9.今度こそスプラウトの収穫を!(農:菅野 泰樹)
2024年12月15日 (日)
はじめに
ここ最近、雪がちらほら舞うようになってきました。仙台に引っ越して初めての冬なのでどれくらい降るものなのかと思っています。私は福島の内陸の方で暮らしていたので雪はそこまで珍しいものでもないのですが、雪が降るとうっすらテンションが上がります。積もるのはやめてほしいですが、あまり少ないのも寂しいので仙台でも程よく雪が降ってほしいです。
防寒について
冒頭でも少し触れましたが、最近、特に夜は寒く、天気予報でも雪の予報が出ているほどです。そこで、今育てているハクサイ、ホウレンソウの寒さ対策を行うことにしました。
ビニールで鉢を覆って、小規模な温室を作ってみることにしました。百均に行って使えそうなものを買ってきて、下のようなものを作ってみました。
金属の枠を緩衝材のプチプチで覆って、これを鉢の上から被せています。とりあえず夜間のみ設置して、日中は外すことにしました。ずっと被せていると湿度が高く、風通しが悪くなり、光合成の妨げとなるかと考えたからです。また、ただでさえ光が足りていないので、できるだけ光を遮るものがない方が良いのかもしれないとも考えました。
ハクサイに被せた様子(ホウレンソウの鉢にも同様に設置)
カイワレ大根の栽培
以前の記事ですぐり菜大根のスプラウトの栽培に挑戦しましたが、根腐れさせてしまい、失敗に終わりました。今度はカイワレ大根のスプラウトの栽培を行うため、ここでリベンジをしたく思います。以下に工夫のポイントをまとめます。
1.水の管理
前回の失敗の要因の一つに、水の与えすぎが挙げられると思っています。根腐れが起きた以上、水管理に問題があったはずです。前回の栽培の時にいただいたコメントや、過去の記事などを参照して、適切な間隔で適量の水を与えることを徹底したいと思います。
また、湿度が高くなり過ぎたのも失敗の要因かもしれません。今回は冬の栽培なので、もしかしたらそこまで問題にならないかもしれません。前回はプラコップに種を蒔いてアルミホイルで覆って遮光していましたが、次は段ボールをプラコップに被せて栽培してみます。空間をある程度とれば湿度が高くなりすぎはしないかと考えています。
2.緑化のタイミングの見極め
前回、根腐れを確認したのは栽培開始13日目でした。緑化させようと思っていたころのことでした。根腐れに直接関係があるのかはわかりませんが、緑化はもう少し早めに行うべきだったのではと考えています。今回、適切に緑化を行うための工夫として、観察ごとに高さを計り、比をとって成長率を求めるのはどうかと考えています。この値が鈍化傾向にある時が成長が打ち止めになる頃で、緑化のタイミングと言えるのではないかと考えました。そのためにも、今回はこまめな観察、記録を心掛けたいです。
おわりに
そろそろ年末はどう過ごそうかと考える時期となってきました。野菜の寒さ対策がうまくいき、スプラウトの収穫ができれば、よい年末年始を迎えられそうです。
ここまで読んでくださりありがとうございました。年内にもう2、3個記事を書きたいと思っているので、読んでいただけると幸いです。
コメント
菅野さんこんにちは
福島の内陸の方...... 福島市そのものなのか、あるいは福島市の中でも西側の方の話なのか...... まあいずれにせよいいところですね! 私も正直仙台より福島の方が好きです。福島はどこの地方でも特色があっていいのですが、特に福島市は桃の各品種を食べられるだけでも最高です。毎年桃を買うためだけに福島に何度も行ってます。本当は庭に桃を植えたいのですが......周囲にハクビシンがいる関係上果樹はダメそうで、残念です。
福島は気候もまた素晴らしいと思います。仙台より寒暖の差が激しいといっても、逆に風は強くないですし......それに夏の暑さも質が良い?のか、なんか仙台より爽やかに思ってしまいます。
さてさて、投稿ではのっけから「植物の寒さ対策」ですね!
けっこう立派に見えます。幾多の過去受講生にはない、「プチプチを使う」という考えが非常に斬新です。フレームも、詳細は見えませんが100均のものでしょうか。そして風にやられないほどには強度は足りているでしょうか。まあこういう温室のようなことを考え、実行することは大切ですね。読んでいる方も面白くなります。
ただ......この場合、効果はあまり望めません。毎年一定数の受講生で発生するのですが、「夜間の保温」をなぜかしら考えてしまうんですね。なぜか、理由は不明です。
一つ、「植物は動物と違う、つまり熱を出さない=夜間暖まりようがない」「温室は外気温から守ることはない」ために、夜間は温室が有っても無くても変わりません。これは当たり前のことで、そんなビニール一つで変わるわけがありません。
熱帯植物ならば、「最低気温が一定以上なくてはならない」ために冬は必ず温室で囲いますが、その場合は夜間に暖房をするのが大前提です。でなければ意味がありません。
そして温帯植物の場合は、夜間の温度は低くても事実上大丈夫です。ではなぜ温帯植物でも温室をした方がいいのか? それはあくまで「昼間の日光のある時に」暖めるためです! 温度が低いといくら光があっても光合成反応ができません。ここで温度を上げることにより光合成をさせて、結果成長の促進を図ります。
つまり温室は「昼間にこそ意味がある」のです。この簡易温室は昼間に使いましょう。そして温度の上がり過ぎ、また湿度の上がり過ぎを防ぐために換気口をわずか設置するのですが......歴代受講生の例を見ると、事実上そこまで密封性が高くないため必要ないことがほとんどでした。思いっきり本格的に作った受講生でしたら、換気口と、ものは試しの夜間保温(暖房ではなく、ペットボトル水筒で温度キープ)を示唆したこともありますが...... しかしどんなものであれ温室で成長促進になったものです。
余談になりますがこの「昼間の余剰温度をいかに夜間までキープするか」という問題は園芸学の大きなテーマです。それこそ先人たちがいろんなタイプ(二重ビニールの間に断熱材を入れるとか、土壌深くにパイプを通して土壌蓄熱とか、専用の蓄熱材を用意して循環とか......)を考えたものです。
さて話は戻り、もう一つの問題、「このプチプチが光を遮るか」の話です。事実上それは考える必要がありません。透過率は8割はあるでしょう。光が散乱するために透過率が悪く見えるだけで、実際は悪くないと思います。それより温度上昇の方が光合成にはずっと重要です。
さあ今後どうなるでしょう......
今回投稿では「カイワレダイコンでスプラウトリベンジ!」の話もされています。考察は充分になされたようで、特に「湿度まで考えた」というのが斬新です。
観察と測定の重要さ、これは言うまでもないのですが、科学的考察には不可欠ですね。そこから得られたデータを使い、「成長率に換算」、これまたどうなるのか一つ楽しみです。
根腐れの問題は水管理と気温とどちらにも関わっていますが、室温を変えるのは難しいので、適宜過湿にならないよう管理、くらいですね。投稿中にもその部分の気合いが見てとれます。まあ、年末はイベントごとも多いので、過密スケジュールにならないよう、適度に頑張りましょう!
もはや新しい味が、ミステリーの領域だあああ! しかもつい乗せられて買ってしまうではないか!
ラボスタッフ・オガタ