えていうのですが、更に一段上です。

 計測、グラフいや実験そのものが「何かを言うため」です。これは科学論文として当たり前で、テーマのことを言いたいがために実験と文章があります。

 つまりどういうことかというと、「何をはっきりさせたいのか、何の知見を得たいのか」最初に考えてから実験を組みます。例えばですね、仮に「太陽電池とミドリムシ養殖を組み合わせたハイブリッド高効率再生エネルギー」というテーマを考えたとしましょう。この場合、「透過型太陽電池のスペクトルでミドリムシが培養できるか」、これがメインの実験になります。そして付随して、諸問題を解決するため「温度上昇による太陽電池及びミドリムシへの影響」や、「培養槽からの湿度が太陽電池の劣化に影響するか」といった実験系が必要になるでしょう。ぱっと思いついただけですが、テーマのことを言うのにこれらの実験系をワンパッケージにしなくてはいけません。あくまで実験は「何かを言うため」、その焦点を忘れないで実験していけば、良い科学論文になります。

 

 さて話は戻り、播種10、11日ごろでどちらの鉢も徒長しています。本来ならもうダメかな、というところ、屋外日光のためにだいぶ立ち直りましたね。屋外の光条件がやはり整っているのでしょう(ハツカダイコンも順調でしたし)。この気温の時期はやり直しがきかず、このまま行ってみましょう。徒長からどれほどリカバリーするか、そこにも興味が湧きますし、また低温下でのミックス栽培そのものも面白いものです。

 さあこの投稿と、スプラウトの投稿を分けているようで、それまた見やすい工夫です。続けてスプラウトの投稿を読ませて頂きます。

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ラボスタッフ・オガタ