東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

のほほほんとした観察日記-13(医:酒井 桜奈)

2025年1月18日 (土)

こんにちは!

今は、テスト三昧の1月、かなり忙しいです。どうか無事に1月が終わりますように。

 最近たまごっちを育て始めたのですが、少しお世話を怠っていたら写真のようなちょっと可愛げのない顔に育ちました。たまごっちはお世話をどれくらいやるかによって育つキャラクターが変わります。完璧に育てると真面目な子になるのですが、私はいじっぱりに育てました。まあ、少しいじっぱりそうな顔をしていますね。

 

 さて、久しぶりに野菜たちに会ったら、とても大きくなっているような気がしました。

久々に会ったハクサイ

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極意〜ハクサイ〜

 いつも通り葉の大きさを測ってみました。その場に定規がなく、自作したので少しわかりづらくなってしまいました。次回まで準備したいと思います。

1月18日 8:06 内鉢

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 内鉢の葉の大きさは21cm程度でした。前回19.5cmだったのでまだ成長し続けていることになります。葉も増やしながら成長していることに感心しました。肥料がたくさん必要であることにも納得がいきます。

1月18日 6:50 内鉢

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 上から見るとわかりにくいのですが、横から見ると葉が上向きになってきたような気がします。写真のように主に真ん中の葉が上に向かって生えています。結球をし始めたと思われます。。とても嬉しいです!

1月18日 8:10 外鉢

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 外鉢の方も葉の大きさを測ってみました。外鉢は約11.5cmでした。ずっと伸びとどまってしまっていたので、少し伸びたと思うと嬉しいです。

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 外鉢の方もいつもと写真の角度を変え、斜め上から撮りました。帰省した時は、横から見るとぺっちゃんこという感じで、葉が真横に生えているような印象でした。しかし今日見てみると内鉢と同じように真ん中周辺の葉が上に向かっていました。内鉢よりサイズは小さいですが、結球に向かっていると思うと可愛いです。

 相変わらず、真ん中の葉が内鉢に比べると大きめで混み合っています。

 

 

ミックス

 子葉の間から小さい本葉が生えてきました。まだ本葉が小さすぎて品種の違いはわかりませんが、、

 前回日当たりをよくして少し改善したのですが、白菜側とそうでない側では日光の量に差ができてしまいミックスが曲がって伸びてしまっています。また、伸びすぎている個体とそうでない個体の差が開いているため、間引きでは太くて長すぎないものを積極的に残したいと考えています。

1月18日 6:55 ミックス

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 写真のように一部の個体は倒れてしまっています。一方で、写真でまるで囲んだ部分の個体は比較的しっかり立っていてこの差は何かなと思いました。

 人の目では判断できないような光の量の差があるのか、最初から肥料を与えながら育てているため肥料の量に差があるのではないかと考えました。

 株が密集してきたところもあるため、もう少し密になったら間引きを行いたいと思います。

 

 今回はこれで以上となります。最終発表の準備も並行してやりながら引き続き報告を行っていきたいです。

 

 最後まで読んでいただきありがとうございました。

コメント

酒井さんこんにちは

 あれ、このたまごっちは...... 今時の進化系ではなく、トラディッショナルなものではありませんか! とてもいい感じです。ドットの荒い所が味わい深いですね。

 ちなみに、たまごっちは映画化されています。もちろん観に行ってますが、第一作目が本当に出来がよく、ちょっとした感動作になっていました。

 さてさて投稿の本題の植物、ハクサイが凄い成長ですね! 実家の環境が良かったのでしょうか。もちろん成長は葉の伸びという客観的な指標で分かりますが、ぱっと見た目でも段違いに感じられます。

 内鉢も外鉢も結球に向かっているようです。ここまで受講期間中に持ってこれたのは、歴代受講生でもわずかですから大したものです。後は油断せず水やりと施肥を続けましょう。

 さあ問題はミックスのリトライですね。写真で見る限り、どれもかなり徒長しています。長さの違いは光量の違いか、あるいはミックスなのでそもそも種類が違うからでしょうか。

 それと写真では子葉の色が非常に薄く見えます。これもまた光量が少ないことを示唆しています。そこで対策なんですが、せめて光の当たり易い角度にする、そして水やりを控えめにすることでしょうか。施肥については多過ぎても少な過ぎてもいけないのですが、事実上それが主原因になることはありません。

 しかしまあ、不思議に思うことがあります。コマツナ跡地に播種している、つまりコマツナが正常に発育していた環境なんですね。もちろん幼植物の方が徒長しやすいということがあるのですが......それにしても極端です。こちらとしてはいわゆる連作障害(同じ科の植物を連続して同じ土に育てると、育ちが悪い)まで考えたのですが、いやそれも違うと思い返しました。

 ちなみに、この例を含めて光量について明言できない、のには理由があります。

「通常の成長でなくてもいいが、最低限発育できる光量」、というデータが世の中にほぼありません。それはたいがいの論文が「理想的に発育させられる光量」についてのものだからです。当たり前の話で、植物工場などでは最適発育のために必要充分な照明光量を与えますから。

 あるいは逆に「光補償点の光量」についての論文も若干あります。これは純粋に植物学的な意図で調べられたものです。しかしご存じにように光補償点という低い光量では、植物は当座生きているだけの話で、やがて枯れます(人間で言えば基礎代謝のカロリーだけ与えているようなもの)。

 そのため、植物の状態で判定するか、「窓辺の明るいところ」といったぼやっとした言い方で表すほかないんですね。だからこそ酒井さんの場合を含めた歴代受講生のデータが役に立ち、その蓄積がこちらの知見になっていきます。今のところ、「室内栽培は失敗しやすいが成功した例もある」、「栽培しやすいトリオ『ハクサイコマツナ系、レタス系、ホウレンソウ』の中では、ホウレンソウが最も低温に耐え、ハクサイコマツナ系が最も低光量に耐え、レタス系が最もバランスがいい」という知見なんですが、数年したらまた変わるかもしれません。

 さて本講義もあっという間でしたが、終わりが近いですね。

 コメント欄で「科学的な視点」「客観化」のことを一貫して言ってきました。これは老婆心といえばそうなんですね。なぜなら、これからの人生が長いので、そういったことが役に立つ場合もあると思うからです。世の中には、上位に出てくるニュースあるいは有名サイト情報でも、ウソであることが本当に多いものです。いや毎日目にするといっても過言ではありません。酒井さんは医学部生のため、もちろん人体に詳しいわけなので、「お肌にコラーゲン塗る?ビタミンC?それが中に行くとか意味不明!」「コラーゲン摂取?消化でただのグリシンやんけ、コンドロイチンとか余計意味不明」「眼が良くなる?根拠があるのは黄色のルテイン色素のただ一個だけ」などなど分かるでしょう。ただ、分野が違えば、例えば「エアコンつけっぱなしの方が電気代がかからない」(起動時にエネルギーを使うから、という理屈は「人間は立ち上がる時にエネルギーを使うからずっと立っている方が疲れない」というのと同じ)というのも真偽が分からなくなります。まあ私も自分が知っている分野でしか判定できないので、偉そうなことは言えず、文系的な分野ではウソが見破れないこともたくさんあるでしょうね。というか世の中の情報はバイアスがかかっているというよりバイアスをかけるために存在しているものが大半です。

 本当に余談ですが、これから世に出る学生さんが賢くなるようにするのが、年寄りの世の中に対する役割なんでしょうね。そういえば「小学校なんか行かなくていい」という某人の意見には、「個人的コストと社会的コストの違い」という簡単な反論が可能です。これを「視野が狭まる」とか「将来の選択肢」とかいう話にしてしまうと、あくまで個人的コストの土俵に乗ってしまっているため埒があきません。小学校に行かないことは、いろいろ考え合わせても確かに個人的に有利なのでしょう。しかし小学校に行かない人が増えると、社会性や道徳の問題を抜きにしても、当然識字の問題や計数の問題で、世の中を親切設計にしなければならず、行政にも産業にも莫大なコストがかかります。社会的コストの増大ですね。例えて言えば「お祭りでお神輿担ぎなんかめんどくさい。抜けたら本当に楽になったわ。みんな何でそんなのやってんの?」という人がどんどん出てくれば......各個人は楽になりますが、神輿、ひいてはお祭りが成り立たなくなり、行事も観光もダメになってしまいます。

 なんてことを書きながら、最終報告も楽しみにお待ちします。

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ラボスタッフ・オガタ